大田区議会 > 2007-05-22 >
平成19年 5月  平成19年第56号議案に関する連合審査会−05月22日-01号

  • "航空会社"(/)
ツイート シェア
  1. 大田区議会 2007-05-22
    平成19年 5月  平成19年第56号議案に関する連合審査会−05月22日-01号


    取得元: 大田区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-10-03
    平成19年 5月  平成19年第56号議案に関する連合審査会−05月22日-01号平成19年 5月  平成19年第56号議案に関する連合審査会 平成19年5月22日               午前10時00分開会 ○海老澤 委員長 ただいまから、第56号議案に関する連合審査会を開会いたします。  まず、進行並びに申し合わせ事項についてですが、5月21日に開催した関係委員長会で協議した結果、お手元に配付した審査進行表に従い、本日と明日の2日間審査を行うことになりました。また、その他の事項につきましては、申し合わせ事項のとおりでございます。委員の皆様のご協力をお願いいたします。  それでは、審査に先立ち、区長からごあいさつがあります。 ◎松原 区長 連合審査会ということで、いろいろと始まってまいりますが、どうぞよろしくお願いしたいと思います。以上です。 ○海老澤 委員長 これより、審査に入ります。  第56号議案 平成19年度大田区一般会計補正予算(第1次)を議題といたします。  理事者の説明を求めます。 ◎清水 経営管理部長 それでは、ただいま上程されました平成19年度大田区一般会計補正予算(第1次)につきまして、ご説明させていただきます。  お手元の議案書、平成19年度(2007年度)大田区一般会計補正予算(第1次)と書かれた冊子をごらんいただきます。  1ページをごらんください。第56号議案 平成19年度大田区一般会計補正予算(第1次)でございます。歳入・歳出予算の補正でございます。第1条、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ6億1,584万3,000円を追加し、歳入歳出予算の総額をそれぞれ2,153億2,936万4,000円とするものであります。なお、歳入歳出予算の詳細につきましては、後ほど別紙により説明させていただきます。  次に第2条、債務負担行為の補正でございます。予算書の4ページをごらんいただきたいと存じます。債務負担行為の追加をお願いするものでございます。詳細につきましては、後ほど歳入歳出予算の説明と合わせてご説明させていただきたいと存じます。  以上で、議案書についての説明を終了させていただきます。  次に、歳入歳出予算事務事業等の詳細につきまして、ご説明させていただきます。お手元の平成19年度補正予算概要がご配付されていると思いますので、この資料に基づき説明させていただきたいと存じますので、そちらをごらんください。  まず1ページをお開きください。今回の第1次補正予算案の基本的な考え方としましては、区政の継続性の観点に立って、平成19年度の当初予算において留保した予算について、その必要性を改めて精査し、肉付けを行うとともに、当初予算編成後に生じた新たな課題に取り組むための予算を計上させていただいているものでございます。補正予算の規模につきましては、ただいま議案書におきまして説明させていただきましたが、一般会計歳入歳出当初予算2,147億1,352万1,000円に、歳入・歳出それぞれ6億1,584万3,000円を追加し、補正後の予算額を2,153億1,936万4,000円とするものでございます。  それでは、事務事業の詳細につきましては、これからご説明させていただきます。2ページの4番、補正予算歳出事業概要をごらんください。  まず1番の総務費の補正が、平和都市宣言記念事業で、大田区政60周年記念花火打ち上げとしまして、例年より1,000発増の約6,000発の打ち上げを予定して、事業費総額4,741万3,000円と、OTAふれあいフェスタに要する経費として3,463万6,000円で、合わせまして8,204万9,000円を計上させていただきました。
     次に2番、福祉費でございます。障害福祉関係で、ケアホームの整備としまして、旧久が原土木事務所跡地に建設予定の施設につきまして、実施設計経費の補助として354万9,000円、児童福祉関係で、ケアホームと隣接して建設予定の仮称久が原一丁目保育園新設経費として1億173万1,000円、合わせまして1億528万円を計上させていただきました。  続きまして3番の土木費でございます。橋りょうの耐震整備として、新馬込橋架替工事に伴う予備設計委託費1,890万円、八幡橋架替工事に伴う実施設計委託費3,500万円、公園の維持管理費で、大森ふるさとの浜辺公園で発生したトイレ等の破損事件に伴う復旧工事費や、防犯対策経費夏季浜辺監視業務委託費として3,080万円、都市計画公園の整備で、(仮称)東糀谷四丁目公園整備工事基本設計委託費850万5,000円を合わせまして、9,320万5,000円を計上させていただきました。  次に4番、都市整備費でございます。まず、蒲田駅周辺地区の整備で、JR蒲田駅エレベーター設置の伴う整備費負担金としまして2億円、空港臨海部の整備で、基本調査委託費として4,000万円、合わせまして2億4,000万円を計上させていただきました。  次に5番、教育費でございます。生活指導支援員の配置として678万3,000円、中学生の海外派遣の経費としまして2,132万9,000円、屋内運動場の改修で、東調布中学校の体育館大規模改修に伴う実施設計委託費として956万円、大田区総合体育館の建設で、設計委託等の経費として5,763万7,000円で、合わせまして9,530万9,000円を計上させていただきました。  3ページをお開きください。5番の一般会計歳入・歳出(款別)一覧をごらんください。歳入についてご説明申し上げます。  今回の歳入補正予算の財源といたしましては、14款の都支出金で、平和都市宣言記念事業の花火打ち上げに伴う都補助金65万円、17款の繰入金で、歳出補正額と都支出金の差額分として、財政金繰入金6億1,519万3,000円を計上させていただきました。  続きまして、4ページをごらんください。  先ほど事務事業の詳細につきましてご説明いたしましたが、それぞれの補正額を款別であらわした歳出表でございます。第2款総務費につきましては、補正額8,204万9,000円で、補正後の予算額は253億59万6,000円となります。前年度当初予算に比べますと、9億2,332万4,000円、3.5%の減となっております。第3款福祉費が、補正額1億528万円で、補正後の予算額は988億2,294万5,000円となります。前年度当初予算に比べまして27億2,252万4,000円、2.8%の増となっております。第6款土木費が、補正額9,320万5,000円で、補正後の予算額は146億7,368万5,000円となります。前年度当初予算に比べ、7億2,421万円、5.2%の増となっております。第7款都市整備費が、補正額2億4,000万円で、補正後の予算額は147億6,939万5,000円となります。前年度当初予算に比べまして34億3,436万5,000円、30.3%の増となっています。第9款教育費は、補正額9,530万9,000円で、補正後の予算額は235億2,217万9,000円となります。前年度当初予算に比べまして23億1,750万3,000円、10.9%の増となっております。  それでは5ページをお開きください。  ここでは、歳入の財源別と歳出予算の性質別を表にしたものでございます。性質別の主なものをご説明いたします。義務的経費の人件費が、教育費の生活指導支援員の配置に伴い678万3,000円の増となっております。また、投資的経費が、(仮称)久が原1丁目保育園の新設、橋りょうの耐震整備、JR蒲田駅エレベーター整備などにより、4億2,533万9,000円の増で、補正後の予算額は192億1,048万4,000円となっております。  続きまして6ページをごらんください。  7番の債務負担行為補正でございます。先ほど議案書の中でも触れましたが、今回の補正に伴う(仮称)久が原一丁目保育園の新設、及び大田区総合体育館の設計委託につきまして、債務負担行為を追加させていただくものでございます。最後に8番の積立基金の状況でございます。今回の補正に伴い、財政基金から6億1,519万3,000円を一般会計に繰入れさせていただくものでございます。このことにより、1次補正後の財政基金現在高は252億3,464万9,000円となります。  以上、大変雑駁ではございましたが、これで私からの説明は終わらせていただきます。 ○海老澤 委員長 以上をもって説明を終わります。これより、質疑に入ります。  理事者の皆様に申し上げます。質疑時間には、答弁も含まれますので、簡潔な答弁をお願いいたします。また、発言の際には、その都度自己の職名をはっきりと告げた上で、答弁していただきますようお願いいたします。  なお、会派の呼称は略称とさせていただきますので、ご了承願います。  それでは、質疑をお願いいたします。  自民、質疑願います。 ◆田中 委員 私は、自由民主党大田区議団を代表して、平成19年度大田区一般会計補正予算(第1次)に関連して、総括質疑を行います。質疑に入る前に、今回の区長選挙の結果について、感想等を含めて区長にお伺いをさせていただければと存じます。  まずもって、このたびの区長選挙におきまして、見事に初当選をされました松原忠義区長に対し、心からお祝いを申し上げます。今回の区長選挙は、5期20年にわたる西野善雄前区長の勇退に伴う選挙であり、かつ選挙戦まで2カ月半しかない時期の突然の出馬表明を受けての新人6名が出馬するという選挙でありました。結果は私どもが推薦をさせていただいた松原忠義区長が区民の皆様の賢明な判断、そして真しな期待感を含めて区民の負託を受けたわけであります。私どもに大田区政のかじ取りを託されたわけであります。私どもに取りましては、幸いな結果であり、また、当然の結果であったわけでありますが、他の候補者に一票を投じられた区民の方も、選挙結果のとおりおられるわけであります。それらの方の意思も適切に判断されながら、また一方、確実に区民の負託を受けたのは松原忠義区長であります。自信を持って67万区民にとって誤りなきかじ取りを行っていただきますように、心からご期待をいたしております。区長は今回の選挙結果について、どのように考えるのか、今後の区政執行にあたってのご決意を含めてお聞かせいただければと存じます。 ◎松原 区長 施政方針で述べさせていただいたことと重複する部分もあるかと思いますが、お答えをさせていただきます。西野区政が20年の区切りを迎えるに際し、私の最後の政治舞台をぜひ、自分の力を生まれ育ったこの大田区のために役立てたい、区民の皆様の豊かな暮らしの実現のために尽力したいという思いから、私自身は任期2年を残す都議会議員の職にありましたけれども、大田区長選挙に立候補いたしました。私を含め候補者は6人で、それぞれの方が多様な政策を掲げておられ、大変厳しい選挙となりました。結果としては、多くの区民の皆様のほか、各団体からの大変心強い支援を得て当選をさせていただくことができ、現在この席につかせていただいております。  選挙中を通じまして、私は区民の皆様からの熱い期待を感じました。それは、ぜひ区政に新しい風を吹き込んでほしいという、新しい発想で大田区の活性化を図ってほしいなど、驚くほど私自身に、私自身が持っていた問題意識と共通するものでありました。このような区民の皆様の信託に応えるためにも、私は選挙期間中にも申し上げましたように、区民一人ひとりが主人公であるとの信念のもとに区政を展開してまいりたいと思います。  私は今、自ら望んだとは言え、大変重い責任を痛感しております。また、身の引き締まる思いで毎日を迎えておりますが、今後とも区議会の皆様と力を合わせて、大田区のさらなる発展、区民の豊かな暮らしづくりのために汗を流していきたいと考えております。 ◆田中 委員 決意を含めてお話をいただきましたが、この4年間、特に体、健康にご留意をいただきまして、区民のために奮闘いただきますように心からお願いを申し上げます。  昨日の区長の所信表明で、私の質問のかなりの部分のお答え、多少かぶっておりますが、確認の意味も含めまして質問をさせていただきます。  最初に、都区のあり方に関連してであります。まず、松原区政のスタートにあたって、最初に、これまでの時代的な背景をいくつかのキーワードから見てみますと、国内問題としては、東京一極集中と90年代のバブル経済、バブル崩壊と失われた10年、構造改革、地方分権の推進などがありました。また、国際社会においては、東西冷戦の終えんと民族紛争の激化、経済のグローバル化など、にわかに思い浮かべただけでもこの20年間がいかに大きな社会変動の中にあったということだと思います。幸いに、現在は、景気こそ長い停滞から抜け出し、戦後最長の景気拡大が続いています。  しかしながら、社会保障関連の経費が増加する中、一昨年、遂に国において人口減少に転じ、社会保障システムの持続可能性が危ぶまれるなど、国民の多くが将来に不安を抱いています。支え手となる層の減少を念頭に置いた、社会経済システムの根本的な再構築が不可欠であることを誰もが認識していながら、いまだ解決のための明確な青写真が描けていない状況にあります。昨年末には、教育基本法と地方分権推進法が成立、また先日5月14日には国民投票法が成立するなど、ここ半年間に国家のあり方の根本的な見直しを進める上で重要な法案が成立をいたしましたことは適切であり、我が国がまさに大きな転換期にあることを象徴しているものであります。我が国は、戦後欧米先進国へ追いつき、追い越せと目標に向かって邁進をしてきましたが、そのような経済成長を重視した政策から、国民一人ひとりが豊かさを実感できる社会への政策転換を迫られております。今、我々が経験しつつあるこのような社会構造の転換は、立憲国家として近代化を遂げた明治期、日本国憲法のもと、民主主義国家として新たな出発をした戦後期に匹敵するものといっても決して過言ではないと思います。  大田区を取巻く状況においても、激変の中にあることは変わりありません。本年2月には、都区のあり方検討会が設置され、23区の再編を視野に入れた議論が端緒についたところであります。これまで松原区長は、都議会議員の立場で、都区のあり方について携わって来られました。ご承知のとおり、全国に約3,300あった自治体は、現在1,804にまで減少いたしておりまして、約45%の自治体が再編・統合されています。  一方、特別区においては、これまで地方分権論議が活発に行われてきませんでした。その原因としては、特別区が相対的に財政的には豊かであったこと、また都区財政調整制度が区間の税源偏在の調整において、うまく機能してきたことなどが上げられると考えます。そのため、地方分権論議が全国レベルで活気を呈したものとは異なり、特別区においては平成12年都区制度改革の実現以来、23区のあり方について議論はあるものの、本格的な検討、あるいは議論には至っていませんでした。ここへきてようやく変革の潮流が押し寄せてきたと言ってもよいと考えております。蒲田区と大森区が合併し大田区が誕生したという、かつての経緯が示すとおり、特別区においても自治のあり方について、不変不朽であろうはずがありません。地方分権とは、単に税財政の問題ではなく、社会そのもののあり方を問うものであります。社会状況は変化していく中で、自治体のあり方についても、常に時代のニーズに合わせてその規模や権能などの最適化が求められます。松原区政は、そのような区政の変革期にスタートを切ったわけであります。行財政改革へのたゆまぬ努力の積み重ねと、景気の回復により、財政的には比較的ゆとりはあるものの、今後の区政のかじ取りが大田区の浮き沈みを左右すると言っても過言ではありません。これからの4年間は、大田区政のさらなる発展にとって大変重要な時期であるとの認識を共有していただきたいと思っております。  区長は、区政から離れて14年、改めて区の立場に戻られてきたわけですが、国とのパイプも十分にお持ちでありますし、これまでの区政の経験と都議の経験を存分に生かした区政を展開されることを期待いたしております。また一方、大田区は大田区の視点がある。そのことが基本であることを再認識していただきたいと存じます。そして、区民の幸福という共通の目標達成のため、よりよい協力、連携関係を築き、議会とも両輪で区政を進めていただきたいと思います。昨日の所信表明演説の中でも、区長が触れられておりますが、これまで都議として都区を見つめてきた中で、都区のあり方について、どのようにお考えかお伺いをいたします。 ◎松原 区長 お答え申し上げます。東京都全体にかかわる広域機能、連絡調整機能などは都で、住民の生活に密着にかかわる仕事や地域の特性を生かしたまちづくりなどは区で行い、それぞれの地域が生き生きと発展することで、東京全体もさらに輝いてくるものと考えております。このために、本来都が行うべき事務を事務処理特例として区が行ったり、あるいは児童相談所などの区の事務とする方がふさわしい事務を都が行っている現状を根本的に見直す必要があると考えます。  また、大田区で言えば、国際化の最前線である羽田空港や東京港があり、豊かな水辺空間に恵まれ、高度な技術を持った産業のまちであるなどの特性を生かした独自のまちづくりに総合的に取り組んでいくためには、都区間の適正な権限、財源配分のあり方、合わせて区の規模や連携のあり方などについての見直し、検討も必要であると考えます。  いずれにいたしましても、区民の幸福の増進、大田区の発展に寄与することを常に念頭に置きながら、積極的に取り組んでまいりたいと思います。 ◆田中 委員 適切なご認識であると思いますので、これからもよろしくお願いを申し上げます。また関連して、国は地方分権推進の議論において、国と地方といった対立軸とは別に、東京と地方という対立軸を持ち出しております。その中で、住民税の住所地以外への選択納付制度や、都心区域の国直轄論など、いわゆる東京富裕論、あるいは東京一人勝ち論を盾にした、都区の財源を狙い撃ちにした動向が最近顕著に見られます。ましてワシントンDCではあるまいし、東京DC論は地方分権推進の流れに逆行したとんでもない話であると私は考えます。そこで全国的にまだまだ地方財政が厳しい中で、地方分権を推進していく立場から、このような東京富裕論について区長はどのようにお考えかお伺いをいたします。 ◎松原 区長 田中委員がご指摘のとおり、東京は日本全体の活力の源であります。日本の政治経済・文化をリードしていく使命と機能、また施設、人材等のさまざまな資源を有しております。日本全体が活力を増していくために、東京においてはそのポテンシャルをさらに生かしていくため、さまざまな機能や人材等の相互連携を深め、地域特性を生かしたまちづくりが求められています。このような意味から、地域格差を適切に自制する何らかの仕組みは、日本全体の安定的な発展のために必要ではありますが、東京の活力をそいでしまうような形で制度設計がなされるとすれば、日本全体が停滞しかねない危険性をはらむことにもなりかねません。  また、都心区域の直轄論につきましては、区域等さまざまな想定や議論がなされておりますが、住民が住み、日常生活を送る区域において、自治を担う主体が存在しないような議論は採ることはできないと考えております。 ◆田中 委員 そのような区長のお考えを聞きますと、区長の状況認識の的確さ、また問題意識の高さをはっきりと感じることができ、頼もしい限りであります。  そこでお願いでありますが、今後は国における道州制の議論の深まりや、東京都による特別区再編論の展開、さらには他区による再編論議などが続々と発表されることが考えられます。そのような中、遅れをとり、他に指導権を握られたままさまざまな主張の激流に飲み込まれ、大田区民の利益を損ねることがあってはならないと考えています。そのためには、大田区として主体的な分析、検討により、特別区の再編に関する考えを明確にすることが不可欠であります。住民に一番身近な基礎的自治体としての強み、それは区民の目線に立つことであり、抽象的な概念を振り回すのではない、区民本位の再編論の展開が求められます。今後も、議会及び区民を巻き込んだ議論がなされるようによろしくお願いを申し上げます。  次に、補正予算の全体像について伺います。区長にとって初めての補正予算であります。今回の補正予算の説明資料として、平成19年度補正予算案の概要という冊子が新たにつくられましたが、これは補正予算の編成にあたって、基本的な考え方や財源構成、事業の概要などを簡潔にまとめられたものでありますが、わかりやすさ、見やすさにも大変配慮されていると思います。歓迎すべきことだと思います。このような地道な改善こそ、よりスムーズな審議に役立つものであり、今後もぜひ続けて行ってほしいと思います。  早速この概要に沿って質問をさせていただきます。今回の補正予算編成についての基本的な考え方として、区政の継続性の観点に立って、当初予算、骨格予算において留保した予算について、その必要性を改めて精査し、肉づけを行うとともに、当初予算編成後に生じた新たな課題に取り組むための予算とあります。補正予算の総額は6億1,584万円余となっております。政策的判断を要する施策が中心である肉づけ予算としては、額が若干少ないという印象を持ちました。まだ区長になられて日も浅いため、区長の政策がそんなに多く盛り込まれていないと思いますが、当初、肉づけ予算として考えていたものの中に、今回留保した予算があれば、その内容と留保した理由を説明していただければと思います。 ◎松原 区長 本年度の当初予算の編成にあたりましては、西野前区長のもと、平和都市宣言記念事業、OTAふれあいフェスタ、中学生の海外派遣等、イベント的な事業や政策的判断を必要とするものについて、肉づけ予算としました。当初、肉づけとなっていた事業のうち、まだ予算化の段階ではないと留保したものに、産業経済費の公用用地、再開発支援事業があります。土地開発公社が平成16年に、株式会社米山商事から取得した大森南四丁目9番の公共用地の買戻し経費です。私はこれまで、中小の事業主から工場アパートなどの利用対象、資格を増やしてほしい、建て替え時の代替工場としての一時利用ができないものかなど、いろいろと要望を承りました。そうしたことを踏まえまして、用地の有効活用などについて前向きに考え方を整理する必要があると判断し、留保いたしました。  そこで、まず区内の事業所がどのような悩みや課題を抱えているのかを、現状認識をしっかりと持ちたいと考えまして、2次補正において区内事業所の実態調査を計上させていただく予定でございます。 ◆田中 委員 ありがとうございました。大胆な発想で区民のための適切な施策を展開することは当然大事なわけでありますが、やはり施策の有効性、あるいは継続性、実効性、そういうことを考えますと、やはりそのような慎重に対応すべきは慎重に対応する、これは私は正しい方法と思いますので、よろしくお願いを申し上げます。  続きまして、具体的な事業について伺います。平和都市宣言記念事業とOTAふれあいフェスタの事業費が計上されています。今回は、区政誕生60周年の記念ということですが、これらは前区長の時代に始めたイベントですが、この二つの事業は区民にも大変好評でありまして、今後も継続して実施していくべきだと私どもも考えております。  そこで、今後これらのイベントに対し、新区長のカラーをどのように出して充実、発展させていくのか、区長のお考えをお伺いできればと存じます。 ◎松原 区長 平和都市宣言記念事業は、昭和59年から開始し、昭和62年からは花火の祭典を実施するようになり、毎年12万人以上の入場者でにぎわって来ました。またOTAふれあいフェスタは平成2年以降、毎年30万人前後の参加者を得てきております。すっかり区民に親しまれ、期待されている大イベントとして定着していると考えております。こうした大田区の全区域から区民が集まり、連帯して行う事業は大変意義あるものと思っております。また、今年度は、大田区政60周年という大きな節目の年にあたり、ぜひ大田区全体が大いに盛り上がる素晴らしいイベントにしたいと考えております。私も、区民が楽しみにしているこうしたイベントは、ぜひ継続してまいりたいと考えています。今以上に区民が参加しやすく、地域の連帯の輪が広がるよう、まちの声を大いに取り入れていきたいと思っております。そして区民と職員とが互いに協働して知恵を出し合い、区民一人ひとりが地域を愛し、地域の一員であることを誇りに思えるようなイベントに成長させてまいりたいと考えています。 ◆田中 委員 ありがとうございました。次に、補正予算案の概要の5ページの歳出(性質別)でありますが、この人件費の今回の補正額は678万3,000円とあります。これは、教育費の生活指導支援員の配置のための非常勤の報酬でありますが、改めて1次補正後の人件費を見てみますと、501億円余で、前年度に対して0.5%の微増にとどまっていることがわかります。団塊の世代の職員が大量退職を迎えるこれから、特に平成この19年度予算についても、退職手当が財政を圧迫し、退職手当のための地方債の発行を余儀なくされる自治体がある中で、これは称賛されるべきことであります。現在、財政的にも余裕ができ、まさに強い足腰を築くことができたのも、これまでの経営改善のためのたゆまぬ努力の積み重ねがあったからこそであります。もちろん、議会も十分にその職責を果たしてまいりましたが、有能な職員が努力してきたからこそなし得たものでもあります。  現在、戦後最長の景気拡大が続いていますが、支え手となる層の減少を念頭に置いた効率、効果的な行財政運営が今後も不可欠であることは疑う余地がありません。また、人口構成の変化や、社会経済情勢がグローバルな視点においても、刻々と変化する中で、区民と行政が協働して魅力あるまちづくりに取り組むためには、区の職員にも前例にとらわれない柔軟な発想と、新しいことに積極的にチャレンジする意欲、行動力が求められています。そのようなことからも、今後とも有能な職員を育てる職場づくりや、人材育成を行うべきと考えますが、また、民間のノウハウを職員が取得できる仕組みづくりや、さらに民間事業者の力を行政施策に有効に活用できる能力を育てることも重要だと考えますが、いかがお考えでしょうか、お伺いをいたします。 ◎松原 区長 地方分権改革の流れが進んでいく中で、職員には地域で発生する問題を発見し、的確な解決に導く能力が求められています。今後は特に問題を解決するための政策立案能力を高め、地域のさまざまな人々や団体の力をコーディネートする能力を養成していきたいと考えております。このため、職場で自由に発想、議論できる環境をつくり、職員のアイデアを発表する機会を設けてまいりたいと思っています。  区政を進めていく中で、民間の優れたノウハウや感覚、機動力等を有効に活用していくことは大切だと考えております。そのためには、区民や民間企業職員との情報交換や、交流研修なども考えられると思います。これらを通じ、地域のさまざまな民間の資源を調整し、政策形成につなげていける能力を育てていきたいと考えております。 ◆田中 委員 ありがとうございました。次に、今後の行財政運営についてのお考えや、決意についてお伺いをしたいと思います。  松原区長は、区長選の中で、民間出身の区長ならではの着眼、発想で区政に新しい風を送るとの思いを訴えておられました。区長が区民に約束した政策として、地域の力、区民の力とともに、安心、安全、安らぎのまちをつくる、世界に誇れる国際平和交流都市をつくる、元気でのびのび・イキイキするまちをつくる、地域の発展と魅力的なまちをつくるなど、取り組みの方向を示しておられます。今後の大田の発展に必要な事業は、都議会議員、町会長を主として、培った経験や人脈を生かして、ぜひ実現をしていただきたいと思います。  その思いを実現するためには、区は具体的な計画を立て、それを着実に進めていく必要があります。今後、新たな計画の基本となるものは、地方自治法に定められた基本構想だと思います。現行の大田区基本構想は、昭和57年12月に区議会で議決してから、既に24年が経過いたしております。この間に、社会経済情勢は大きく変化し、大田区を取巻く課題も変わってきております。現在の長期基本計画2015の改定の際にも、文章等、あるいは文言等を私も改めてと言いますか、そのどちらも拝見をさせていただきましたが、現況とかなり、方向性課題についてそごができておりまして、区長も昨日の所信表明で、基本構想を見直すと、こういうことを言っておられますので、私はそれは正しい方向だろうと思います。現行の基本構想について、区長は見直されるということでありますので、そのスケジュールや見直しの考え方などについてお伺いをできればと思います。 ◎松原 区長 ご指摘のとおり、基本構想が議決された昭和57年は、日航機が羽田沖に墜落した暗いニュースで始まった年でもありました。急激な都市化のあと、大工場の移転など、産業構造の変化の兆しが出てきたころで、社会福祉の充実や公害対策などが、区政の大きな課題となっておりました。基本理念の大田区民と区政はともに英知と力を出し合い、まちづくりを進めるという考え方は、地方自治体の基本ではありますが、施策の大綱では差1982年当時の社会経済状況から、21世紀を展望したまちづくりの方向を示しており、老人福祉など、時代に合わない表現もみられます。開会あいさつでも触れさせていただきましたが、現在の社会状況、行政課題に呼応した新たな大田区像を区民の皆様に基本構想として提示することがぜひとも必要であると強く感じております。  基本構想の見直しは、新たな大田区の行政計画を策定する際に、並行して検討し、議会に提案する準備を進めたいと考えております。基本構想は、区の最上位計画となる重要なものですが、広くご意見をお聞きしながら、区民の皆様に大田区の将来の方向性を示すものとして素案をつくっていきたいと考えております。10カ年計画と合わせた審議会を設置して、今年度内に答申を受けた上で、平成20年度内には議案として提案できるよう、素案づくりを進めていきたいと考えております。 ◆田中 委員 大変すばらしいと言いますか、的確なご認識であろうと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。  そこで、大田区では平成13年におおたプラン2015を策定しています。道半ばでありますが、すでに6年が経過しており、先ほども申し上げましたとおり、この間の時代変化や今後の社会経済情勢を考えますと、2015についても見直してもいいという時期に来ているのではないかと思われます。その前段として、長期基本計画(おおたプラン2015)に掲げた施策は、現在、どの程度着手できているとお考えか。これはいろいろな、もう一回読み返してみますと、とらえ方によりまして、かなり全然違うわけでありますが、どのようにお考えか、お伺いをいたします。 ◎松原 区長 現在の長期基本計画は、ご指摘のとおり平成13年に策定され、6年が経過しています。計画期間は2015年、平成27年までの15年間となっており、実施計画その他の事業計画の実績からしますと、現在既に取り組みの方向に掲げられた事業の9割以上に着手しています。特に健康福祉、子育てなどの安心分野と、産業、地域、教育等の輝き分野の施策は、おおむね取り組みが始まっており、羽田空港跡地利用や蒲蒲線、緑のネットワークなど、潤い分野の長期的課題が残されている状況となっております。 ◆田中 委員 区長は、マニフェストの中で、実現すべき施策を明らかにされております。基本計画は、まさにそれを着実に実現するための指針とすべきであり、今日のように、変化が激しい時代においては、これまでの15年という、比較的長い計画期間ではなくて、公約にしておられる10カ年計画ぐらいが私どもも適切だと考えております。また、区長の公約の中には、羽田空港の跡地活用や、国際化を踏まえた区全体の活性化、蒲蒲線の整備促進、大田区が世界の誇るものづくり技術の継承、歴史や文化などの地域支援を生かした魅力ある街づくりなど、長期的な視点から考えるべき課題も多々あります。政策の実現のためには、その道筋をきちんと区民の示すことは重要だと考えます。  そこで伺います。10カ年計画を策定する場合には、おおたプラン2015にかわる基本計画と位置づけということでよろしいのか。また、先ほども触れられましたが、10カ年計画の作成の手順や、スケジュール等を簡潔に説明いただければと存じます。 ◎松原 区長 委員ご指摘のとおり、10カ年計画は、おおたプラン2015にかわる新しい基本計画として作成いたします。社会経済情勢の急激な変化に対応した将来像を描くためには、基本計画の期間として10年程度が適当かと考えております。  次に、策定手順、スケジュールについてでございますが、第2回定例区議会におきまして、基本構想10カ年計画作成のための審議会設置条例、及び計画作成のための補正予算案を上程し、議決をいただきたいと考えております。議決をいただいたあと、審議会で議論を進め、来年3月をめどに審議会からの答申といった流れを想定しております。  なお、10か年計画は、平成20年12月ごろまでには素案を公表し、平成20年度内に作成といったスケジュールを予定してございます。 ◆田中 委員 着実に進めていっていただきたいと存じます。  さて、今年3月に、平成19年度から21年度まで3カ年の実施計画が策定をされ、公表されております。区政の継続性を確保することは、大変重要であります。同時に、区長のマニフェストを実現するためには、実施計画等で既に計画済みの事業だけでは足りないのではないかと考えております。10カ年計画を策定するにしても、ある程度の今おっしゃられたとおり、検討期間が必要ということでありますが、今回の補正予算で提案された事業を含め、都政を含め、松原区政として早急に取り組むべき事業はできるだけ早く私ども、あるいは区民に示してもらいたいと思っておりますし、区民の皆様も同様にお考えだろうと思います。早急に取り組むべきとお考えの施策について、区長はどのようにお考え、そして取り組んで行くものとお考えか、お伺いをいたします。 ◎松原 区長 お話のありましたとおり、マニフェストに掲げました六つの約束の方向性、施策のうち、緊急に取りかかるべき課題が新たに検討を、進めていくべき施策については10カ年計画に先だって、早急に計画を策定し、区民に公表してまいります。緊急計画では、平成19年度、20年度の2か年で、各部が連携し、実現に向けて具体的に取り組む内容を示していきます。また、先にご質問のありました10か年計画にも結びつけていく計画にしていきたいと考えております。計画の公表時期については、7月を目途に取り組んでいきたいと思っております。 ◆田中 委員 ありがとうございました。大田区は従来から地域や団体が行政と協力し、まちのさまざまな問題や新たな区政の課題に取り組んできた歴史があります。区長自身も町会長として長年にわたり区政を支えて来られ、区民一人ひとりが主人公である区政をいわば実践してきたと思います。しかしながら、今度は区長という職責でありまして、広く区民の声を聞き、区政に反映していく立場になり、今までとは違った性質のご苦労がおありになると思います。従来の自治の仕組みになじみにくい新規住民などを含めて、より広く区民の意見を酌み取る住民自治のシステムとして、区民の区政への参画の新たな仕組みづくりの必要性、そういう部分についてはどのようにお考えか、お伺いをいたします。 ◎松原 区長 私は町会長として、地域の方々の思いをいかに行政に伝えていくか、どうしたら地域の思いが行政に生かされていくかを常々考えてきました。大田区にはさまざまな課題を行政とともに解決しようという熱意のある区民の方がたくさんいらっしゃいます。そうした方々と、知恵や力を出し合って大田区の地域力を高めていくことは、行政にとって大きな財産になると考えています。区政の関心が高くない方も確かにありますが、私は選挙の際に、区民一人ひとりが主人公である政治を約束してまいりました。そうした方々にも、区政の動きがよく見えるように情報発信をしていきながら、幅広い層の区民の方々が区政に参画できる新たな仕組みづくりを考えていきたいと思っております。 ◆田中 委員 私も昨年の決算特別委員会で、これから3カ年で大量に退職をされる団塊の世代、こういう皆さんをいかに、それだけではありませんが、どうやって区政に参画をしていただくか、非常に難しい問題だけれど、ぜひ区としていろいろなことを考えて取組んでもらいたいと、こういうことで質問をさせていただきましたが、今の区長のご答弁で、さらに進めていただきますようによろしくお願いを申し上げます。  今回の補正予算では、羽田空港再拡張と跡地利用により、大田のポテンシャルが最大限発揮されるまちづくりを進めていくための基本調査委託費が計上されております。そこで最後に、羽田臨海部についていくつかお伺いをいたしたいと思います。  今年3月30日に羽田空港の第4滑走路の工事が着工の運びとなり、当初の予定より遅れましたが、空港再拡張がようやく始まったと実感をいたしております。それに伴い、新たに増える発着枠の配分の問題や、国際化のための準備も実質的に動き出していると聞いています。ごく最近では、アジア・ゲートウェイ戦略会議や、オープンスカイについて新聞報道がされています。いずれも当然のことでありますが、羽田空港を積極的に活用していこうという考えが基本になっており、2010年の羽田空港国際化をにらんだ空港自由化を巡る論議が大詰めを迎えているところです。首相官邸と国土交通省の考えでは、航空自由化について対立もあるようでありますが、そのような対立点すら羽田空港がいずれ本格的な24時間稼働という体制に移行することを象徴することのように感じられてなりません。そこで、まず区長はこのような状況について、どのようにとらえていらっしゃるか、お考えをお伺いいたします。 ◎松原 区長 委員ご指摘のとおり、羽田空港を巡る動きはこのところ活発になっております。新聞報道にもあるように、首相官邸は羽田空港の国際化、自由化、24時間稼働を実現し、これまで以上に人やものの動きを活発化し、経済発展につなげ、アジアにおける存在感を高めようとしています。しかし、現実には航空自由化など、さまざまな問題があることも事実であります。今後、羽田空港は、平成22年10月末の第4滑走路のオープンに伴い、首都東京の玄関口として、国、東京都、大田区にとって魅力的な日本の顔となります。この事実をしっかり受けとめて、地元大田区にとって活気に満ちた魅力のあるまちづくりに向け、皆様とともに議論してまいりたいと思います。 ◆田中 委員 この第4滑走路が完成し、発着便数が増えれば、これまで参入できなかった航空機が増えて、利便性が高まり、旅客数が増え、貨物等の物流も増加し、経済的に大きなプラス効果をもたらします。反面、地元大田区民とりわけ空港に隣接した区民にとっては、ますます心配の種が増えるということにもなります。平成22年、2010年秋の完成を目指していますので、まだ時間が残されております。区民が安心できるような対策を望みたいと思いますが、区はどのようにお考えかお伺いをいたします。 ◎秋山 空港臨海担当部長 第4滑走路が完成して、いろいろと心配の種が増えるといったことについて、どのように対応していくのかというご質問でございます。ご指摘のとおり、種が増えるということも事実でございますけれども、一方で第4滑走路の完成によりまして、さまざまなメリットもあるわけでございます。しかし何と言っても、大事なのは、空港周辺の区民の方々の空港騒音問題、それから安全、安心の確保、こういったことをどのように工夫していくかということだと思ってございます。これまでご苦労や、ご努力を忘れてはならないとは思っておりますので、そのような考えの中から空港の運用方法や、航空機のルート、それから騒音対策、そういったものについて国に対して、地元の方の考え方をしっかり伝えてまいりたいと思ってございます。 ◆田中 委員 ただいま、空港臨海担当部長からご答弁をいただきましたが、ぜひ適切に対応していただきますように、よろしくお願いを申し上げます。  空港再拡張に伴う跡地の問題についても、重要なテーマであります。今年の3月に三者協、羽田空港移転問題協議会で空港跡地の範囲と面積、また跡地利用の検討にあたっての基本的な視点について合意がなされました。区長は、選挙期間中のマニフェストで、これまでの経過を大切にしつつ、地元の意見を反映しながら国や都と話し合っていくと述べておられます。既に、平成19年度当初予算において、羽田空港対策積立基金に40億円の積増しをしておりますが、その積立金の活用については、今後具体的に詰めていくものと考えています。今後、羽田空港の跡地利用に向けた取組みに対して、区は具体的にどのように進めて行こうとしているのか、お考えをお伺いできればと存じます。 ◎秋山 空港臨海担当部長 空港跡地の具体的な策をどう考えているかということのご質問でございます。三者協で合意されました内容に基づきまして、この4月に国、都、区の三者によります羽田空港跡地共同調査に関する連絡会議というものを立ち上げました。また、その中に4名の専門家による羽田空港跡地利用基本計画に関する有識者委員会、こういったものを立ち上げ、この5月15日に設置をいたしました。三者それぞれ、立場、あるいは考え方の違いが当然ございますけれども。この委員会のご意見を踏まえ、連携して考え方を取りまとめてまいりたいと思ってございます。区といたしましては、今後の跡地利活用に向け、跡地の一部購入を視野に入れ、羽田空港対策基金を積み増しさせていただきました。また、この臨時議会では、空港を含めその周辺臨海部について広い視野で現状把握をする。あるいは基本調査の費用を一緒に計上させていただいてございます。いずれにしましても、跡地については関係機関と連携をしながら、大田区の発展に寄与し、区民の皆様の期待にこたえられるような計画内容とするよう努力してまいりたいと思ってございます。 ◆田中 委員 ぜひ、よろしくお願いいたしたいと存じます。区長は、大田区を空港から都心部への連絡通過点にとどまらず、蒲田駅、大森駅を中心に産業を振興させ、魅力あるまちづくりをし、羽田からの客足を誘引し、大田区全体の発展につなげていくと述べておられますが、どのように産業振興を図っていくのか、構想があればお聞かせいただきたいと存じます。 ◎秋山 空港臨海担当部長 産業振興についてどのような発展策、構想があるのかというご質問でございます。2010年10月末に第4滑走路が完成いたすということになりますと、羽田空港はアジアの一部を中心とした国際空港となることは考えられます。東京の玄関口としてだけでなく、日本の玄関口として多くの人々がお見えになります。このメリットを生かすためにも、大田区の技術力をアピールするためにも、多くの皆様が立ち寄り、買い物をしたり、憩いをしたり、あるいは食事をしたりできる魅力あるまちづくりが必要だと感じております。羽田から都心に行く通過点ではなく、羽田に来たら、羽田周辺はもちろんのこと、蒲田、大森、こういったものがあるよと言われるようなまちをつくっていきたい。このことが産業の振興にもつながるものと考えてございます。 ◆田中 委員 ぜひ、積極的な取り組みを、お願い申し上げます。  いわゆる臨海部には、羽田空港をはじめとして、昭和島、京浜島、城南島など工業専用地区を含む島の部分、羽田旭町にある工業専用地区などがあります。これら空港臨海部は、いずれの地区も土地利用において問題を抱えております。今後は、その方向づけの拡大や整理・再編、あるいは転換を考えるべき地区であろうと考えています。さらに、これらの地区が工業、商業、物流、観光、港湾事業、情報産業など、東京周辺に大きな影響を及ぼすポテンシャルを持っています。その意味からも、この4月から空港臨海担当という組織ができたことは適切なものであり、大いに期待をいたしているところであります。そこでお伺いをいたしますが、理想的な展開とするために、ある程度の方向づけを行い、民間の活力と相乗効果で発展できるよう、取り組みを強化すべきと考えますが、いかがでしょうか。また、このようにさまざまな問題、課題を考えると、大田区としては、これら空港臨海部のあり方や、整備の方向性について総合的に考えるべき時期に来ていると考えますが、区長のお考えをお伺いいたします。 ◎秋山 空港臨海担当部長 私の方からは、臨海部の取り組みについて、ちょっとお答えをさせていただきます。ご指摘いただきましたように、この地区には大変大きなポテンシャルがあると考えてございます。そのために、ある程度大きなエリアを視野に入れまして、これからこの地区が、羽田空港や東京港湾の中でどのような役割が可能なのか、あるいはこれからどのような要請に応えられるのか、そういったことを十分に考えていきたい。そのうち、大田区として最もふさわしく、産業や物流のビジネスの発展はもちろん、空港におり立つ観光客の皆様も立ち寄ってみたいと、あるいは遊んでみたいと思っていただけるようなまちづくりが必要ではないかと考えています。そのためには、ご指摘のように、民間活力と相乗効果で発展できるような枠組みや取り組みが求められますので、そういった取組みも含めて考えてまいりたいと思ってございます。 ◆田中 委員 いずれにしても、羽田空港の再拡張による空港の発展、ポテンシャルを地域への経済波及効果として享受できるようにすることが大切であります。また、空港周辺の安全の確保と、騒音の軽減を図りつつ、空港と地域がさらに共生し、ともに発展していけるよう区長の手腕に期待をいたしております。  最後に、中央防波堤埋立地帰属問題について質問をさせていただきます。中央防波堤は、昭和48年12月から廃棄物処理場として埋め立てが開始されました。その内側埋立地は、昭和62年3月に埋め立てを終了し、排水処理施設や中間処理施設などが設置され、また外側埋立地においては、昭和52年10月から埋め立てを進めており、内側・外側を合わせて約420ヘクタール、これは東京ドーム約90個分もの広大な土地であります。さらにその先には、新海面処分場があり、これを合わせると900ヘクタールにもなるこの巨大な土地の帰属と、その土地利用については大きな関心を抱かざるを得ません。そこで質問でありますが。現状において、どのような土地利用を想定されているのか、お伺いをします。 ◎清水 経営管理部長 中央防波堤埋立地の土地利用に関しましては、すでに東京都の計画としまして、東京港港湾計画、それから埋立地の開発に関する要綱などがございます。埋立地内側は、埠頭施設用地、供給処理施設等用地、公共空地用地などが区分されております。また、施設に関しましては、同じく埋立地内側に清掃一部事務組合の各廃棄物処理施設が稼働中でございまして、東京都海上公園構想で、海の森、(仮称)海上公園の構想もございます。帰属を主張しております大田区としましては、これらの先行する計画や施設設備を十分に取込みながら、土地利用を決定していきたいと考えております。羽田空港の国際化や、城南島のスーパーエコタウン事業など、大田区が現在持っている都市機能とリンクさせることも重要と考えております。 ◆田中 委員 また、帰属の問題については、身を引いていただいた品川、中央、港、各区のことも配慮しながら、大田区としては大田区の主張を過去からの経緯も踏まえながら主張していくべきであります。今後の帰属問題について、区はどのように対処していこうと考えているのか、お伺いをいたします。 ◎清水 経営管理部長 帰属問題につきましては、大田区とそれから江東区の両助役におきまして、事務方の協議が平成15年8月に一応終了しました。この協議の結果でございますが、両区の主張は整理がついたと。しかし、双方とも帰属を主張しているため平行線であると。それを確認した上で、帰属問題の解決が東京都に調停の申請をする以外ないというものでございました。この協議の後は動きが特にございません。しかし、新区長のもとで、これまでの協議の結果を十分分析した上で、江東区と再協議をすることも選択肢の一つとして組み込んで、今後対応してまいりたいと思っております。 ◆田中 委員 今、区の方でも十分、大田区に帰属すべきであるという主張の内容について、さらにその正当性を強化するための今いろいろな取り組みもされていると思います。江東区の新区長、あるいはごみ問題で名をはせた米沢区議も今その補選で都議会に行っておりますので、ぜひ区長も石原知事とはパイプが太いわけですから、ぜひ大田区の主張について強力に、継続的に展開していただきますように、よろしくお願いを申し上げます。  今後、地方分権が進展する中で、大田区としても区長の力強いリーダーシップのもと、大田区職員が総力を挙げて区民の期待にこたえていかなければならないと存じます。さらに、行政だけではなく、町会をはじめ、いろいろな分野で活躍する皆さんとも連携、協働を進め、大田区の発展につなげていくべきだと考えております。私ども議会も今日まで、この庁舎の移転の問題を含め、あるいは臨海斎場、公設火葬場等の建設、あるいは昭和59年からの事務事業改善推進本部、それからそれに続く事務事業適切化計画、さらに今は大田経営改革プランですが、今日までのそのような爪に火をともすような地道な事務改善の努力があって、今日の大田区の強固な経営基盤、財政基盤があるわけですので、そこをきちっと踏まえた上で、職員の服務規律の徹底についても視野に入れながら、ぜひ松原区長には今後とも頑張っていただければと思います。  以上で、私の総括質疑を終わります。ありがとうございました。 ○海老澤 委員長 次に公明、質疑願います。 ◆溝口 委員 公明党、溝口でございます。大田区議会公明党を代表して、質疑を行わせていただきます。松原新区長、ご就任おめでとうございます。心からお祝いを申し上げたいと思います。また、大変にお久しぶりでございます。私は昭和58年から平成5年まで10年間、ともに大田区の区議会議員として、大田区の発展のために議論を重ねた仲間でもございます。寂しいことに、当時の仲間は既に10人ほどしか残っておりませんけれども、今回立場をがらりと変えまして、これから4年間、大田区を代表して区政運営の先頭に立たれることとなりました。これまで20年間、議論をしておりました前西野区長と違いまして、民間の感覚、そして攻めの政治を標榜する新区長に対する初めての質問になります。失礼な言い方もあるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いしたいと思います。  私は、選挙で選ばれた議員や区長と、区民の間には信頼関係が何よりも大事だと考えております。その意味から、区民に見えないところで自分たちだけがうまいことやっている、このように思われていたら信頼関係はつくれないことになってしまいます。そういう観点から、議会では、区民の関心が高い政務調査費のあり方が検討をされております。さらに、費用弁償につきましても、議員報酬のあり方も含めて今後検討がなされていくものと考えております。私はこの際、区長も区議会議員も自分たちだけのことではなくて、区民の立場に立って考えてくれている、このような姿勢を示すべきだと考えております。  そこで就任早々ではございますが、区長の退職金について伺います。民間の感覚から、在職4年で給料月額の500%掛ける4で、実に2,300万円を超える金額について、どのように感じていらっしゃるかお聞かせをいただきたいと思います。私も、今回の選挙に臨むにあたり、多くの区民との対話を重ねてまいりました。その中で、区長の給料が高いという声は全く聞かれませんでしたが、退職金についてはやはり多すぎるという声が圧倒的でした。前回、今回と区長の退職金を削減、あるいは廃止を訴える候補者が出ていることを思いますと、何らかの対応が必要と考えますが、いかがでしょうか。まずお伺いいたします。 ◎松原 区長 私ども特別職の給与は、大田区特別職報酬審議会における検討結果を条例として定めるという制度により支給されております。高額だなと感じないかというご指摘だと思いますが、現時点では、まずはこのような制度にのっとった金額であるということをご理解いただきたいと思います。また、改めて申し上げますが、私は区民の厳粛な信託をお受けして区長の職に就任させていただきました。この勤めを誠心誠意果たしていくことで、支給されます報酬そのほかに恥じない結果を残す所存であることもつけ加えさせていただきたいと思います。選挙にお立ちになった他の候補者の中に、委員のおっしゃるような主張を掲げた方がいたのは存じております。しかし、私はその方々のように、選挙におけるマニフェストとしてはおりません。私は先ほど申し上げたように考えておりますので、この辺はご理解をいただきたいと思います。 ◆溝口 委員 前区長と同じスタンス、しっかり仕事をして、しっかり報酬をいただくと、このような姿勢かと思います。いずれにしても、区長の諮問がないと報酬審議会は動きません。したがいまして、適切な諮問等に心がけていただきたい、このように思う次第でございます。  次に、区長の政治姿勢について伺います。これまで大田区は、20年にわたり西野区長のもと、さらに言えば昭和48年8月の区長準公選のもと、天野区長が誕生して以来、34年間、区職員出身の区長のもとに区政運営を行ってまいりました。都議会議員出身となりますと、第2代の代田区長以来、実に49年ぶりでございます。職員の経験が長いということは、区政の隅々まで精通をしている、このような点では最大の財産ですが、新たな提案や発想に関しては、現場を知っているだけに、法律や制度の壁が先に立ちまして、耳を傾けにくく、安全策を取ってしまう、このような弊害があると思います。石橋をたたいて渡るという言葉がありますが、石橋をたたいても渡らないと思えるほど慎重な区の姿勢にいら立ちを覚えたこともございます。人の話に耳を傾ける姿勢に、その人の人格があらわれる、このように言われますが、心広々とした聞き上手のリーダーには安心して相談もできるし、人はついてくると思います。一方、相手の話に同意せず、話を遮り、早急に結論づけるような人にはついていきにくいものです。どうか、松原区長には、偉大な聞き手を目指してほしいと要望しておきます。  松原区長は、官出身ではなく、民間出身の区長と訴えて当選をされました。去る5月7日の記者会見で、5期20年にわたる西野区政について、健全な財政運営をしたと評価する一方、見直しを進める考えを明らかにしたと報じられておりましたが、西野区政について評価する点、また変えていかなければいけないと感じている点を具体的にお聞かせいただきたいと思います。 ◎松原 区長 私は、大田区で生まれ育ち、町会長や保護司、区議、まちおこし会の会長や自治会連合会長、また、区と都のパイプ役としての都議を経験する中で、西野区政を応援してまいりました。西野区長は、バブル期、そしてバブル崩壊という大変困難な時期にあって、区の将来を見据えた健全な財政運営を行ってこられました。その結果、区の財政基盤はより強固なものになったと感じており、心からこの点は敬意を表するものであります。  一方、行政出身の区長が長い間続いてきた中で、官僚的な体質が生まれてしまったのではないかとも思いもございます。これからは、自由で柔軟な発想と、広いビジョン、そして強い実行力を持った民間出身の区長として区政を総点検させていただき、その結果を10カ年計画などに反映させながら、よりよい大田区づくりにまい進していきたいと考えております。
    ◆溝口 委員 基本的な姿勢はよくわかりましたけれども、いわゆる大胆な発想、新たなさまざまな施策の展開ということと、それから財政運営の手堅さと言いますか、こういった面から言いますと、非常に悩む部分がたくさん実はあるかと思います。従来、西野区長は非常にそういった意味では、財政の財政通といいますか、23区の区長会の会長とか、いろいろと重要な立場で活躍をされたことはよく存じておりますけれども、一方で非常に手堅いと言いますか、そういった印象がなかなかぬぐえなかった。そういった意味では、我々がいろいろ提案をしても、なかなか実現には時間がかかると言いますか、できないと言いますか、そういった面が実は多々あった、そういった印象を私ども議会は持っているわけでございます。その辺の整合性も図りながら、なおかつやはり政治家出身の区長として、勇断をすべきときはしっかりと勇断をしていただく、新しい施策に取り組むときは取り組んでいただくという。パフォーマンスは必要ないですけれども、そういった面を大変期待をしておりますが、その点は率直にご感想をお聞かせいただきたいと思います。 ◎松原 区長 その辺については、できるだけやっていきたいなと思っておりますので、今後も期待していただきたいと思います。 ◆溝口 委員 大変に期待をしておきたいと思います。  次に、大田区はこれまで、基本構想、長期基本計画、3カ年実施計画を基本に、緊急課題を取り上げましたおおたはばたきプログラムや、各種法令に基づいた課題別個別計画を区民に示すという形で区政を進めてまいりました。同じ記者会見で松原区長は「これまでの区政を総点検して、10カ年計画を構築をしたい。」と発言をされたと報じられております。10カ年計画と、現在の各種計画との関係をまずどのように考えておられるのか、先ほどと一部だぶる点があるかと思いますが、まずはお答えをいただきたいと思います。 ◎松原 区長 10カ年計画は、おおたプラン2015にかわる新たな基本計画として考えております。大田区の計画体系といたしましては、区の将来像を提示した基本構想を最上位に置き、10カ年計画は基本構想の実現に向け、今後10年で取り組むべき施策の方向性や、主要事業等を明示した基本計画と位置づけて行きたいと考えております。先ほどの質問でもお答えしましたが、現在の基本構想は、昭和57年に議決されたものであり、現状分析や言葉が時代に合わないものとなっています。この機会に、基本構想と基本計画を合わせて見直して、大田区の目指すべき方向を示していきたいと考えております。また、新しい基本構想、基本計画が示す施策の方向性を踏まえ、現在の実施計画、個別計画の改定や見直しを行い、整合性を図っていきたいと考えております。 ◆溝口 委員 基本構想、そして基本計画に変わるものという位置づけでございます。また次に、長期基本計画2015、これは先ほども議論が出ておりましたけれども、いわゆる自治会町会、そして商工業、さらに教育関係など、大田区各界の代表をはじめ、我々区議会議員、そして学識経験者の参加のもと、1年間にわたる討議を経て策定されたものであります。区長が、先ほど審議会に諮ると、このようなご答弁もあったわけでありますが、具体的なその策定の体制、そしていつまでに、そして何よりも2015との整合性、残された課題等々いろいろあるかと思いますが、この整合性を中心にご答弁をいただきたいと思います。 ◎松原 区長 10カ年計画は、区の基本構想と並行して検討していく予定でございます。区の将来像を示す重要な計画ですので、区議会をはじめとして、学識経験者、区民、区民団体など、幅広い方々にご意見をお聞きして素案を取りまとめて、区民の皆様のご意見を反映した計画として策定していきたいと考えております。具体的には、審議会を新たに設置する条例を制定し、審議会以外の場でも区民意見を聞くためのスケジュールや必要な予算を検討しているところであります。第2回定例会までには、議会にご提案できるよう努めておりますので、今少しお待ちいただきたいと思います。策定時期は、先ほどの答弁でお答えしたとおり、基本構想は平成20年9月、基本計画は平成21年3月を目途としております。 ◆溝口 委員 どうか新区長の思いのこもったさまざまな計画の策定に取り組んでいただきたいと思います。  次に、具体的な財政運営、区政運営等について伺います。まずこれまで2人の助役、今後は副区長ということですが。2人の助役の体制でございましたが、どのようにしていかれますか、まず伺います。 ◎松原 区長 2名の副区長が担任分野をそれぞれ受け持ち、区長をサポートする体制としたいと考えております。 ◆溝口 委員 次に、観光行政専門部署、この設置などが望まれているところでございますが、今後の組織改正についてはどのようにお考えでしょうか。 ◎松原 区長 大田区は今後、羽田空港の国際化により、アジアを中心とした各国の人々が往来する国際性豊かな地域となります。また、大森貝塚のような歴史的資源、新たな観光スポットとなる大森ふるさとの浜辺、さらに最先端のものづくりの技術を持つ工場など、豊富な観光資源を持っていますが、残念ながら今までは、観光施策が十分ではなく、アピールが足りないように感じております。そこで、大田区を単なる通過する場所ではなくて、羽田空港から訪れる人が滞留し、楽しんでいただくことにより、地域がにぎわい、商業を活性化することで魅力的な地域にしていきたいと考えております。そのために、従来からの発想にとらわれず、新しい視点を取り入れた観光担当部署の設置を検討してまいりたいと思っております。 ◆溝口 委員 その分については、ぜひ私どもも望んでいたことでございますので、よろしくお願いしたいと思います。ただ、先ほどやはり、田中委員も一部触れておられましたけれども、この10数年間、大田区のさまざまな努力と言いますか、これを忘れてはならないのかと思います。職員の方々にも多大なご苦労をいただいたかと思いますけれども、やはりこの事務事業適正化計画、あるいはさまざまな計画等で、この約10年間ですか、約800億円の財政節減を生み出したと。これは行政の努力、そして議会の方のさまざまな提案もあったわけですが、こうした大変に大きな財源を生み出し、そしてそれを新たな施策に振り向けることができた。これは大田区にとっては大変大きな歴史ではないかと思います。  したがって、さまざまな組織改正で、いろいろなポストができることは、これはこれで新たな取り組みとして評価はできるのですが、一方ではポストが増えるということは、財政の問題にもかかわってまいりますので、そのあたりもしっかりにらんだ上で、今後の財政運営に取り組んでいただきたいと要望しておきたいと思います。  次に職員の勤務時間につきましては、去る第1回定例会で条例改正の結果、昼休みの休息時間が45分間となりました。その際、午前午後の休息時間がなくなった、このようなことを考え合わせますと、職員の方々にはいろいろと意見のあるところではないかと思いますが、60分間の昼休みの確保、これができないものか、工夫を望みたいと思いますが、いかがでございましょうか。 ◎森 特命担当部長 昨年度までの話でございますが。勤務時間条例に規定されていた15分の休息時間を、昼の休憩時間と連続して取得することによって、実質1時間の昼休みを確保してございました。この15分の休息時間の根拠としていた人事院規則が改正され、休息時間が廃止されたことに伴って、大田区においても今年の第1回定例会で条例改正を行って、4月から休息時間を廃止いたしました。休息時間廃止後、1カ月半あまり経過した現在、職員からさまざまな意見が寄せられております。そこで休憩時間を15分延長して、現在の勤務時間を午前8時半から、午後5時半にする方向で現在検討しているところでございます。  この結果、本庁舎や特別出張所、行政センターなどにおいて、窓口時間が15分延長されますので、区民サービスの向上にもつながります。検討がまとまり次第、改めて条例改正案を区議会に提案させていただき、ご審議を賜りたいと考えてございます。今後とも、職員の十分な休憩時間を確保し、より一層の職務能率の向上を図るとともに、区民サービスの向上に努めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆溝口 委員 昼休みを15分延ばし、そして就業時間を15分遅らせると、単純なことですが、そういうことで、合意ができればそれはそれでいいことではないかと思います。ぜひ実現を図っていただければと思う次第でございます。今後、組合交渉と言いますか、職員団体の方にお諮りをして、合意を得るということになるのでしょうか。今後の段取りについて。 ◎森 特命担当部長 現在、組合と交渉と言いますか、交渉のテーブルに乗るようなスケジュールを考えているところでございます。 ◆溝口 委員 次に、選挙公報で触れられました、区長の六つの約束について伺いたいと思います。「発想の転換で、変えます、やります、区民の政治へ」これは具体的にどういうことを目指しているのか、お聞かせください。 ◎松原 区長 大田区政は、長い間行政出身の区長により運営されてまいりました。しかし、今この激動の時代には、既存の行政の枠にとらわれず、自由な発想で新しい政策をつくり出すこと、いわば強い政治力が区長に求められていると認識しております。私は、日本の玄関である羽田空港を有する国際性、区民の方々の力を生かした地域の力、こうした視点で区政を運営し、民間出身の区長ならではの着眼、発想を提案していきます。具体的には、職員はもとより、区民の皆様からのアイデアを受け入れるような組織や環境などを整備し、区民一人ひとりが主人公であると感じられる大田区を築いていきます。 ◆溝口 委員 ぜひ、そういうことで頑張っていただきたいと思います。今までとどこがどう違うのか。西野区長は長年の行政経験、石原都知事とも親しいと言ったことはよく聞いていましたけれども、どこまでこの区政に関して、お会いしたときに話が詰められているのかなということがもうひとつはっきり、我々には見えておりませんでした。今度の松原新区長については、やはり国会議員の秘書を経験され、区議、それから都議、そしてさらに自治会連合会の会長と、民間でも。そういった意味では非常にパイプが大きいのではないかと思います。よく都議会時代に、町会長をやっている都議のメンバーの組織をつくられてですか、ちょっと詳しいことはあれですが、そういったことも過去に聞いたことがございました。  そういった意味では、本当にいろいろな方面に大きな、西野区長とはまた違ったパイプがおありではないかと思います。これはやはり、いかにこれを使うかと言いますか、これを利用するかというか、これを利用しない手はないわけですが、その具体的な方策と言いますか、自分でこんなにパイプがありますよということは言う必要はないかと思いますが。そのようなことについて我々は非常に期待する向きがあるものですから、ぜひ、その辺の感触をお聞かせいただきたいと思います。 ◎松原 区長 この辺は、私も生まれ育ちまして、地域でいろいろやって来ました。地域でやった連合町会長とか、長い間保護司とか、いろいろやって来ました中で、やはり地域の力を行政、区政なり都政なり、そういったものにどうしても結びつけていきたい、そういう気持ちが非常に強くございました。その中で、ちょうど3年ぐらい前になりますが、私が都議会選挙の前の年ですから。そのときに、そういう地域力というのを考えだしました。そして東京都議会の自民党の中ですが、都議会の選挙が終わった後に、町会自治会と促進議員連盟という、そういう組織を立ち上げました。そこの事務局長を私はやらせていただきました。会長は千代田区の内田さんという前議長がやったのですが。  その中で、やはり具体的なものとして、これからはやはり区民や都民が一番強い治安対策の問題とか、あるいはこれから、大田区は熱心だと思いますが、防災の問題ですね。それから、やはりいま学校現場が荒れたり、いろいろいじめの問題とか教育の問題が言われていますから、それにやはり地域の力が必要だろうと。そしてまた、高齢者施策もやはり行政だけではなくて、地域の方の援助も必要だろと、このような形で総合的にそういったものを地域力の向上と称して、東京都政が実は大きな重要政策の中に位置づけました。こういうことは、私自身が自分で立ち会ってきたものですから、こういう問題については、やはり区政の中で、その経験を生かして、地域力の向上、区民が本当に一緒に取組めるような、そういうものをイメージしながら、具体的に自分のこの基本計画の中に今後取入れて行きたいと、このように考えております。 ◆溝口 委員 ざっくばらんな意見を言っていただいて、大変ありがとうございます。私ども、都議会の様子というのは正直言ってあまりわかりません。わかりませんが、漏れ聞くところによりますと、非常に議会と行政側の連携と言いますか、例えば我々は本会議場、あるいはこういった形で予算、決算等質問しますよね。事前に結構打ち合いがあるという、どこまで言っていいのかわからないのですが。「いや、この辺はこうですよ。」と「では、このように。」ということで、そういう場面がいろいろあるように聞いております。ところが、これもあまりやりすぎるといけませんが、我々、今日は予算委員会みたいな形でやっていますから、まだやり取りでよく話が詰められるのですけれども、本会議等の場合は、言いっぱなし、聞きっぱなしなのですね。ですから、寸前まで区長が答弁されるまで、どういう答えが返ってくるかもわからないし、実際にそれが刷り物になって出てくるのは相当後という、こういうことに実はなるわけです。この辺に、もうちょっとここは何とかならないのかな。特に我々は与党でございますから、そういった意味では、いろいろとそういう打ち合いと言いますか、そういう中でよりよき答弁、そしてよりよき質問、これはやはり、こういった世界があってもいいのではないかなという実は感想を持っているのです。そのあたり、そういった意味では議会の、この開かれ方の改革と言いますか、そういったことにもつながってくると思いますが、その点はいかがお感じでしょうか。 ◎松原 区長 今、委員ご指摘のとおりだと思います。やはり、行政と議会とが一致していろいろ政策の言い合いとか、そのすり合わせ、いい意味のですね、そういうことというのは大いにこれからやっていくべきだと思うのですね。ただ、今回、私は初めてこちらに来まして、ちょっと時間がね、臨時会ですから、そのあとなのですが。もう少しこう、いい意味でキャッチボールをして、政策をお互い同士ぶつけ合いながら、いろいろな政策提案とか、いろいろな質問をつくっていくとか、答弁もきちっとした時間をかけてやっていくとか、そういったことで。これからそのような意味の連携というのは強めていきたいと思っております。 ◆溝口 委員 六つの約束に戻りたいと思います。また、羽田空港の国際化を機に、蒲田・大森周辺を含めた魅力と活力のある都市づくりとありますが、具体的にどのような蒲田・大森をイメージしておられるか伺います。 ◎松原 区長 羽田空港の国際化を機に、人、もの、情報が行きかう魅力と活力のある世界に開かれた首都東京のポータル都市として、大田区の整備を進めていきたいと考えております。そのためには、連立事業や蒲蒲線の整備により、空港へのアクセス機能を強化するとともに、大田区の魅力を世界に向けて情報を発信していくことが重要と思います。今後は、大田区の産業に関する情報発信を行いながら、アジアの国々との連携を強化して、特色のあるまちづくりを進めてまいりたいと思っています。 ◆溝口 委員 羽田空港の容量の拡大、そして国際化の進展、これを大田区のまちづくりにつなげていくことは極めて大事な点だと思います。しかしその前に、増大する交通量をどのようにさばいていくか、このようなことに対しましては、有効な解決策を持っておかないと、羽田周辺の交通渋滞は大変なことになってしまいます。その解決のためには、国道357号線の神奈川方面への延伸が不可欠だと思いますが。これまで、神奈川県側の思惑と、大田区の考えにあまりにも大きな隔たりがあり、正式に両者の間で議論をすることなく現在に至っております。これを打開するためには、大田区という立場を超え、東京都の立場からこの推移を見て来られた区長には、またこれまでとは別の取組みを考えておられるのではないか、このように推察をいたします。ぜひ、そのあたりの打開策について、お考えをお聞かせいただきたいと思います。 ◎松原 区長 私はこれまでの国会議員の秘書、区議会議員、都議会議員として、それぞれの立場から経験をしてまいりました。今委員ご指摘いただきました問題は、東京湾、川崎港、羽田空港を結ぶ交通ネットワークのボトルネックの問題と認識しております。特に国道357号線の延伸については、早期に実現を図るべきと考えております。これは、平成15年に国土交通省に、関係者に文書で申し入れた経緯がございます。羽田空港の容量増大、国際化に起因する交通量の増大にどう対処するかということについては、基本的には国、都、県、区や市の関係者がそれぞれ知恵を出し合って解決すべき課題と考えております。当然のことながら、大田区はその問題の影響を直接受ける立場にありますので、具体的な問題や対策案など材料を集めまして、国や都、神奈川県等に示しながら、役割分担など協力を得るとともに、区の責任を果たしてまいりたいと。お力を貸していただければありがたいと思います。 ◆溝口 委員 1日も早くこの実現に向けて、ともどもに頑張ってまいりたいと思います。  最後に、昨日の施政方針演説の中で、新たに取り組む施策に対する抱負を述べられたわけでございますが、いくつかの点について伺います。まず、平成18年度中に全国で13カ所が認定を受けております、認定こども園でございますが、保育士、幼稚園教諭の資格の併有の促進や、施設共用化のための環境の整備、子育て支援機能の強化、さまざまな課題をどのように解決し、整備をしていくのか伺いたいと思います。 ◎松原 区長 私は、安心して生み、育てられる環境づくりや、障害者にやさしいまちづくりを区民の皆さんにお約束をしてまいりました。お尋ねのありました認定こども園、障害者を総合的にサポートする施設、コミュニティバス等については、法令や施設活用の方向性の検討などを関係部局に指示し、今後策定する予定の緊急計画や基本計画の中で具体的な内容をお示ししていきたいと考えております。 ◆溝口 委員 一つしか聞かなかったのですが、三つの答弁をいただきまして困っております。時間の関係もありますので、改めて質問したいと思いますが。空き施設などを利用し、障害者を総合的にサポートする施設の開設。これは、通常学級に在籍をする障害のある児童・生徒に対する特別支援員の配置を過去からずっと強く要望してまいりました。新年度の骨格予算におきまして、この配置がおかげさまで実現を見たところでございます。この具体的な空き施設、どういったところをイメージして、先ほど米山商事の跡とかいろいろお話も出ましたが、そこなのかとか。そういった具体策についてまず伺いたいこと。  それから3番目の、この区内の交通不便地域、これも大きな課題でございましたけれども、コミュニティバスの導入。これは、特別委員会で陳情の採択を受けまして、過去具体的な提案を含めて、何度となく質問をしてきた私といたしましても、区長の方針に大きな追い風を感じているところでございます。この期待に何としても応えていただきたいと思いますが、先ほどの障害者の施設と合わせまして、この具体的な対応についてお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。 ◎松原 区長 コミュニティバスについては、先ほど答弁したとおりの形で、今後具体的な内容をお示ししていきたいと考えております。それから障害者のサポート施設ですが、この問題については、これから計画の中に入れていきたいと思いますが、そのあり方を当面の間、検討してまいりたいと思っているところです。 ◆溝口 委員 以上で終わります。大変ありがとうございました。 ○海老澤 委員長 続いて、冨田委員。 ◆冨田 委員 今、溝口委員からは、区長の政治姿勢など、大きな方向性について質問させていただきました。私は少し観点を変えまして、補正予算など具体的な事業、施策について区長並びに理事者の考えをお聞きしたいと思っております。具体的な、わかりやすい答弁をお願いいたします。今までの、既にやりとりの中で出てきていることもありますので、その点については割愛をさせていただきます。  最初に、前区長が留保したあの平和都市宣言事業だとか、OTAふれあいフェスタ、東糀谷四丁目の防災公園、あるいは中学生のセーラム市派遣の問題についても伺おうかなと思ったのですが、これはもう先ほど結論が出ましたので省かせていただいて、一つ、東糀谷四丁目の防災公園、ここに防災センターを盛り込むという計画が出ているわけですけれども、東京都、あるいはこの各区にも防災センターというのがございます。区長はどのようなレベルのものをイメージしておられるのか、まずお聞かせください。 ◎松原 区長 東糀谷四丁目の防災公園のところでございますが、この防災公園の具体的なイメージや建設費、その本庁舎との連携等は今後、あそこはご承知のとおり、都市計画法の公園施設になっておりますので、その設置基準等も踏まえながら基本設計を進めて行く中で検討させていただきたいと思っております。 ◆冨田 委員 そうすると防災センターというのは、まだ固まった計画ではないということなのでしょうか。要するに固まったというか、固まっていないのは明らかなのですけれども、やりたいということなのか、それともちょっと検討課題の一つで考えて今いる段階だよということなのか、その辺のニュアンスをお聞かせください。 ◎松原 区長 私自身としては、やっていきたいと思っております。ただやはり、いろいろな制約があったりなどする中で、どういう形でやればどのようにできるのか。また、地域との問題もございますから、いろいろ考慮しながら、今後進めて行く大きな基本的な課題だと思っております。 ◆冨田 委員 当初、この東糀谷四丁目防災公園は、あまりこの建築物などは置きこまないで、いわゆる防災広場というか、防災公園として使いますよという地元説明でスタートしているのです。ただ、この新区長の思いでもありますし、大田区には防災センターがないわけでございまして、これについてもぜひ取り組みを具体的に、どうするのかということを早急に結論を出していただきたいと思うのですが、この防災センターをもしつくるとすれば、もしもの話になってしまうかもしれませんが、これは、補助金はどういう形になるのですか。出るのは多分出るのだろうと思いますが、その辺、おわかりでしたらお願いします。 ◎清水 経営管理部長 現在、防災センターのコンセプトを、これは検討していますが、これがある程度決まりますと、どういった補助金対応ができるのかといった枠組みが出てきますので、それがわかりましたら、また補正予算等でお示ししたいなと考えております。 ◆冨田 委員 先ほど区長の方からも、この防災本部は本庁舎の5階にあるわけですけれども、それとの連携も考えなければならないというお話がありました。まさにそのとおりだと思います。これはまだこれから、本当に、防災センターそのものが、具体像がちょっと見えませんので、またこの議論は後にいたしますけれども、そういうやはり防災本部との連携がおかしくなっては、これは逆に防災センターを何のためにつくったのだと逆に無駄遣いになってしまうのではないかという議論にもなってしまうと思いますので、その辺のところについては重々検討していただきたいと思います。  それから、先ほど田中委員の方からもお話が出ましたけれども、国、地方の都区財政富裕論があるわけでございます。格差是正の問題などで、今後ますます東京で上がってくる税収を地方にという圧力が強まってくることが予想されます。このことについて、先ほど区長から答弁がありましたけれども、やはり、これから具体的にどのようなスタンスで、どのように対応して行こうということを考えておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎松原 区長 都区財政富裕論とは、いわゆる東京富裕論、東京1人勝ち論のことでありますけれども、特別区は東京の、日本の心臓部であり、民間事業者の本社や中枢機能をはじめ、日本経済の牽引役である、屋台骨である最先端技術を要する中小企業の集積地であります。税収が大きい反面、例えば用地取得費は他府県と比べ、非常に高額であるという事情があり、こういった状況において、特別区は経済活動を支えていくための都市基盤や産業基盤づくりを進めて行かなくてはなりません。また、空の玄関口、羽田空港を抱える大田区を考えてみますと、空港の国際化に伴う交通渋滞対策、テロ対策、大規模災害対策、新型インフルエンザ等の感染症対策など、他の都市には見られない高度で特有な行政課題が多く存在しております。今後はこのような具体的事例を提示しながら、特別区が抱える行政課題を国や市長会等に対して、ていねいに説明し、ご理解をいただくよう努力していきたいと考えております。 ◆冨田 委員 非常にこれは難しい課題だと思います。地方の格差、衰退というのは本当に深刻な状況になっておりまして、やはり、確かに東京、あるいは23区がこの日本経済、あるいは日本の心臓部である、これはもう間違いないと思うのですけれども、その心臓が実は地方からの血液と言いますか、栄養と言いますか、そういうもので動いてきたという部分というのですか、かなり大きいのだろうと思うのですね。地方が疲弊して、地方からこの若い人たちが東京に来なくなってしまったということを考えると、これは大変恐ろしいことだなと実は思っております。そのようなことも考えながら、確かにこの大都市の財政需要、地方とは比較にならないぐらい大きなものがございますけれども、その辺のところは本当に日本の国全体の将来も踏まえて、区長には本当に議論を展開していただきたいなと思っております。  それから、次の課題に移りますけれども、今国会で自治体財政健全化法案というものが検討されていると聞いております。そうなりますと、2008年度決算から各自治体は一段と厳しい財政規律を求められることになるわけでございます。今までよりも、この地方財政の当否を判断する基準が増えると言われております。その中で、大田区がこれまでつくり上げてきた公共サービス、たくさんの区民サービスがあるわけでございますけれども、これが、やはり大きな制約を受けるということになったら、これは困ってしまうわけなのでございまして、これからの区長のかじ取りは、大変責任が重いのだろうと思います。この点について、区長がどのように考えて、またどのように取り組みをしていこうというのか、お聞かせをいただきたいと思います。 ◎松原 区長 自治体健全化法案は、夕張市の財政破たんに代表される地方財政の危機的状況に対しまして、複数の会計間の資金のやりくり、外郭団体の債務などにも監視の網を設け、自治体の破たん防止に一定の歯どめをかけることを目的としております。大田区は現在、おかげさまで健全な財政状況を維持していますので、この法律により財政規律を受けることはございません。特別会計、外郭団体を含めた大田区全体の財政運営状況について、区民にとってわかりやすく納得できるように説明するとともに、業務や職員定数の見直しなど、不断の経営努力により、健全財政を維持してより一層の区民サービスの向上に努めてまいりたいと思っております。 ◆冨田 委員 ありがとうございました。それではまたちょっと観点が変わりますけれども区長選挙、私たちの区議会議員選挙が行われたわけでございますけれども、その中で、共産党の公認候補、推薦候補が、一様に訴えた中身で非常に釈然としない問題がございます。区民の暮らしが大変な今、蒲蒲線計画は白紙撤回し、360億円の無駄遣いはやめさせますとほとんどの候補者が言っていたわけでございます。日本共産党の大田区議団の人たちは、今までも大森ふるさとの浜辺整備について、埋め立てには反対をして来て、でき上がった公園には賛成と。私たちの常識ではちょっと理解できない論理を展開してきた過去がありますので、あまり気にしない方がいいのかなとも思うのですが、やはりですね、確認の意味でお聞きをしていきたいと思います。  この蒲蒲線の整備、区の東西鉄道軸の形成を目的とする区民の長年の悲願だったわけでございます。必要性、採算制、費用負担についても、引続き都と協議をしていくことになっております。360億円、これを大田区がすべて負担することはないと思いますけれども、現状どのような状況になっているのかお聞かせください。 ◎松原 区長 ご指摘の件は、誤解を招きかねない表現でありまして、残念と言わざるを得ません。蒲蒲線の整備は、大田区の東西鉄道軸を形成するもので、区民の長年の悲願であり、昨年の蒲蒲線の整備促進区民協議会では、多くの団体の代表者に集まっていただき、整備促進の確認をいたしたところであります。東京都とは、蒲蒲線の実現に向けて、事業性、整備効果などについて協議中であります。  なお、費用負担については、今後の協議課題というように認識しております。今までも大田区ですべて負担するとは言っておりませんので、お答えをさせていただきたいと思います。 ◆冨田 委員 これも当然と言えば、当然のことでございまして、3分の1の360億円、これはいわゆる地元自治体、都と区の負担になるわけでございまして。この負担割合をどうするかということは、これまた今後の話になるわけでございまして、360億円、大田区の100%負担にはこれはなり得ないということだろうと思います。ましてや、この共産党の人たちも言っているように、23区のこの西部地域の人たちに大変便利になるのではないかということも書いてありましたので、やはり、これは東京都の方に、単なる蒲田、蒲田ではなくて、やはりこの東京全体の、区部全体の利便性につながるものでありますので、都の方に応分の負担と言いますか、しっかりとした負担を求めていけるように取り組みをお願いしたいと思います。  それから、続いてインフルエンザの予防接種、これについて質問をさせていただきたいと思います。今年は10代後半から20代前半の方々に、はしかが今流行しておりまして、かなりの大学が休校に追い込まれているという事態が発生しております。また、新型インフルエンザ対策ということについても、いざこれも発症したら大変なことになるということで、この対策が急務という状況になっています。また、インフルエンザ対策と言いますか、現在インフルエンザには特効薬としてタミフルがあるわけでございます。私も実は今年の3月、タミフルに2日間お世話になりまして、特に副作用もなく2日間で元気になってありがたかったわけですが、これは子どもに対しては、異常行動などの副作用があると言われております。本年の大田区におけるインフルエンザの発症状況、これについてまずお聞かせください。 ◎三好 保健所長 インフルエンザにつきましては、全医療機関からの報告システムではなく、指定されました区内医療機関16カ所からの報告数での把握となってございます。今シーズンについては、3月の第4週、3月末に533件、16で割り返しまして定点あたり33.3となりまして、30を超えますと警報ということになりまして、警報レベルに達した。すなわち、この時期が流行のピークとなりました。昨年はちなみに、例年どおり1月末が流行のピーク、277件、当時は定点が10でございましたので、割り返して27.7という状況でございました。今回は暖冬のためか、全国的に2カ月ほどピークが後半にずれ込むという形で、大田区も同様の状況でございました。流行の規模といたしましては、最終的には昨年並みということでございまして、平成16年から17年にかけてが、大流行と言われたのですが。そのあととしては大流行の状況ではございませんでした。 ◆冨田 委員 インフルエンザの予防については、ワクチン接種がなされているわけでございますが、聞くところによりますと、この予防接種の回数、あるいは料金とも医療機関によって差があると聞いております。本区の医療機関では、予防接種の回数、金額については、どのような状況になっているのかお聞かせください。 ◎三好 保健所長 回数についてでございますが、13歳以上は1回の接種でもある程度の抗体の上昇は期待されるということになってございます。ただし、ウイルスの抗原性が大きく変わった場合であるとか、抗体が上昇しにくい方の場合は2回が望ましいと言われております。何回接種するかについては、状況に応じてご本人と医療機関とで相談して決めるということになります。  また、予防接種にかかる費用につきましては、もともと保険適用ではないために、医療機関によって費用の算定方法であるとかが異なっていることもございますので、支払う金額が結果的には違うということが起こっているようでございます。したがって、接種回数及び料金について個々の実態の詳細は把握しきれておりません。 ◆冨田 委員 私は実は、1回で大丈夫ですよと、これは13歳以上だからそうなのかなと今思ったのですが、料金についてもやはり、私は2,500円で済んだのですが、これは別に区の補助も何もなくて2,500円ですよね。中には3,000円とか、5,000円とか、あるいはそれを上回る金額もあるようでございまして、ちょっといくら保険外と言っても、釈然としない思いが来るわけですが、これは区のレベルで果たして何がどうできるというわけでは多分、今の状況ではないのでしょうから、釈然としないなという思いだけを申し上げておきたいと思います。  それで、本区の場合、65歳以上の方々につきましては、1回について本人負担が2,200円で、それ以上は区が負担をするという制度になっているわけでございますが、子どもについては、それが今のところありません。子どもの予防接種は大体1回3,000円程度、そして2回接種が必要と言われておりますので、合計6,000円。大変子育て家庭にとっては大きな負担になっているということでございます。何でも区が全部負担をするということがいいのか悪いのか、これはまた考えなければいけませんけれども、やはり予防接種、接種率を上げるというか、このインフルエンザを予防するという観点で、この動機づけというのですか、いわゆる予防接種がしやすい体制というのを考える場合にはやはり区の助成。そしてまた助成によってさまざまなPRとか、そのようなことができますので、効果が私はあるのではないかなと思っておりますが、この点についてどのようにお考えかをお聞かせください。 ◎三好 保健所長 インフルエンザの予防接種につきましては、お子さんにつきましては、かつて学童を中心に予防接種が定期として集団で行われていたという過去がございます。ただ、実際に接種率が80%程度あった年においても、流行抑制効果が薄かったとか、あるいは健康被害が問題になったということがございまして、平成6年の予防接種法の改正のときに、定期接種から任意接種に位置づけが変わってしまったという経過がございます。厚生労働省では、乳幼児に対するインフルエンザ予防接種については、有効性であるとか副反応、それから流行の状況、ワクチンの開発状況等、最近の動向も踏まえた対応が必要であるということで、調査研究を進めているという状況でございます。  また、ご参考までに、例えば、抗体の上昇が十分見込めないということで、お子さんの病気で予防接種は存在するけれども、定期になっていないものはほかにも、水ぼうそうであるとか、それからかつて一度定期になったけれども副反応が問題になって、すぐに中止になったおたふくかぜワクチンといったものもあるような状況でございます。本区といたしましては、こういった国の動向を見極めた上で、有効性と安全性を十分見極めたところで検討してまいりたいと考えております。 ◆冨田 委員 定期性から任意性に変わったのが平成6年と聞いたと思いますけれども、大分期間も経過しているわけですし、また大田区の子育て世代と言いますか、いわゆる子どもたちの予防接種を任意で設けられる方々、実際にはかなりいらっしゃると。何名いらっしゃるかというデータは、私は全く持ち合わせておりませんけれども、かなりいらっしゃると思います。そういう意味では、やはり国の動向ということも、例えばさまざまな副作用の問題であるとか、効力の問題であるとか、それはもう検討しなければいけないのは当然でございますけれども、やはりその辺のところを、最新のデータをしっかりと取っていただいて、前向きに区としてもやはりこのインフルエンザの予防対策、ましてはこのタミフルの異常行動で大変なことになるということになっては、これは困ってしまいますので、その辺のところについてもしっかりとお願いをしたいと思います。  以上で、少し時間を残しましたけれども、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○海老澤 委員長 会議が長時間にわたりましたので、しばらく休憩いたします。  再開時間は、午後1時10分といたします。                午後12時04分休憩                午後1時08分再開 ○海老澤 委員長 ただいまから、平成19年第56号議案に関する連合審査会を再開いたします。  それでは、休憩前に引き続き、質疑を行います。  共産、質疑願います。 ◆藤原 委員 質問に入る前に、昨日から始まりました臨時議会で、区議会議員選挙初の議会で、議長、副議長、各委員会の委員長、副委員長等の議会の構成と役職を決めます。これまで大田区議会は、選挙で示された区民の意思を反映するために、議会の構成と役職は会派の人数によって配分、選出してきました。ところが、今回、自民、公明、民主、ネット・無所属・自由のオール与党の数の力でこれまでの慣例を破り、委員会の委員長、副委員長から日本共産党を排除しました。これは議会制民主主義を踏みにじる暴挙であり、区民の多様な意思と要求を反映すべき議会の役割を阻むものです。日本共産党区議団は、議会制民主主義を踏みにじるオール与党と対決し、今回のことを広く区民に知らせ、切実な区民要求の実現のために奮闘する決意でございます。  それでは、区長の政治姿勢について、また憲法問題について質問いたします。地方自治体としての仕事は、住民の福祉の増進をどのように取り組むか。松原新区長は、大田区報や今回の選挙公報で、区民が主人公の政治で地域の力、区民の力とともに安心、安全、安らぎのまち大田を目指すと述べられております。日本共産党区議団も住民が主人公の区政を目指して頑張ってきました。この面では一致するものです。区長も区民が主人公の政治をしっかり守っていただき、区政運営を行っていただきたい。日本共産党区議団は、区長がだれであれ、区民の負担増や区民の行政が築き上げてきた事業などの廃止にはきっぱり反対し、区民の願いを実現を目指すことには積極的に賛成し、協力を惜しまないことを質問の前に申し上げておきます。  それでは、区長は骨太の政治家宇都宮徳馬衆議院議員の秘書も務められ、平和への関心は高く、自民党の中にあっては平和への思いが語られていますが、1983年、昭和58年、また1984年、昭和59年、大田区議会本会議質問でも平和都市宣言について、極めて大事な問題であると述べられております。その中でも、1945年3月10日の東京大空襲のこと、戦後羽田空港の48時間の強制退去のこと、進駐軍の行った振る舞いなども語られ、戦争体験を知らない時代が多数を占める今日、8月15日の終戦記念日の大田区平和都市宣言事業として、ぜひ花火だけを見る事業ではなく参加もできる、そうした事業を行っていく考えがあるかどうかお聞きいたします。 ◎松原 区長 大田区の平和都市宣言事業の一環としての8月15日の取り組み方でございますが、区が平和都市宣言記念事業として行われる花火の祭典におきましては、例年どおり平和祈念式典や花火の打ち上げを行っております。区政60周年を記念して6,000発の花火を上げることにより、改めて区民の皆さんに平和を訴えてまいりたいと思っています。 ◆藤原 委員 今のところ、その他に計画はないのですか。 ◎松原 区長 今のところは、現段階はそういうことです。 ◆藤原 委員 私は戦後60年を過ぎて、戦争資料展の大田区の全面協力とか、また戦争体験の語り部の雑誌とか、教育委員会が戦後50年目の節目にあたりまして、学童疎開の記録雑誌など平和の礎を発行しました。ぜひこうしたものを積極的に考えて、これから考えていただきたいと思いますけれども、どうでしょうか。 ◎松原 区長 今のところは特に考えておりません。 ◆藤原 委員 世界の恒久平和と人類の繁栄を願い、区は1984年8月15日に平和都市宣言を行いました。区は記念行事として今の花火の行事などを行っておりますけれども、特に今年は国会では憲法問題で大多数の国民が心配され、改正の必要がないということを言っているにもかかわらず、安倍自民・公明連立政権が憲法改正を行う手続法案を国会で強行採決をいたしました。このことは、アメリカの強い圧力のもとで戦争のできる国にし、アメリカと一緒に海外の紛争地域に武器を持って参戦できるよう憲法9条の改悪を目指していることは明らかです。区長は、今の憲法改正が必要なのか、それとも必要でないのか。特に9条改正は必要か、そうでないのか、答弁を求めます。 ◎松原 区長 この問題については、国家の課題についてコメントするのは基本的には自治体の首長の範ちゅうを超えていますけれども、国際情勢の変化などが行っている中で、憲法改正について国民の合意がなされたならば、その改正に至るということは憲法自身が定めていることであります。ただ、私はこの議論の前に、それこそ宇都宮徳馬という名前を出していただきましたので一言言わさせていただきますが、大切なのはやはり憲法の精神を生かして、そして人的交流や外交的な努力によって平和交流を努めていくことが非常に大事だと思っております。そういうことで、私のマニフェストの中にも、国際平和交流都市大田区の創造ということをあえて入れさせていただいた次第です。 ◆藤原 委員 まさに私も文字どおり、21世紀はやはり力ではなく話し合いを行う、交流を行う、今の区長の言葉をしっかり受けとめて、ぜひ大田区ではこの平和都市宣言の中に平和とは何というのを最後に、この人類共通の願いを込めて、大田区は平和憲法を擁護し、核兵器のない平和都市であることを宣言すると、このように今の憲法を守ることを大田区の都市宣言ではうたっているのです。この立場から絶対外れないようにしていただきたいと思います。  もう1つお聞きしますけれども、大田区報の中に自衛官任期制隊員2等陸海空の募集の記事が書かれております。こうしたことは本来、憲法の立場からいっても違反する中身であり、最高の国の法律は憲法です。この憲法から外れるようなことがあってはなりません。ぜひこうしたことの募集を今後しない、そういう約束をしていただきたいと思います。 ◎高橋 区民生活部長 お尋ねの区報におきます自衛官の募集記事でございますが、経過を申し上げますと自衛隊法97条だと思いましたけれども、そこには都道府県知事並びに市町村長が自衛官の募集事務を行わなければならないと、こういう規定がそもそも前提としてございます。それを受けまして、自衛隊から自衛官の募集に関する記事の掲載の依頼を受けましたので、私どもとしては法令に基づきまして、その処理をしたということでございます。 ◆藤原 委員 一言だけ。それは、もし大田区がそれをやらなかったら、どういう罰則があるのですか。 ◎高橋 区民生活部長 罰則云々の問題ではございませんで、法律でそういう決まりがあると、こういうことでございます。 ◆藤原 委員 憲法にも違反する自衛隊のあり方ですから、我々はそうした点で今後大田の区報にはこうした募集はしないでほしい、このことを強く要望いたします。  次に補正予算についてお聞きします。2007年度第1次補正予算が発表され、肉づけ補正としては6億1,584万3,000円と少額な補正予算となり、予算構成比を見ても0.3%弱で、骨格から肉づけと言われる前回までの区長選挙後の一時補正では、99年は86億円、03年は34億円と大変今回と比べて高い補正になっておりました。これは第2回定例議会が近くありますから、そのときに本格的な松原新区長のいわゆる補正を組むのか、そのために今回少なかったのか、ちょっとお聞きします。 ◎松原 区長 第2回定例会で本格的な色が出るかというご質問でございますが、マニフェストに掲げた施策などについては、実施に向けて着手できるところは鋭意取り組んでまいりたいと考えております。  また、区民要求に見合った補正予算ということですが、私もこれまでに多くの区民の皆様からご意見・ご要望をちょうだいしております。これらの貴重なご意見・ご要望は可能な限り区政に反映してまいりたいと思っております。 ◆藤原 委員 日本共産党は18日にも緊急要求を出しました。またこの間、痛みやわらげ条例とか予算要望書、文字どおり今の区民の痛みの問題で、大田区として積極的にそれを取り上げて実行してほしいということを出してまいりました。そういう意味では今回の予算は大変少ない額で、またこの間の痛みにこたえられる補正予算とはなっていないのではないかと思います。そうした意味で、共産党が出した今回の緊急要望についてはどのように区長は考えられていらっしゃいますか。 ◎松原 区長 区民の幸せな生活を実現することが自治体の責務であると考えます。このために不断の経営改善に努め、限られた財源を適切、有効に配分し、創意と工夫を凝らして施策を展開してまいりたいと考えております。建設的なご意見、ご提案につきましては、真摯に受けとめて施策に反映してまいる所存でございます。 ◆藤原 委員 19年度の予算の中で、特別交付金88億円増、特別区民税62億円増と区民には痛みによって税収が大きく増える結果になりました。2007年度の税制改正予測影響額については、さらに区民負担が増えて、定率減税によって20億円、フラット化による17億円、老年者非課税措置段階的廃止6,600万円と合計で37億6,600万円余の負担がかかってまいります。こうしたことを考えると、やはり補正予算で30億円、40億円の予算を組み、痛みに耐えている皆さんに対して積極的に手だてをとるというのが本来の区政のあり方だと私は考えます。  そうした意味で、我が党が出した緊急要求は、まさにそれにこたえられる中身でありますので、今の区長の答弁を真しに受けとめて積極的に第2回定例会では活かしていただきたいと思いますし、またこの間、23区でさまざまな取り組みが行われて昨年からきております。特に、介護問題や障害者問題についての、独自に電動ベッドを所用するとか、さまざまな取り組みをやられておりますけれども、大田区はこうした面での介護のいわゆる保険料や利用料の独自軽減をとられておりません。ぜひこの面でもとることを強く求めますけれども、どうでしょうか。 ◎金澤 保健福祉部長 大田区におきましては、障害者の関係、介護保険の関係でございますけれども、障害者の通所施設の利用料につきましては昨年10月から月額5,000円を上限として負担を軽減する制度を実施しているところでございます。ただ、国制度におきましても、低所得者の方に配慮する軽減策がとられてきたところですけれども、昨年暮れにはさらに月額負担の上限額を減額する、引き下げるなど、負担軽減措置が何度か行われてきているところでございます。介護保険につきましても、1号被保険者の保険料については所得に応じた段階的設定、低所得者への配慮などがされているところでございます。低所得者の利用料につきましては、全国一律の基準によって必要な施策を実施するという、それに要する経費については国にというのが私どもの考え方でございますので、現在のところ、これ以上の軽減策を実施する考えは持っていないところでございます。 ◆藤原 委員 例えば、要介護1以下の方について、独自に電動ベッドとか介護ベッドの購入費を助成するとか、こうした問題はまさに今区民の文字どおり大きな声であり、悲願であります。これをなぜすぐに実施しないのか、もう一回答弁を求めます。
    ◎金澤 保健福祉部長 介護保険の場合に、要するに筋肉を使わなければそれだけ減退するという部分もございます。必要な方に対して必要なサービスをというのが介護保険の趣旨だと理解しております。 ◆藤原 委員 こういう分野では、大田区は本当に冷たいというのがはっきりあらわれておりますので、区長は今の答弁を聞いて、ぜひ23区の中で20区で実施しているわけですから大田区が最後の区にならないようにも含めて、積極的に助成制度を設けていただきたいし、第2回定例会にはぜひそうした案が提案されることを強く求めておきます。  昨日、区長のあいさつの中で評価できる面がたくさんありました。その中で、例えば早急に区内の中小企業の実態調査を行うと、そして抜本的な産業施策を取り組んでいくという話がありました。これはどのような調査をするのか。例えば、民間の委託業者に頼むのか。それとも区の幹部職員も含めて、区の職員が積極的に区内の企業を訪問していくのか答弁を求めます。 ◎中村 産業経済部長 産業の基礎調査についてのご質問ですが、ただいまその辺の調査項目については鋭意検討しておりますので、中身が決まり次第ご説明させていただきたいと思っています。 ◆藤原 委員 大田区は文字どおり中小企業のまちで、これは区長もよくご存じだと思いますから、ぜひこれも活きたものにしていきたい。墨田区などでは、しっかり調査とか、そういうのをやって、本当にまちの小さな工場の活性化にも役立てているので、大田区もぜひそういうことで取り組んでいただきたいと思うし、民間任せにしないで、区の担当職員を先頭に調査活動を行っていただきたいと思います。  もう一つ、特別養護老人ホームの建設に伴うかどうかわかりませんけれども、待機者を解消する目的でなくすということを言われましたけれども、あいさつの中で、この点については新しく特別養護老人ホームなどを建設していくということなのかお聞きします。 ◎金澤 保健福祉部長 現在、私どもとして、区として直接つくるという考え方はございませんで、事業者が出てきたときにどういう支援ができるかということを考えてまいりたいと考えてございます。 ◆藤原 委員 1,300人という待機者がいるわけですね。そういうことを考えたらば、待ちではなくて、本当に区長が区報で訴えている攻めのそういう対策をとるとなれば、やはり建設も含めて考えるし、民間であっても誘致を早くするということを含めて、そういう取り組みはどうでしょうか。 ◎金澤 保健福祉部長 私どもは、従来から事業者に対して積極的な支援をしてきてございます。今後について、どういう事業者がどういう計画で来るかと、その内容につきまして十分検討させていただいた上で、支援策を考えていきたいと考えてございます。 ◆藤原 委員 そうすると、この特別養護老人ホーム等の問題で、いつごろまでにそれを具体的にしていくのでしょうか。 ◎金澤 保健福祉部長 お話ししてございますように、私どもは事業者の事業意思を踏まえて考えていくということでございますので、その事業者が出てこないと、なかなかその辺の具体化は難しいかなと思っております。 ◆藤原 委員 区長が積極的な提案をしているのですから、担当されている部はそれにこたえていくというのが本来の姿勢ではないでしょうか。私はそういう立場に立ちまして、区長のこうした発言を非常に重く受けとめるし、このことはすばらしいことなので、積極的に進めていただきたいと思います。  次に、はしかワクチン問題についてですけれども、先ほど同僚委員も発言がありました。この点については千代田区と新宿区で、はしかのワクチン未接種の方には、かかったことのない子には無料で予防接種を行うことを決めておりますけれども、大田区ではそうした考え方はあるのかどうかお聞きします。 ◎三好 保健所長 現在、関係機関も含めて検討中でございます。 ◆藤原 委員 今の答弁だと、検討中ということは近いうちにそれを実施するということですか。 ◎三好 保健所長 実施の方向で検討しております。 ◆藤原 委員 ぜひ、そうした積極的な取り組みを行っていただきたいと思います。  この間、やはり区民の本当に税の負担で、もうこれ以上は生活できないよと、命も危ないよと、そういう声が広がっております。それで、今大田区も出している区報でも、国や地方自治体の税制改正に伴う報道は、いわゆる所得税が年3兆円減って、住民税が3兆円6月から増えるから、いわゆる税負担は変わらないとこういうことを盛んに宣伝をしておりますけれども、それで間違いないのでしょうか。 ◎高橋 区民生活部長 おっしゃるとおりでございまして、所得額が変わらなければ国税と地方税の負担の割合は変わりますけれども、総体としての負担額は変わらないとこういうことでございます。 ◆藤原 委員 本来、いわゆる所得税が1月から1.3兆円の増税になるのですね。それが、実際に給料をもらったときに税金が少なくなっていると。これは、いわゆる税制の税の移譲問題がありまして、いわゆる3兆円ですね、国は出さないと。そういう中からあらわれているものですけれども、実際に東京新聞などでも、ぬか喜び、一転6月に住民税大増税という、こういう報道があります。ですから、私はこの区の報道についても変わりありませんだけではなくて、やはり実際には税制が変わって負担が増えるのだということを明確にしておかなければ、区民は変わらないから6月以降も同じかと、そういうふうに思うのではないですか。6月から上がりますと、増税になりますということを明確に書く必要があると思いますけれども、どうでしょうか。 ◎高橋 区民生活部長 先ほどのご質問は、国と地方の税源移譲の関係についてのご質問ということで理解をさせていただいたものですから、税負担は変わりませんということで申し上げたわけでございまして、それ以外にも当然のことながら税制改正の中では、先ほどもご発言にございましたけれども、定率減税の廃止の問題でございますとか、老年者の非課税措置の廃止の問題でございますとか、そういった要素は当然ございます。それらについて私どもとしても必要なPRは積極的にさせていただくことにしておりまして、昨日21日号ですか、おおた区報でもそういったことは十分書かせていただいたつもりでございます。 ◆藤原 委員 おおた区報は大変小さく、その部分だけは小さいのです。国と地方の税配分は変わりませんとは書いてあって、定率減税は廃止されましたということで、さらに小さく、その分税負担は増えますというのが本当に最後にちょこっと書いてあるのです。これでは一般の私みたいな目の悪い方は本当にわからないのですよ。もっとわかるように、やはり税金というのは区民からいただくものですから、このことをきちんとやはり書くということが大事なのです。ぜひこのことを強く求めておきます。  ご承知のように、98年のサラリーマン平均年収が8年連続して減少している、8年から減少しているという問題で、また年収500万円未満の世帯が5年前より13.1%上昇したとこういうことも書かれて、都の社会福祉基礎調査で報道されました。年金改正のときにも100年安心だと言ってある政党は宣伝しましたが、1年でも不安で痛みが襲いかかっているではありませんか。今回の定率減税廃止を強く求めた政党は公明党で、東京新聞2004年12月16日付で、増税が決まった後、公明党のメンバーの1人は、うちが言い出しっぺだから、そこを責められたらどうしようもないと言って力なく笑ったと報道されました。増税戦犯公明党と報道されました。この増税は定率減税廃止の公明党提案に自民党も相乗りして、昨年、今年で全廃することが決まったのです。福祉の党と言っていながら、国会での増税や社会保障関係での国民の負担増について、公明党はきちんと反省すべきではないでしょうか。日本共産党大田区議団は、定率減税廃止で高齢者、国民に大増税の押しつけをやめ、増税中止、今後の増税計画凍結を求めて奮闘していく決意です。同時に今の区民の生活が困窮しているときに、特に戦争中に青春時代を生き抜き、戦後日本の経済発展に尽くされ、今少ない年金生活や受給などで生活が困っている高齢者に対しては最優先で今の財政があり、特に豊かな財政を活用し、支援策を区が実施することを強く求めて次の質問に移ります。  羽田空港の跡地の利用問題についてです。羽田空港の跡地面積確保問題は、国の要求を飲んで譲歩に譲歩を重ねて、3月20日に行われた羽田空港移転問題三者協議会で、国土交通省、東京都、大田・品川区が「空港跡地の範囲と面積について合意した」と区議会議員全員でなく特別委員会委員にペーパーが配られました。大田区にとって長年の悲願でもある跡地問題を三者で決まったから、これで進めると言われても合意できるものではなく、範囲が国際ターミナル西側、面積は53ヘクタールでなぜ合意したのかお聞きします。 ◎秋山 空港臨海担当部長 53ヘクタールの跡地は今後増えるのかどうかということ、なぜ合意したのかというご質問でございます。羽田空港移転に伴う跡地問題につきましては、これまでさまざまな経過がありまして、羽田空港の移転問題協議会、いわゆる三者協でございますけれども、こちらで議論されてまいりました。最初の跡地面積は、ご指摘のとおり200ヘクタールということで提示がありました。この提示があったのは昭和56年の6月でございまして、既に26年経過をしています。この間に変化をしました。いわゆる状況変化、あるいは環境変化がございまして、空港の再拡張や国際化、あるいは機能拡充、あるいは内容の変化、そういったものがありまして跡地の面積が縮小されてきたと、そういった経過がございます。そういった状況を踏まえて、現在の姿があるわけでございます。  本年3月20日、第47回羽田空港移転問題協議会におきまして、国から提示されました約53ヘクタール、これらの面積について、これらの経過を踏まえ合意をしたところでございます。したがいまして、委員ご指摘のような、53ヘクタールからもう少し増やすということはちょっと考えられないということで、ご理解を賜りたいと思っております。 ◆藤原 委員 ご理解できませんね。羽田空港問題では区長、関係者の発言もありましたけれども、いわゆる羽田空港問題での歴史をひもといてみれば、やはり戦後48時間強制退去問題から、また1966年のあの航空機事故が連続して起きるという、そういう中で1975年、大田区長や大田区議会が8項目の空港機公害防止対策を早急に講じるよう強く国に要望し、その主なものは、1番目が現空港を撤去し沖合いに移転させること。新空港は現空港と同一面積であって拡張しないこと。3番目が、撤去後の空港跡地は森林公園等に広く区民に開放すること。4番目が、新空港内陸部に騒音などの影響を及ぼさないこと、こういうことが区長と区議会で決められているのです。このことをしっかり守るのが、大田区の行政の役割ではないでしょうか。ここのところは、もうなしとしているのですか。 ◎秋山 空港臨海担当部長 ただいま申し上げましたとおり、そういった経過が当然あるわけでございますので、そういった経過を踏まえた上で、そして環境の変化、状況の変化に対応して我々としては考えていきたいと思っております。 ◆藤原 委員 環境の変化とか現状の変化があるということになりますと、地元民にとっては約束されたのはどうなのだと。地元民にとっては、長年の悲願である200ヘクタールはやはりどうしても開放してもらいたいということがあるし、現在でも騒音問題で多くの人たちが苦しめられている。こういう状況を、それでは見殺していくということなのですか。 ◎秋山 空港臨海担当部長 ただいま申し上げましたとおり、昔の経過も踏まえて、当然そういったものがあって空港というのが成り立っているのが事実でございます。そういったことを我々としては十分踏まえた上で、今申し上げましたような今後のあり方、そして沖合いに展開することによって騒音の問題については内陸部には若干変化をしてくるといったこともございますので、そういったことを踏まえた上で、私どもしてはこの53ヘクタールの跡地の利用を考えていきたいと思っております。 ◆藤原 委員 全日空の会社のが出されているものとか、JALも含めてですけれども、今の海老取川周辺にある、いわゆる整備場は将来というか、撤去していくという方向が書かれているのです。こういうところは、やはり積極的に攻めの姿勢で、そこの跡地もやはり確保すると、そういう姿勢がやはり区には必要ではないかと思います。日本共産党は、あくまでもやはり200ヘクタールを確保することを強く求めて、東京都や国にぜひ皆さんがその声を上げ、そして要求をしていただきたいと思います。  もう1点、今年の予算の中で、いわゆる40億円というお金が跡地を購入するという形で基金として貯められました。今予算書を見ますと、68億円あるのですか。こういう中で、どこの用地を購入するのか決まっているのでしょうか。 ◎秋山 空港臨海担当部長 どこの用地を購入するのかというお話でございますけれども、三者協で跡地の利用の今後のまとめを前提にいたしまして、私どもとしては具体的な内容を詰めてまいりたいと思ってございます。  跡地の具体的な場所につきましては、天空橋を中心とした地区で可能な限り広い面積を購入したいといったことで考えてございます。 ◆藤原 委員 これはどうしても購入しなければならないのか、それとも購入しなくても大田区としてきちんと跡地が確保できるのか。例えば、国有財産法とか国有財産特別措置法などの規定がありますけれども、こうしたものの活用も含めてできないのかどうかお聞きします。 ◎秋山 空港臨海担当部長 私どもとしては姿勢として、今委員ご指摘のとおり攻めの姿勢でいきたいと思ってございます。そういった意味では、まず買うということを前提としていきたい。それから、当然のこととして今ご指摘ありました面積によっては、いろいろな手法も当然あると思います。そういったことも視野に入れながら検討してまいりたいと思っております。 ◆藤原 委員 攻めの姿勢というのは、お金を出して購入することが攻めの姿勢ではないと私は思います。やはり区民の財産を本当に有効に使っていくということも含めて考えたら、やはり迷惑をかけている施設であり、当時の山下運輸大臣ですか、そうした方が地元に迷惑をかけていると、まだ戦後は終わっていないと、こういう発言もされている、そして塩川運輸大臣も合意された中身もあるし、そういうことを国の方にしっかり述べていくことこそ攻めの姿勢ではないかと思うのですね。ぜひこのことを守っていただいて、大田区でお金を出して購入するのではなく、無償で跡地はやはり解放するということをお願いしたいと思います。  次の質問を移ります。京浜急行のいわゆる問題と蒲蒲線の問題についてですけれども、特に蒲蒲線問題については、午前中に公明党の委員からも話がありました。確かに池袋の方面の人たちや、それから新宿の方面の人たちは、今の計画のとおりやれば蒲蒲線ができれば便利になるでしょう。しかし、大田区民にとって本当に便利かどうか。昨日もある商店街の総会がありまして、やはり蒲蒲線というのは京浜蒲田の駅一つとってみてもなぜ京浜蒲田の駅を使わないのかということも含めて、かえって不便になるという声があります。この点について、もう一度白紙に戻して、そして大田区としてのあり方を文字どおり商店街の皆さんや地元の皆さんも含めて検討会を行う、そういう考えがないかどうか、まずお聞きします。 ◎赤阪 交通事業本部長 区の東西鉄道問題の解消につきましては、区民の長年の悲願でございます。また、羽田空港の再拡張、国際化に対して、近隣の自治体も積極的に行動しております。大田区としてもこの機会に蒲蒲線を整備し、羽田空港と蒲田、大森などと連携し、大田区のまちの活性化に寄与するものと考えて、早期に実現を考えております。白紙に戻すつもりはございません。 ◆藤原 委員 今、白紙に戻すことはないと言っておりますけれども、いわゆる360億円という、1,080億円というお金の中から自治体が出す360億円問題がありますね。第1回定例議会で、区長は東京都が乗り気でないという問題がありました。そうなれば当然大田区の持ち分が増えることは間違いございません。私は選挙公報を見ました。今日当選されている全議員の選挙公報がありますけれども、この中で蒲蒲線の促進を言っている方が何人いらっしゃいますか。わかりますか。区議会議員はほとんど言っていないのですよ。区民に約束していないことを区議会議員の方は約束していない。ですから、行政側が一方的にこれを進めているのではないですか。違いますか。 ◎赤阪 交通事業本部長 蒲蒲線につきましては、昨年も区民促進協議会を開催いたしまして、数多くの団体の代表の方に来ていただいております。その中で、改めて蒲蒲線の促進について確認をしたところでございます。そのような経過を持っておりますし、先ほども申し上げましたとおり、大田区にとっても利便が向上する。それから、広域的な利便の向上のために、多くの東京圏西南部の方が大田区に来る状況になります。そういうことで、活性化に役立つと思っております。改めて推進をしていきたいと思っております。 ◆藤原 委員 これは2004年の第4回定例議会、平成16年の第4回定例議会で自民党の議員がこのように述べております。蒲蒲線、大田区でも独自にアクセス対策を取り組み、思い切って京急蒲田駅からJR蒲田駅まで動く歩道を設置して、商店街通り、途中でショッピングもできる、各ビルにも入れる、夢のある動く歩道の設置を提案しますと、こういうことを述べて、費用も大変安いと。これこそ京浜蒲田や蒲田東口の商店街が大きく栄える。今の部長の答弁でいきますと、確かに池袋はそういう方面から来る方は便利でしょう。しかし、蒲田におりないで空港に行く。空港でおりた方は蒲田におりないで新宿や池袋や渋谷に行く。そういうことをみずから述べているのではないですか。違いますか。 ◎赤阪 交通事業本部長 先ほどご提案がありました動く歩道の件でございますけれども、やはり鉄道を連携するというのと、例えばバリアフリーの関係、それから利便性の関係であれば、鉄道に勝るものはございません。  それから、まちの活性化と鉄道の関係でございますけれども、鉄道はやはりまちにおける一番基本的なインフラだと思います。確かに通ると確実にまちが発展するかということでございますけれども、これはまちも努力していただいて、やはり蒲蒲線を誘致して、ポテンシャルが上がるところを活用していただかなければいけないと思っております。 ◆藤原 委員 まさに今の部長の答弁でいきますと、際限なくお金を蒲田開発にも使うし、蒲蒲線にも使うという。まさにこれはむだ以外にはないと、日本共産党は、改めて白紙に戻して再検討を求めます。  最後に区長に一つだけお願いがあります。羽田が空の玄関だと言われ、羽田が注目されていると、そして攻めの行政を進めていくと、そういう意味で、穴守稲荷駅があまりにもひどいですね。今のバリアフリー化が何もされていない。それで改めて荏原製作所では事務系のビルがまた建てられて、大勢の方がおりられる。ぜひ区長みずから穴守稲荷駅に行きましてバリアフリー化問題の調査をしてもらいたいと思うのですが、この点どうでしょうか。 ◎赤阪 交通事業本部長 穴守稲荷駅のバリアフリー化につきましては、さきの第1回定例会におきましても藤原委員からご質問をいただきました。残念ながら、その状況からは変わっておらないというのが京急からの連絡でございます。ただ、区といたしましても、やはり最重点の課題だと思っておりますので、京急とともにバリアフリー化に推進できるように努力していきたいと思っております。 ◆藤原 委員 区長から答弁がありませんでしたけれども、ぜひ区長、一度穴守稲荷駅に行っていただいて、羽田の人がどれだけ苦労されているか見ていただきたいと、このことを要望して私は終わります。 ◆和田 委員 同じく日本共産党の和田でございます。私は、子育て支援という点からご質問していきたいと思います。  今回の補正予算に、(仮称)久が原一丁目保育園の新設ということで1億円余が計上されています。待機児解消のためには大変喜ばしいと思っておりますが、この内容についてお尋ねします。 ◎本間 こども育成部長 この4月の待機児の数が一応出まして、その数字を分析をしたところ全体的に下がっているのですが、やはりセンター別にいってみますと、この大田西の管内が大体横ばいということで、一番センターの中では多いということで、分析をいたしますと池上線沿線のところを整備するとかなり効果があるということで、今回補正予算を載せていただきました。 ◆和田 委員 規模とか開設時期とかもお願いします。 ◎本間 こども育成部長 急きょ補正にのせていただきましたけれども、一応規模としては、待機児はこの地域はもうゼロ歳児の待機児はほとんどいなくなってきたと。特色としては、1歳と2歳が多いというのが今年の特色でございました。したがいまして、ここのところの保育園は60名程度の1歳児を予定しております。 ◆和田 委員 大田区は平成15年9月策定されましたおおたはばたきプログラムで、2006年度に待機児童ゼロというのを目指しました。この間の待機児童数は2003年には164人、2004年には238人、2005年には216人、2006年は163人となっています。今年度の待機児童は何人でしょうか。 ◎本間 こども育成部長 今年4月1日の待機児でございますが、144名でございます。 ◆和田 委員 平成16年度から18年度の実施計画にもありましたように、待機児解消はこれまで既存の保育園の定員の拡大、定員増、それから認証保育所の整備ということがこれまでの大田区の考えだったと思いますけれども、日本共産党大田区議団は定員増と認証保育所の整備だけでは待機児解消は進まないということで、認可保育園の増設が必要だということを再三にわたって求めてきました。実際に昨年の2006年には待機児ゼロは達成できなかったということだと思いますが、こういう中で昨年は洗足池保育園が新設されましたし、また今年度、今回のように(仮称)久が原一丁目保育園の新設という点では前進をしているのかなと思っております。  はばたきプログラムに掲げたこの2006年度までに待機児童ゼロを目指すという、この目標というのはこれからはどうなっていくのでしょうか。何年度にゼロを目指すのか。一度区民にお約束をしたわけですから、やはり早く実施計画を前倒ししてでもゼロに達成するよう努力していただきたいと思うのですが、この辺はいかがでしょうか。 ◎本間 こども育成部長 はばたきを策定した平成15年、このときの保育園の申請者数が現時点とはだいぶ事情が違いまして、その後は1,850ぐらいの申請だったのですね。その数年前までもそういう状態が続きました。17年以降、申請数が2,000台に乗りまして、今年の4月まで4年間2,000件という申請の数を持っております。それを見まして、そのときの状況が申請の数がかなり違っているということもございます。ただ、私たちとしては、待機児をなるべく減らしていこうという姿勢には変わりございません。昨年、洗足池保育園をオープンさせました。それから、認可保育園の改築だけではなくて、平成14年には大森駅前の認可保育園もつくってございますので、条件とか場所とかいろいろ合えば改築だけではなくて認可保育園の新設もやってきたということでございます。  今回、久が原一丁目保育園は、先ほどの質問にちょっと答えを漏らしましたけれども、来年の秋ぐらいになるべく早くつくりたいと思っておりますので、そうしたものが認証の保育所の整備と合わせて、洗足池以上の効果が出るのではないかなと思っております。 ◆和田 委員 ぜひ待機児ゼロを目指して頑張っていただきたいなと思っています。私は、やはり保育園をつくってもつくっても待機児が減らないという、減ってきてはいるのだと思うのですけれども、なかなかゼロにならないというところでは、やはり申し込んではいないけれども、入りたい、申し込みたい。こういう方がたくさんいらっしゃるのではないかなと。その理由には、やはり近くに保育園がないということだとか、それからもう既に4月でいっぱいになっているので、申し込んでも入れないから申し込まない。いろいろ理由はあると思うのですけれども、申し込みたくても申し込まないという、そういう方がいるということでは、やはり潜在的な保育需要がもっと多いということも踏まえて、これからの計画を進めていかなければいけないのではないかなと思っています。  それから、認証保育所が昨年度末で19カ所開設されましたし、またこれから今後3年間で6カ所開設する目標となっているのですけれども、私は待機児がいる以上は、当面入所できるというところが必要だと思っておりますので否定はしませんけれども、やはり認証保育所というのはあくまでも認可外の施設でありますから、待機児解消にはやはり認可保育園の整備ということで、この整備が整うまで補完的な役割と見るべきではないかなと思っています。待機児解消の中心は、やはり認可保育園の増設で行うべきではないかと思っているのですが、いかがでしょうか。 ◎本間 こども育成部長 必ずしも委員の意見には賛同できない部分がございます。ここ数年の認証保育所から認可保育園に移りたいという希望がかなり変化しておりまして、以前は認証保育所に入っていながら認可保育園を申し込んでいると。実際に認可保育園が内定すると、それをお断りするというケースが去年、おととし続いておりました。今年につきましては、最初から認証保育所に入っている方が認可保育園を申し込まないというケースが多くなってきたというのが特徴でございます。  それから申請数が先ほど2,000件を超えたということで、私どもは申請数が大幅に増えてしまうと、また計画をもとからやらなければいけないのですが、今年の特色といたしまして、3月の内定後に保育園を辞退したいという方が100件以上あったのも、これも特色でございます。その再度4月に向けて、また入所会議をやるわけですが、この辺もなぜそのような事態が出たのか、これを分析してまいりたいと思っております。 ◆和田 委員 やはり認証保育所を希望される方の中には、やはり認可保育園の保育時間が合わないという方もいらっしゃるかなと思います。東京都が行った実態調査の中で、認証保育所を利用されている6割以上の方が認可園に入れるなら入りたいと答えていらっしゃいますし、また8割の方が保育料を安くしてほしいとも答えていらっしゃいます。実際私が知っている認証保育所では、今年の4月にも8割の園児が認可保育園に移っていったということも聞いております。保育料も今保護者負担の軽減もされていますけれども、やはり経済的にゆとりがなければ認証保育所に長くいることは難しいのかなと思っています。ですから、だれでも入れるということでは、やはり認可保育園をつくっていくということが大事ではないかなと思っています。時間がありませんので、次に移っていきたいと思います。  来月、住民税の増税が区民の皆さんを襲うわけですけれども、今本当に増税負担増で非常に暮らしが大変になっている。これはご存じだと思うのですけれども、そういう中で本当に大田区が応援していく、子育てを応援していくという点では、保育料のことなのですけれども、保育料がこの4月から昨年の所得税の定率減税半減による影響で収入が増えなかったのに保育料が上がるという子育て世代が生まれています。これは大田区で、4割の世帯に1億円の影響が出ていると聞いています。大田区は2006年度、保育料の値上げをしました。このため、2006年度、2007年度と2年連続して保育料の値上げになる世帯が出てきました。  例えば、両親の年収を合わせて310万円程度の世帯で、3歳未満児の保育料は2005年度には月額9,400円でした。それが2006年度には保育料の値上げによって1万2,400円に、年間の負担増が3万6,000円となりました。さらに2007年度、今年度には所得税の増税の影響で月額1万8,400円となり、前年比で年間7万2,000円の負担増になっています。これで2年連続合わせますと、年間で10万8,000円。この負担が増えることになりました。こんなに負担が増える世帯が出るということを、こんなに影響が出るということを予想されていたでしょうか。 ◎本間 こども育成部長 18年度の10%縮減の影響、要するに保育料は1年前の所得ということですから、19年度今年の保育料は昨年の影響を受けるということで、私どもの試算では世帯収入630万円以上の世帯の方の中で1階層ぐらい上がるだろうという見込みを立てております。それが先ほど委員おっしゃった4割程度だとみております。 ◆和田 委員 本当に大きな負担だと思います、私は。私は今年の第1回定例会で、厚生労働省は増税が保育料の値上げにつながらないようにする所得基準額の変更の通知を出したので、大田区もどの階層にもこれ以上負担を増やさないためにも所得基準額の変更をすることを求めました。そのときの区の答弁は、大田区の保育料は国の基準よりも低い。定率減税実施時に下がった保育料がもとに戻るだけだ。国の基準額変更を準用する意味はないということでした。こんなに負担が増えた今でも、大田区の保育料は国の基準より低い、定率減税のこの下がった保育料がもとに戻るだけだと言っていられるでしょうか。 ◎本間 こども育成部長 再三、増税という言葉がございましたけれども、私たちは増税とは見てございません。景気対策のための暫定的な税負担の軽減策を縮減廃止するものということで、保育料がもとに戻るというスタンスでおります。ただし、平成18年度の10%の縮減の影響、先ほど申し上げました。今年度、19年度には全廃になります。ところが、今年度19年度全廃の影響と、今年度は税制改革が合わせてございますので、今後所得税がどのように変化して、保育料がどのような影響、変化をしていくのかにつきましては分析をさせていただいております。 ◆和田 委員 税金を納める方にとっては、やはり増税という感は否めないと思います。子育て世代への負担増というのは保育料の値上げだけではありません。所得税や住民税の定率減税の縮小廃止による増税に加えて、保育料の負担が増えるということです。先ほど例に挙げさせていただいた年収310万円のご家庭というのは、決して収入が高いところではないと思うのですね。そういうところで、2年間で約2倍の保育料になっているのです。月額にしましても約2倍です。やはりこういう世帯に対して何らかの支援をする、支援をしていきたい、いかなければいけない、こういうお考えはないでしょうか。 ◎本間 こども育成部長 保育料の値上げにつきましては、適正な負担という視点からの見直しでございます。今年は定率減税の影響を確かに受けたということで18年、19年と来ておりますが、そうした影響が20年以降ずっと続くのか続かないのか。先ほど申し上げましたように、今後の所得税の変化につきまして、それにつきましては分析をさせていただくと。 ◆和田 委員 大田区でも行ったアンケートですけれども、国やそれぞれ党でも行っているいろいろなアンケート調査でも、行政に望む子育て支援の第1位というのは、経済的支援と挙げられているということはもう既にご存じだと思うのです。増税がのしかかっているのにこの負担を増やすというのは、本当に子育て支援という、名前は子育て支援かもしれませんけれども、その名前だけで中身は本当に逆行するものだと私は思います。  第1回定例会でも私は求めたのですけれども、再度4月分の保育料にさかのぼって、定率減税の縮小廃止に伴って負担が増えないよう大田区として必要な手だてをとることを強く求めますが、再度お答え願います。 ◎本間 こども育成部長 19年度に限りましては、特別の手だてを考えるつもりはございません。 ◆和田 委員 本当に冷たいと思いますね、私はね。そうして先ほどからも、財政は豊かになっている、こういうようにおっしゃっているのですから、今だからできるのではないかと思うのですね。財政が厳しいときではないわけですから、ぜひ再度お考えをお願いします。  そして23区の中でも、定率減税の導入によって下がった保育料がもとに戻るという性格の問題ではあるが、子育て世帯の経済的負担感を増加させないためとして、所得税額の20%相当の定率減税が適用されたとみなし、これは廃止、縮小されていないという、こういうようにみなして所得税額を再計算して、負担を生まない措置をとっている。こういうところも実際にあるのですね。そして、調布市も保育料が値上げにならないよう負担軽減対策を決めている、こういうところも出ているわけですから、ぜひお願いしたいと思います。  そして新しい区長も、子どもを安心して生み育てられる環境づくり、熱意を持って取り組んでいかれると思いますので、ぜひ特に今年度、特別区税、それから特別区交付金などが大幅に増収になるという見込みにもなっています。先ほども申し上げましたように、財政は豊かです。本当に子育てを支援しようという立場に立てばできるはずだと思うのですが、いかがでしょうか。区長のご答弁をお願いします。 ◎本間 こども育成部長 確かに23区とか東京の市の中で、何らかの対策を講じているということは新聞報道で見ております。ただ、その自治体のいろいろなスタンス、経済的支援ととらえているのかどうか、その辺もわかりませんし、私どもとしては経済的支援ということでは、中学生の医療費の助成の拡大において引き続き、そういった項目については検討してまいりますが、今回の保育料につきましては、そういった範囲では考えていないということでございます。 ◆和田 委員 本当に安心して子どもを産んで育てられる。そして、働き続けられる。そういう大田区にしていくためにも、ぜひこれからも区民に温かい、そして子育て世代に温かい区政を望んで質問を終わります。 ○海老澤 委員長 民主、質疑願います。 ◆山崎 委員 大田区議会民主党でございます。さきの区議会議員選挙におきましては、私どもの公認候補者に対しまして、大変たくさんの区民の皆さんからご期待をいただきました。得票数にして4万7,345票、結果7名の当選者を出すことができました。いただいた区民の皆さんからの期待にしっかりこたえるべく、この7名で大田区議会民主党を改めて結成をいたし、区民を主役とした大田区政の発展に向けての取り組みに、これから全力を尽くしてまいりたいと思っております。  もちろん私ども民主党だけで拡大、また多様化していくこの区民の皆さんの期待にこたえ切れるものではないと思っております。区議会各会派の皆様、新たに松原新区長を迎えた大田区執行機関の皆様、そして主役である区民の皆さん自身の力の連携と協力があってこそ、初めて目指す区政づくりが実現できるものと思っております。思いや意見はそれぞれあるわけでありますけれども、それらをぶつけ合いながら、区民にとってよりよい方向性を導き出してまいりたいと考えておりますので、皆様もどうかよろしくお願いを申し上げます。  さて、改めまして松原区長、ご当選おめでとうございます。14年ぶりの大田区議会、かつての議員の立場と変わられて、行政のトップの立場で出席されるこの議会、区長の目にも随分と違って映っていらっしゃるのではないかなと思っております。私にしても区議会議員9年目にして、初めて西野区長以外の区長への質問となります。はりきってこの大田区政の新しいスタート、頑張っていきたいと思っております。  松原区長の目指す大田区政の未来像について、午前中から続いております質問と幾分重なる部分も多いかと思いますけれども、順次質問をしてまいりたいと思います。  北海道夕張市の財政破綻は、全国に大変に大きな衝撃を与えました。近年、大田区の財政基盤、これは景気拡大、あるいはこの税改正による税収増、そしてこれまで本当に積み重ねてきたさまざまな行財政改革の取り組み、そういった成果が重なり合うことによって年を追うごとに大変に強固なものとなってきております。  一方では、区内の中小企業の零細者、勤労者、ほとんどの区民の皆さんは、残念ながら依然としてこの景気を実感できない状況にあります。私は今回の選挙戦を通じて、本当にたくさんの区民の皆さんとお話をいたしましたが、今もお話がちょっと出ていましたが、こうした状況下の中で行われる定率減税の廃止であるとか、あるいは医療費などの社会保障費の負担増は、本当に多くの区民の皆さんにじわじわとこの暮らしにのしかかってきております。昨日も、なぜこんなに住民税が上がるのだと若いサラリーマンの方から文句を言われたわけでありますが、こうした問題、国政レベルで解決すべき問題が多いのかと思いますが、本格的な今、自治の時代を迎えて、この福祉、教育サービスの充実、大田区の取り組みにも大変多くの区民が期待をしているのだと思っております。  松原区長は私以上に、本当にたくさんの区民の皆さんの声を聞いていらっしゃることと思いますが、こうした今の区民の皆様を取り巻く状況をどんなふうに感じていらっしゃるのか、率直なご意見を伺いたいと思います。 ◎松原 区長 景気回復がひとつとはいえ、依然としてまだ足踏み状態にあると感じている区民の方々も少なくないと思います。地域に対して責任を持つ区政としては、福祉、教育、あるいは治安、防災など、区民の方々のさまざまな要望に対しまして積極的な姿勢で対処して、心の通った行政を進めてまいりたいと思っております。 ◆山崎 委員 大田区は、ここ数年、大変財政的に柔軟な対応が可能となってまいりました。そんな中で、大変区民要望の高いさまざまな分野で予算の執行もかなり積極的に行ってきております。ただ、メニューを取り揃えている割には、他の自治体と比べるとなかなか相対的に評価が上がらなかった。これが大田区の行政サービスなのですけれども、昨年発売されました日経グローカル紙、この行政サービス度全国ランキングで大田区は11位にランクをされております。これは教育や公共料金など、定量的に比較できる5分野のサービス度を「行政サービス度」として総合評価したものだと私も見ました。  私は、西野区長にも再三申し上げたとおり、今大田区は大変財政、そして行政サービス、この充実については本当にバランスをうまくとってきたと感じております。ただ、このバランスを重視し過ぎているためか、何かもう一つ物足りないような、もっと言えばちょっと優しさが感じられないような部分というのも幾分か私としては感じてきたわけであります。区民にもっとゆとり、そして豊かさを実感してもらえるように、さらに知恵を絞って取り組みを進めていくべきではないかなと感じております。  強固になったこの財政に加えて、大田区には日本のそれこそ屋台骨を担ってきた機械金属加工業の高度集積、あるいは緑豊かで良好な住宅地、羽田空港をはじめ広域的な交通、物流拠点としての都市機能など、区長もおっしゃるように他の自治体と比較しても特徴のある地域支援がたくさんあるわけであります。そして何よりも外国人の方も入れれば68万人という大変なこの区民、この人的資源があるわけであります。鳥取の県の人口よりも数の多い、この区民のまさに知恵や力を地域資源としてもっとうまく活用していくことができれば、この大田区はまさに自分たちの、みずからの力の中でもっともっと地域活力を生み出していくことができるように感じます。  その先導として、私ども議会もしっかり頑張らなければいけませんが、何といっても区長の存在が非常に大きなものがあるように思います。これまでの区長の発言を見聞きする中においては、区長も同様のお考えをお持ちのように感じておりますけれども、ぜひ区民の皆さんの暮らし向上、そして先ほど申し上げましたが、区民にもうちょっと優しさを感じてもらえるような大田区政、そのための攻めの区政、区長のおっしゃる攻めの区政を進めていっていただきたいと思いますが、区長の所見、具体的な方策の一端をございましたらお聞かせいただきたいと思います。 ◎松原 区長 私は選挙のときに、区民の皆様に区民主人公の政治、地域の力・区民の力とともに安心、安全、安らぎのまち、国際平和交流都市大田区の創造、福祉・医療・教育・スポーツの充実による元気でイキイキ大田区、産業・都市整備・観光・歴史・文化・芸術を大切にした魅力的な大田区等をお約束しました。  具体的には、大田区の総点検を図り、10カ年計画の策定を行います。これらの過程で、区政と区民、地域団体等の協働による住みやすい活力のある地域づくりを進め、山崎委員ご指摘のとおり、区民に優しさを感じてもらえる区政を展開していきたいと考えております。 ◆山崎 委員 ぜひその優しさ、よろしくお願いをしたいと思います。  今、区長の方から10カ年計画のお話が出ましたけれども、今日この10カ年計画、もう皆さんいろいろな議員の方が質問されているのですけれども、今回の統一地方選から知事・市長選挙では候補者がローカルマニフェストを配布できるようになりました。首長選は政権選択選挙ではありませんから、行政を運営する首長がマニフェスト、これを掲げる私は意義が大きいと思っております。政策はもちろんのこと、これによって候補者の理念、そして資質が問われて、有権者は地域のかじ取りをだれに託すか選択をしやすくなるからであります。松原区長も、このマニフェストを掲げ区長に当選をされたわけであります。それに沿って、当然政策を実現していかなければならないと思いますけれども、一方、今日ずっとお話がありましたけれども、これまで大田区の行政計画、これは大田基本構想をもとに長期基本計画おおたプラン2015、そして実施計画、こうしたものを主軸に進んできたわけであります。  先ほど来、松原区長のこの10カ年計画と、おおたプラン2015、こうした計画との間の整理のお話であるとか、あるいはこのスケジュールの話であるとか、いろいろご答弁をなされておりますけれども、これ以外にも大変に個別計画、22も数えてみるとありましたけれども、こうした個別計画もございます。その計画に沿って本当に大田区にはたくさんの施策があるわけでありまして、こうしたものを短期的に計画を立てるために点検をしていくということになりますと、本当に区長だけでなくて職員の皆さん、本当に一丸となって全員が本当に一生懸命に取り組んでいかないと、なかなかこのスケジュールできっちりそれをまとめていくというのが大変だと思っております。そういった意味において区長のリーダーシップが大変に重要になってくると思いますが、その辺の職員の取りまとめなども含めながらスケジュール等のことについて、ちょっとお聞かせいただければと思います。 ◎清水 経営管理部長 10カ年計画は、おおたプラン2015にかわる新たな基本計画として位置づけていきます。スケジュールは、今年度中に審議会を設置して答申をいただいた上で、基本計画の策定は平成20年度末を目指しております。この過程で緊急点検を行いまして、さまざまな分野の問題点を洗いざらいにして、問題点の原因を解明して、その問題解決の方向性をそこでもって策定しているわけでございますけれども、その中で個別計画が現在、福祉、教育、都市計画、防災など、さまざまな分野で現在策定されております。こういった計画を新しい基本計画の中で再位置づけをしていくということでありますので、個別計画を分析評価して体系づけていくと、こういった作業がございます。そのためには、各セクションの管理職をはじめ、職員が日常的に事務を執行する中で問題点を感じているわけでございますので、そういった問題点をきちんと出してもらうと。それを分析評価して、徹底的に新しい結果に結びつけていく。そういった動かし方をこれから考えていきたいなと思っております。  なお、個別計画の中には既に法令等で期間が定められているものがありますので、それはそれで基本計画策定後にその体系的な位置づけをきちんとして執行していくと。そういった形で、基本計画との整合性を図っていくということでございます。 ◆山崎 委員 私の方からこの10カ年計画に際して、もちろんこの10カ年計画ではなくて、やはり主要な条例、あるいは政策形成過程においてパブリックコメントの制度化、これをぜひ先行、あるいは同時に進めていっていただきたいと思っております。
     これは前の西野区長の時代にも同様のお願いをしてきたわけでありますけれども、大田区も確かにこれまでいろいろな手法を使って区民の皆さんのいろいろな意見聴取に努めてきております。区報、あるいは区のホームページなんかでさまざまに行う意見募集、これは広い意味でパブリックコメントに該当するものだと私も思っておりますし、公募委員の皆さんのご意見、あるいはワークショップなどで参加者の皆さんのご意見をいろいろと伺うこと、これもこれまでの行政の政策立案に大変重要な役割を果たしてきたように思っております。  しかしながら、パブリックコメントの制度化、つまりあらかじめどのような案件の場合に区民の意見を求めるのかの枠組みを決めておいて、その枠組みに該当する場合は必ず区民の意見を求める。そういった手続を実施する。こういった仕組みには、まだなっていないわけであります。  区民が主人公の政治で、地域の力、区民の力とともに安心、安全、安らぎのまちをつくり上げる。これは区長の言葉でありますけれども、そのためには地域のさまざまな団体との連携、組織化、こういったものを進めるのと同時に、必ずしも団体に所属をされていない多くの区民の皆さん、そういった皆さんがやはり自由に意見を述べることのできる機会、こうしたものがきちんと保障されていることが重要になってくるのだろうと思っております。パブリックコメントの制度化についての所見をお伺いしたいと思います。 ◎清水 経営管理部長 委員がご指摘のとおり、区政に関しまして区民の自由な意見を求めて、それらを的確に区政に反映させていくということは極めて重要なことだと考えております。そのためには区民意見公募手続、いわゆるパブリックコメントの制度を定めることは必要であると認識しておりまして、今後他の自治体の先行事例などを調査、参考にした上で、早期に導入していきたいと考えております。  また、新たな10カ年計画の策定に際しましては、この制度を活用して、広く区民の意見を求めていきたいと考えております。 ◆山崎 委員 昨日の所信表明の演説の中でも透明性を高めていく、こういったこともおっしゃられておりました。ぜひ透明性と同時にこういう区民参加、今前向きなご答弁をいただいているわけでありますけれども、ぜひご検討、実施をしていっていただきたいと思います。  さて、補正予算、松原区長にかわられて初めての予算なわけでありますけれども、民主党はさきの定例会のこの当初予算については区長改選期、これを控えた予算にしてはいささか積極的過ぎるのではないかなという意見も申し上げたわけでありますけれども、区民生活にとって少子高齢化問題など、大変に待ったなしのこういった課題、あるいは本当に将来的なことを考えてみても、なかなか今まで財源の裏づけもなくて進んでこなかったさまざまな課題を積極的に取り組んだ。そして、とにかく将来に向けて一歩でも区政を前進させていく、こんな思いを評価して、予算案に賛成をしております。その後の補正予算ということもありまして、また区長就任からわずか数週間の中で、これを予算編成されたということもあるでしょうから、西野区長時代からの事業の継続的なもの、これへの予算づけがほとんどなわけでありますけれども、そのような中にあって、この空港臨海部の整備基本調査委託については、新区長の強い思いが感じられるように思っております。  先ほど田中議員をはじめとして、他の委員の皆さんからも質問が入っておりますけれども、3月20日の羽田空港移転問題協議会、いわゆる三者協で羽田空港跡地の範囲と面積、利用検討にあたっての基本的な視点、今後の進め方についての合意がなされたわけであります。いよいよこの跡地利用が具体的に動き出していく中、大田区役所に新しい組織、空港臨海担当、今日はたくさん答弁をされていらっしゃいますけれども、誕生をいたしたわけであります。  羽田空港は、全国的な航空ネットワークの拠点であるとともに、これが国際化をされますと、まさに国家の玄関口となります。この空港に隣接する跡地、これは東京、国にとっても非常に重要な空間に位置づけられております。その跡地を地元自治体、この大田区にとってより望ましい利用ができるように、大田区として国、東京都に今後も強く主張すべきところを主張していってもらわなければならないと思っております。  都議会議員などのこれまでの経験、経歴、こうしたものを生かして、区長にはぜひ頑張ってもらわなければいけないのだと思っておりますが、大田区の主張をこの羽田空港跡地の利用計画により濃く反映させるためには何をすべきなのか、そのポイントについて、ぜひ区長のご意見をお聞かせいただきたいと思います。 ◎松原 区長 羽田空港は、国際化によって日本の玄関口となるという、今、山崎委員のご指摘の意見は全くそのとおりだと思っております。私自身、跡地利用については総合的に考えたいと思っております。つまり空港の拡張、国際化等に起因するさまざまな問題について、空港跡地だけではなくて臨海部や内陸部を含め広域的にとらえ、交通・産業や物流・観光などのほか、空港機能をバックアップするスタッフ訓練や宿泊機能など、内容の面でも多面的にとらえた上で言うべきことをしっかりと言ってまいりたいと思っております。 ◆山崎 委員 ぜひもう期間も1年、この短い期間の中でありますから、ぜひ本当に頑張っていただければなと思っております。  大田区は、この羽田の跡地の活用のほかにも、先ほどからご意見が出ていましたけれども、蒲蒲線の開通の問題など、いわゆる環境・都市基盤整備の分野、こうしたさまざまなこれまでも課題の解決に取り組んできたわけでありますが、しかしながら、この特別区というこの立場、その中でなかなか思うように事が進捗してこなかったのが現状なのではないかなと思っております。将来的に、それこそ政令指定都市にでもなれば、こうしたまちづくりについても区民のそれこそニーズに沿った形で、もっとスムーズにこの事業が進んでいくものと考えておりますけれども、今はとにかく区長、そして私どもの議会のリーダーシップや実行力、こうしたものがまちづくりを進めていく大きな原動力になると考えております。全国的にみれば、むだな公共事業、こういったものが山ほどありますけれども、大田区など都市部での交通事業などは、住民の利便性向上とともに大変に大きな経済効果を生む事業でもあります。  ところで、最近都心部、商業施設を備えた新しいビル、こうしたもののオープンが相次いでおります。まちをこうした魅力を高める再開発、こうした動きが大変話題を集めているわけであります。私の家は蒲田に来るよりもむしろ川崎の方が近いのですけれども、隣の川崎周辺も本当に今、年を追うごとに変化を続けております。こうした再開発、これが即大田区になじむものだとは思っておりませんけれども、近隣地域のこうしたまちの急激な変化、これにはいつも驚かされているわけでございます。大田区を取り巻くまちづくりに関する、これが私の今の率直な感想なのですけれども、これからの大田区のまちづくり、都市計画に対して、昨日から区長の所信表明などございましたけれども、区長の所見をここで伺いたいと思います。 ◎松原 区長 ただいま山崎委員のご指摘のように、私も認識をしております。その上で、大田区内の歴史、文化、芸術、ものづくり、技能、技術、製品を大切にして、区内のそれぞれの地域の特色を生かした魅力あるまちづくりを進め、それらを連携させ、区全体の発展につなげたいと思います。その実現のためには、区はもとより区民の皆さん、町会、地元商店会、民間企業等が一体となってよりよいまちづくりを目指して取り組んでいけるよう、最大限の努力をしていきたいと思っております。 ◆山崎 委員 本当にまちづくり、なかなか簡単に進むものではないということをつくづく私もこの仕事を始めて感じておりますけれども、先ほど申し上げたとおり、やはりその辺はトップのやる気というものが大変左右をされるものだと思っております。もちろん、ただこの事業を展開するにあたって何でも公共事業をやればいいというものでもないし、開発をやればいいというものではありませんから、その事業の必要性やら有効性、あるいは緊急性、こうした観点からのやはり事前の十分な評価、こうしたものをきっちり行って、できるだけ少ない財源の中でより大きな効果が出るような事業の重点化、あるいは効率化の向上性ですね、こうしたものを図っていくことが重要であると思っております。また、その評価の手法、あるいは結果をきちんと公表するなど、まさに実施過程の客観性、あるいは透明性、こうしたものを図ることにも十分ご憂慮いただきたいということをつけ加えておきます。  次に教育政策について伺いたいと思います。教育政策は目下、この国の最重要の課題であります。戦後、これほどまでに教育の再生が強く望まれた時期はなかったと言っても過言ではありません。青少年、児童をめぐるあまりにも悲惨で深刻な事件の続発、ゆとり教育と学力低下がもたらした学校、家庭における混乱、国際的にも極めて低い評価の高等教育など、教育を取り巻く課題、問題は枚挙にいとまがありません。  こうした中、先週、衆議院において政府の教育関連3法案が可決をされました。残念ながら民主党提出の日本国教育基本法案及び学校教育力の向上3法案は否決をされ、審議の舞台は参議院に移ることとなりました。私たち民主党は、今の学校現場にあるさまざまな問題解決のために地方の教育行政改革や学校の環境整備が急務だと考えておりますが、具体的な処方せんとして今回のこの法案を提出しております。  地域性を生かした主体的な教育づくりがより一層求められる中で、地方自治体、中でも市区町村の役割がますます大きくなってきております。今、地方の教育委員会に最も求められているのは、地域の特性を個別の学校に反映させる施策を推進すること、そして現場の校長や職員のやる気を高める環境を整備することだと思います。教育の最大の条件整備は人、つまり教師であります。大田区には教育センターがありますが、教師の研究をサポートする環境整備、こうした教育センターの中でもっと進めていってもらいたいと思っております。  また、学校独自で行うのが難しい分野をカバーすること、学校と家庭、地域とのかかわり合い、こうした中において学校をサポートする役目、決して頭ごなしに教育委員会が出て行くのではなくて、あくまでもサポートという立場の中で教育委員会が頑張っていく。これは大変重要な、これも役割だと思っております。  大田区の教育現場も徐々に変わりつつありますけれども、自治体教育改革の急先鋒とも言われるのがお隣の品川区であります。学校選択制、外部評価制度、小中一貫教育など、先進的とも言える改革案を次々に打ち出してきました。私は、こうした政策を大田区がそのまま取り入れるべきだとは別に申し上げませんが、ただ、今権限がだいぶ大きくなってきております、この地域の教育委員会。その権限を最大限に活用しようとしている、そういう姿勢は見習っていくものがあるのではないかなと感じております。  学校と地域社会が一体となった教育を実現するために、大田区の教育委員会が国との関係、学校との関係をどのように構築しながら教育水準の維持・向上を図っていけばよいのか、地域の子どもたちの学力を地域の力で育てるために、地方自治体がなし得る事は何なのか、私が前述したことも含めて、ぜひ再考していっていただきたいと思いますが、所見をお伺いいたします。 ◎佐藤 教育委員会事務局次長 ただいまご指摘のように、さまざまな自治体で現在教育改革の取り組みが行われてございます。このような取り組みの中には先駆的で華々しいものも目立ちますが、一面、実効性や効果の検証はまだ十分されていない状況にございます。大田区教育委員会の基本的なスタンスは、教育の変革期であるからこそ流行に押し流されることなく、確実に効果が期待できる政策を大田区小中学校全校に着実に実施していくことだと考えてございます。区教委としましては、国の教育改革の動きや区長の施政方針にあります10カ年計画や緊急計画を踏まえながら、本区の新たな教育推進プランを速やかにまとめてまいりたいと考えてございます。 ◆山崎 委員 今おっしゃられたように、まさにこれからの10カ年計画、教育の分野も入ってくるのだと思っております。ぜひ、これからの大田区の教育、改めてここでじっくりと再考していっていただきたいと思います。  以上で私の質問は終わります。次は、柳ヶ瀬委員にお願いします。 ◆柳ヶ瀬 委員 民主党の柳ヶ瀬裕文でございます。私は、さきの区議会議員選挙におきまして初当選をさせていただきました。まだ1年生議員でございます。ですが、区民の皆様からいただきました大きな大きなご期待にしっかりとこたえてまいりたい、そのように考えております。今日は初質問ということでございまして、まだまだふなれな点もございますが、ご容赦をいただければと思います。本日は2点、まずは談合対策、それから時間が許せば児童虐待対策について質問をさせていただきたいと思います。  まずは、談合対策についてお伺いをしていきたいと思います。昨年から今年にかけて福島県、和歌山県、宮崎県、この3県で非常に大きな官製談合が発覚した。それぞれの知事も逮捕されるというところにまで至ったわけであります。あの有名な佐藤栄佐久知事もこの事件で逮捕されました。非常に大きな社会問題となったことは皆様の記憶にも非常に新しいことと思います。また、最近では独法ですね、緑資源機構に関しても、これも毎日報道を見ていても非常にあきれ果てるような露骨な官製談合が行われていたということが日々報道されているわけでございます。私は、この談合はもちろん税の不公正な使用ということもあるのですけれども、それと同時に政治、行政に対する非常に大きな不信を招くことになっているのではないか、こういった意味でも許すことのできない問題ではないかと考えております。  今年の1月に国土交通省の入札談合防止対策検討委員会で、安富事務次官という方が、今回のような入札談合等の不正行為が起きるたびに公共事業に対する国民の信頼が失われていくことになり、そのため必要性が高く、重要である公共事業、公共工事までもが国民の皆さんから不信感を持って見られるようになることを懸念するといったようなあいさつがありました。私は、これはもっともなことだと思うのです。まだまだ必要性の高い、また急を要する公共事業、大田区は多く抱えていると思います。ですので、もしこのような談合のような問題が起きた場合には、非常に大きな区政の停滞を招くのではないか、そういった点を私は心配をしております。そのようなことはあってはいけないと考えています。  そこで、まず区長に基本的な見解をお聞きしたいと思うのですが、談合について宮崎県の知事は最初、必要悪だということを言って、すぐ撤回したということがございましたけれども、区長はこの談合についてどのような基本的なご認識をお持ちなのか、まずお聞かせいただきたいと思います。 ◎松原 区長 昨年来、公共工事をめぐりまして、地方自治体の入札談合事件が相次ぎました。言うまでもなく、入札契約により発注する経費は区民の方々の負担に基づくものでありまして、最小の経費で最大の効果を求めていくことが大原則であります。一部の者の利益になるような談合は、あってはならないことだと思います。幸いなことに、これまで大田区にあってはこのような不祥事はありませんでしたが、今後も従来の施策に加えて、より談合が行われにくい入札契約制度にするために競争性、透明性、公平性の確保の視点に立って、皆様方のご意見もいただきながら常に改善改革を図っていきたいと思っています。 ◆柳ヶ瀬 委員 ありがとうございます。私もこの大田区で、これまで大きな談合問題というのがなかったということは幸せなことだと思います。ただ、これは談合という問題は、もちろん談合する業者もそうなのですけれども、制度にやはり欠陥があったのです、いろいろなケースを見てみても。その制度をしっかりと立て直していかなければいけないのではないか。また、大田区のこの入札制度は、私が調べた限りでは非常に不備があるのではないかなという観点から、また質問をさせていただきたいと思います。  2001年4月に施行された入札契約適正化法とその指針がございます。これは数々の談合問題を受けて、国が官製談合防止法と同時にこの入札契約適正化法をつくったわけでございます。これは国が一つの談合対策の基準を示しているものだと私は考えています。公共工事の透明性の向上、不正行為の防止といったことを目的とした法律ではありますけれども、地方公共団体にも契約の相手先、また入札の金額、随意契約先、随意契約をしたならその随意契約先をなぜ選んだのかといった選定理由を公表しなければいけないといった義務づけをしております。これは、発注業務の公正を確保するための最低限の責務であるとされているわけでありますが、昨年、総務省、国土交通省がこの入札契約適正化法に基づく義務事項をしっかりとやっているかどうかといった調査を行ったわけであります。その結果、大田区は指名競争入札における指名理由を公表していない等、この定められた義務に違反しているといったことが明らかになりました。非常に多くの項目で、大田区は未発表、未公表といった事項があったわけであります。  この実態調査の結果を受けまして、総務省、国土交通省の方から是正措置の通達等々が来ていると思うのですけれども、現在、義務違反は改善されたと私は管財の方からお伺いしたのですけれども、その認識でよいのかどうか確認させていただきたいと思います。 ◎清水 経営管理部長 大田区では、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律に基づきまして、発注の見通し、契約の相手方、入札金額等につき、従来から公表しておりましたが、委員ご指摘のとおり、指名基準、少額案件の契約変更の内容、随意契約の相手方の選定理由等につきましては、公表に至っておりませんでした。そこで、本年の1月以降の契約した案件からはすべて公表いたしておりますので、違反理由がなくなったと考えております。 ◆柳ヶ瀬 委員 ありがとうございます。この義務違反は、現在は改善されたということのようでございますが、2001年に施行された法律でございます。最低限、法律で決められている公表義務事項が施行から6年でやっとすべて公表されるようになったというのがこの大田区の現状なのかなというところで、私は非常に残念な思いでいっぱいでございます。また、この適正化法の義務事項をクリアしたからといって、これは最低限の責務ですから談合ができない仕組みができているとは言えません。  また私が調べた限りでは、現状の大田区の入札制度は非常に一般競争入札案件が少ない。ほとんど指名競争入札案件であるといったことがまず第一の問題点として考えられると思います。資料をいただいておりますけれども、一般競争入札が16、17、18、19年度、今年度まで3件、9件、16件、37件です。指名競争入札、これは工事関係ですけれども、17・18・19、279・337・247という推移なわけでございます。つまり一般競争入札の割合が全体の約10%なのかなと、非常にこれは少ない数字だなと私は思うのですね。しかも、この表を見て私びっくりしましたのは、16年度に一般競争入札の実施が3件と書いてあるのです。ということは、これは16年よりも前の数字を私いただいていないのですが、調べてみると一般競争入札は行われていなかったのではないかということも推測がし得るわけでございます。  また、一般競争入札と指名競争入札の振り分けの基準が、非常に不明であるといったこともございます。指名競争入札の参加者の指名基準、これも私はこのペーパーをいただいているのですけれども、指名の判断事項ということでるる幾つかの項目が書いてあるのですが、経営及び信用の状況とか指名及び受注の状況、既発注工事の施工状況、こういった項目を判断して指名をしていると思うのですけれども、この項目のどこが指名の判断基準になるのかといったことは、全く書かれていないものなのです。私はこのような基準であれば、とても指名入札を行う参加者を決めるにあたっての基準とは、とても言えないようなものなのではないかなと指摘をさせていただきたいと思います。  るる現状の大田区の入札制度について触れさせていただいておるのですけれども、質問させていただきたいと思いますが、区長は現在の大田区の入札制度、これは談合対策に非常に十分なものだとお考えなのかどうか、その点についてご答弁をいただきたいと思います。 ◎清水 経営管理部長 結論的に申し上げますと、現在の入札契約制度をベストだとは考えておりません。現在、談合対策としては、制限つきの一般競争入札の拡大とか電子入札の導入、あるいは公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律に基づく各種入札情報の提供等、競争性の確保や透明性の向上に努めております。また、契約に携わる職員についても研修の実施や、それから各種通達等による談合等の不正防止につき徹底を図っておるところでございます。さらに今後は、指名停止基準の改正によって停止期間の長期化を図ったり、あるいは談合情報に対して速やかに対処できるためのマニュアルの整備等に早急に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆柳ヶ瀬 委員 私もこのレクを受けたときに、非常に多くの方が電子入札をやっているということをおっしゃるのですね。でも、電子入札は事務の効率化を図るための一つのアイテムでございまして、談合防止の役に立つツールではないわけでございます。そういった点をよく考慮いただければと思います。  そこで、改善の余地が見られるということですけれども、改善策を幾つか提案してまいりたいと思います。今、多くの自治体で入札制度改革は実施されてきております。有名になっているのが神奈川県の横須賀市、また長野県とか宮城県、さまざまな地方公共団体におきまして、この制度改革が行われていると。横須賀市に関しては、99年4月以降、指名競争入札を全廃して、条件つき一般競争入札に一本化をしたといったことでございます。この結果、落札率の下落はもちろん事務の効率化など、非常に大きな成果をおさめているという報告書を見ました。まず、現在すぐにこの状況に対して対処できる対策としまして、この一般競争入札案件を増やしていくということが可能だと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。 ◎清水 経営管理部長 確かに委員ご指摘のとおり、透明性の確保、あるいは競争性の向上とか不正行為の排除という視点から見ますと、一般競争入札の拡大を図ることは談合防止の一助になるということは明らかだと思います。ただ、一方では、区内産業の保護育成を図るということも区の重要な役割と考えておりますので、一般競争入札の拡大にあたっては、すべてそちらの方向に動くというわけにもいかないので、そういう点も配慮しながら制度設計を考えていきたいと考えております。 ◆柳ヶ瀬 委員 今、そういった答弁をいただきましたので、ちょっとご質問したいのですけれども、現状の一般競争入札と言われているものも、これは条件つきか制限つきでございますよね、大田区においては。大田区の一般競争入札の条件つき、制限つきだと思うのですけれども、それでよろしいですか。 ◎清水 経営管理部長 そのとおりでございます。 ◆柳ヶ瀬 委員 つまり現在も一般競争入札と言っておりますけれども、当然その区内の産業保護の観点から区内業者に限るといったような制限つき、条件つきの一般競争入札になっているわけでございます。それは、私も非常に納得のいくところでございます。そこを変えろということは申し上げていないつもりなのですけれども。  ただ、地方自治法の原則としても一般競争入札が原則なのです。指名競争入札というのは、一般競争入札に非常になじまない、何らかの特殊な要因がない限り一般競争入札を行うべきだというのが改正地方自治法の大原則ですので、その辺を踏まえていただきたいと。ぜひ、この一般競争入札案件をこれからも増やしていく作業をぜひやっていただきたいなと思います。  それと同時に、長期的な視点に立ちますと、今の入札制度そのものを大きく改善していく必要があるのではないかと考えております。私は事前の指名ではなくて一般競争入札として、総合評価方式によって事業者の適正を考慮するといった方向がよいと考えていますが、この総合評価方式についてのご認識をいただければと思います。  また、そのような入札制度のあり方をしっかりと検討していく。そのような、いわゆる大田区公共工事入札等適正化委員会、または名称はどうでもいいのですけれども、検討委員会のようなものを設置したらいかがかなとそのように思うのですが、その提案についてはいかがでしょうか。 ◎清水 経営管理部長 一般競争入札は、確かに価格のみで競争することによって資力や必要な技術等の力のない者が落札することによりまして、確実な履行の確保に支障が出てしまうといった点を是正するために、総合評価方式を平成11年2月、自治法改正によりまして制度が導入されたわけでありますが、この方式はこれまでの価格のみにスポットをあてた競争から品質、性能、安全等の技術力を合わせて評価する落札方式でございまして、それ自体理念的には大変結構でございますが、この方式は評価項目の選定や評価基準、審査にかなり時間を要します。橋りょう建設など、技術的な工夫の余地が大きい工事については適した方式だなと思いますが、区で発注する工事が技術力を必要とする工事ばかりではございません。今後、どのような入札制度が談合排除に効果的なのか、さまざまな角度から十分研究検討してまいりたいと思っています。 ◆柳ヶ瀬 委員 ありがとうございます。非常に前向きなご答弁をいただけたものだと考えております。 ◎清水 経営管理部長 答弁漏れがありました。大田区公共工事入札制度適正化委員会の設置でございますが、これにつきましては現在、区の入札制度にどういった問題点があるのかといった問題意識で、制度の問題点をいろいろ分析研究しまして、そういった問題点の原因を探りながら改善すべき方向性を定めた上で、委員会の設置方について考えてまいりたいと思っております。 ◆柳ヶ瀬 委員 つまり、それは設置をするということでよろしいのでしょうか。 ◎清水 経営管理部長 こちらの方で十分検討をした上で、設置の可否を考えていきたいと思っております。 ◆柳ヶ瀬 委員 ありがとうございます。今回、松原新区長が民間から選ばれたというのも、やはり区政に対して区長もおっしゃっているとおり、新しい風を吹かせてほしいのだという区民の皆様の期待のあらわれだと思っております。ぜひ区長として、この談合について、これは絶対許さないのだと。また、先ほど部長はあのように答えられましたけれども、検討委員会等々につきましても、これは入札制度を検討する委員会の設置ということだけでございますので、そういったことに関しても前向きな答弁をいただけたらと、区長よりご答弁をいただきたいと思います。 ◎松原 区長 この問題については、私もかねてから大変強い関心を持っております。そういうことで、できる限り部内の中で検討していきたいと思っております。 ◆柳ヶ瀬 委員 私もこの問題については非常に関心を持っておりますので、ライフワークとして、これからもこの議会でしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  2番目のテーマに、ちょっと時間がないので早足でいきたいと思いますが、児童虐待対策についてでございます。これは今少子化の流れの中で、子どもを産んでいただくためのさまざまな施策を考えていると思うのですけれども、その一方で虐待をするということは、ほとんどが実のお母さんが自分の息子を虐待しているというのが現実でございますので、これほど悲しい現実はないわけでございます。こういった子どもの環境をしっかり守っていくこと。これも少子化対策の一環として非常に重要なことだと私は考えております。  さて、児童福祉法が改正になりました。その結果、基礎自治体、地方公共団体が虐待通告の窓口的な役割を担うようになりました。虐待通告を受ける窓口として、大田区においては子ども家庭支援センター、ここが指定されているようでございます。この子ども家庭支援センターで何をするのかといったら、非常に多くの虐待が疑われる事項というのはもういっぱいあるのです。それを、例えば幼稚園から子どもにあざがある、保育園から学校から、また隣近所で、子どもを殴っている、そういった通報が行われるわけですが、そういったものがこの子ども家庭支援センターの方に集約されてくるわけでございます。今は、これを洗足池の子ども家庭支援センターの方でやっていると聞きました。  この子ども家庭支援センターでは、この通告を受けまして、その事例は緊急性が高いのか、また困難度が高いのかどうか、こういったことを判断して児相の方に送るのかどうかということを検討するということになっているわけでございますが、現状の子ども家庭支援センターの職員配置を教えてもらった限りでは、とても子ども家庭支援センターが非常に重要な役割を今、担い切れていないのではないか、そのように心配をしています。洗足池の子ども家庭支援センターの虐待対応の職員というのが4名、1人が児童館の職員の資格を持っていらっしゃるということなのですが、3人は事務職の方でございます。臨床心理士の方が2人いらっしゃるということではありますが、この方々は非常勤であるということを考えると、とても専門性が担保されているとは私は思えないのですね。  そこで、私はぜひ児童虐待の専門家というのは、児童福祉司の資格を持っている人でございます。これは児童相談所に行けば児童福祉司が担当するわけでございますけれども、この一時的な役割をしっかり担っていくのだという意味合いでは、この子ども家庭支援センターにぜひ児童福祉司の資格を持つ人材を配置していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。ぜひ、ご答弁ください。 ◎本間 こども育成部長 家庭支援センターで受ける相談件数は、このところ2,000件を超えております。その中で、虐待に関することということでは1割ちょっとと、200数十件ということでございます。児童福祉法では、都道府県に児童福祉司の設置を義務づけております。したがいまして、東京都におきましては児童相談所、ここに児童福祉司がいるわけでありますが、東京都は19年度、これを増員すると聞いております。  区の子ども家庭支援センターと児童相談所は一定の役割分担、連携のもとに業務にあたっております。当然先ほど200数十件の虐待の問題があると申し上げました、いろいろなレベルの内容でございます。より重大で専門性の高いケースにつきましては、当然児童相談所主導で対応することになっております。区といたしましては、先ほど委員のご指摘のありましたように、児童指導の職員、それから心理職、福祉分野で相談、助言、指導等、援助業務の経験を持つ職員を配置しております。第一義的な身近な相談場所としての役割を区としては適切に果たしてまいりたいと考えております。 ◆柳ヶ瀬 委員 ありがとうございます。今は洗足池なのですけれども、大森に新設される支援センターがこの虐待対応の中心となると。洗足池から移管して、虐待の中心を担うと聞いております。ぜひ人員配置を考えられる際に、今部長がおっしゃいましたけれども、非常に困難事例も増えて、また虐待の通告件数も増えてきています。ぜひ人身配置には、ご配慮をいただければと思います。すみません、時間がなくなりました。  ぜひ児童虐待の問題、これは子育て支援の問題でもあるのですけれども、こういった先ほど区長は児童相談所は区が行うべきものだとおっしゃっていましたけれども、私も全くそのとおりだと思います。大田区67万人の人口がいて、児童相談所が品川にある。私はこれはおかしなことだと思うのですね。ぜひそういった点もどのようにすれば都の仕事と区の仕事の振り分けがうまくできるのかというのは、私はちょっと方策が見当たらないのですけれども、そういったことも含めて児童虐待、子育て支援にしっかり取り組んでいくのだという区長の前向きなご答弁をいただいて最後の質問とさせていただきたいと思います。 ◎松原 区長 私も保護司をやっていまして、本当につくづくそう思っております。虐待の抜本的な対策として、子育て環境の整備が必要であるとの指摘がありました。虐待の問題に関しましては、行政が当然整備、支援しなければならない部分と、家庭内の親子の絆のように親子そのものがはぐくんでいかなければならない部分があるものと考えております。  区といたしましては、深刻な状況に至る前に、気軽に何でも相談できる体制づくりの強化、そしてそのPRに努めるとともに、親子で集える居場所づくりをはじめ、大田区民が安心して子どもを産み育てられる環境づくりを積極的に進めてまいりたいと考えております。 ◆柳ヶ瀬 委員 これで質問を終わります。ありがとうございました。 ○海老澤 委員長 会議が長時間にわたりましたので、おおむね30分休憩いたします。  再開時刻は、午後3時40分といたします。               午後3時06分休憩               午後3時40分再開 ○海老澤 委員長 ただいまから、平成19年第56号議案に関する連合審査会を再開いたします。  それでは、休憩前に引き続き、質疑を行います。  この際、ご報告いたします。犬伏委員の質疑に際しまして、資料の使用を許可しましたので、ご了承願います。  それでは、ネ無自、質疑願います。 ◆犬伏 委員 ネット・無所属・自由連合、略称ネ無自という新しい会派ができまして、初めての質問でございます。これだけ長い時間話すのは初めての経験でございますので、初当選したつもりで話させていただきたいと思います。  まずは、松原区長におかれましては、大変な激戦の中をご当選まことにおめでとうございます。選挙戦はいろいろな立場がありますので、それぞれの立場で頑張ったということで、戦いが終わればこれから二元代表制の二輪の両輪として、ぜひお互いに頑張っていきたいことをここで確認をしておきたいと思います。  さて、私が議員に当選したのは平成11年、以来8年間この連合審査会や予算特別委員会、決算特別委員会等において1円たりとも予算が変わったことは、または決算が変わったことはないわけであります。また、大変な行政手腕の持ち主でありました西野区長、そして西野前区長を支えていらっしゃった助役等々、理事者の皆さんにおかれましても、時としては議会軽視と思えるような言動、またはこの本会議場において議員が質問中に熟慮されているのか、お休みになっているのかわからないような態度も垣間見られたわけであります。新松原区長におかれましては、区議会議員、そして都議会議員として、こちら側からそちら側を見ていらっしゃって、同じような光景を何度も目にされていたことと思われます。先ほど来、同僚議員の質問の中に、議会とともに議論を進めながらこの区政運営をされていきたいというお言葉、大変新しい区政のスタートとして心強く、そして大きな期待を持ってお伺いをしたところであります。  つきましては、新区長にご就任になられまして、これから私たち議員との関係、この場で真剣な議論を交わした上で区政の育成を見据える。今までの20年間の区政というのは、大変せんえつな言い方をさせていただきますと、トップダウンの区政だったと言わざるを得ません。新たな21世紀の区政は、ぜひボトムアップの区政であっていただきたいという思いを強くするわけでありますが、まずは議会との関係をお聞きしたいと思います。 ◎松原 区長 20年ぶりに区長が交代しての思いと、こういうことだと思いますが、西野前区長が区政のかじ取りをされた5期20年間、この間私は自治会長、区議会議員、都議会議員など民間の立場から西野区政を見守り、支えてまいりました。前区長の功績や区政運営につきましては大変大きく評価しておりますが、この基盤を受け継ぎ、これをベースにして、私独自の発想で新たな大田区をつくり出していきたいと考えております。マニフェストにも書かせていただきましたが、大田区政に新しい風を吹き込み、これが区長選への出馬を決めたときの思いであり、区長に就任した現在の思いでもあります。  そういうことによって、議会との関係でございますが、私も議会出身の人間でございますので、連携をとりながらお互いに意見は出し合いながら、しっかりとした大田区政の実現に向けて頑張っていきたいと思っております。 ◆犬伏 委員 日本の地方自治を語るときに、強い首長と弱い議会ということが自虐的に議員の間からも言われております。さまざまな談合事件等を見ても、やはり首長には強い権限があります。そこのところを我々議員がお互いに緊張感を持ちながら、この行政運営をしていくというところが我が国の二元代表制の基本だと思います。どうか本来の二元代表制に大田区議会が、大田区が戻られるよう期待してやまないのであります。  次に、職員と首長との関係についてお尋ねをいたしますが、8年間この区役所の中を見ておりますと、先ほど申し上げましたようにトップダウンの施策が非常に多く行われておりました。所管の事業課の課長、または担当者の方が新たな施策を工夫して、そして企画に上げていく。そこで、こんなのは区長にイエスと言われないから、まずそこで一つのバリアがある。そこを通過して助役のところに行っても、こんなのは区長がだめだと言うからと、またバリアがある。やっと区長のところに行っても、こんな説明ではだめだと、そこで終わられてしまう。結果として、本当にそうかどうかは別にいたしまして、私は受けているイメージは、管理職の皆さんはどうせこんなものを区長に上げてもバツになってしまうから上から言われたことだけやっておけばいいということが20年間続いてきてしまったのではないか。今ここにいらっしゃる理事者の多くの皆さんも、係長級以上になったときには西野前区長しかご存じでないから、それが当たり前のことだ。なおかつ東京都の内部団体だった時代が長いものですから、区長以下の執行部のトップダウン、そして何か困ったら東京都にお伺いを立てる。または所管の国の官庁の解釈集を見て、国はどういうふうに考えるだろうか。つまりみずから考え、みずから工夫をしていくという行動様式が残念ながらこの20年間育ってこなかったのではないかという危惧があるわけでありますが、ぜひ職員を仕事で評価をしていただきたい。ロイヤリティーではなく担当の課長、担当の部長の仕事を評価して、そしてそのことを人事にも反映をしていただきたい。例えば大田区ではさまざまな勉強会を管理職の方、一般職員の方がつくろうとすると、それは反体制のグループではないかということで、ことごとくそういう勉強会がつぶされてきた歴史もあります。その辺を踏まえて、今後、職員と区長の関係、人事評価との兼ね合いについてお考えをお尋ねをしたいと思います。 ◎松原 区長 私はやはり首長と職員というのは、意識が一致していなければだめだと思うのです。そういった意味合いで、区長は最終責任者ではあります。これは間違いありません。しかし、そこの最終責任に行く前にやはり職員の、すごく優秀な職員はいっぱいいますから、そういった方々のやはりいいアイデアを採用していきたいと思いますし、またそういう意味で適材適所の配置もしていきたいと思っています。そういった意味では、職員が能力を生かせる、そういう職場にもっていきたいと思っております。 ◆犬伏 委員 また反面、あめとむちではありませんけれども、民間出身の区長ということで、やはりお役所には残念ながら非常に温かい風というか、常に365日春風が吹いております。先般、私の当選を祝って大田区の職員が実名でメールをくださいました。ぎりぎりでよかったねというメールだったのですけれども、その方は係長級の方であります。おまえの言うように、大田区の職員というのはだれているのだと。この4月に入庁した新入職員が先輩のまねをして、既にサンダル履きで区民の応対をしている。こういうのを見ると、やはりまだまだ区役所もだめだなと感じますというメールをいただきましたので、職員の創意工夫を温かく評価する反面、民間でおかしなこと、サンダル履きで区民に応対するなんていうのは民間ではぶっ飛ばしものでありますから、こういったことは厳しく反対に評価をしていただきたいと要望をしていくところであります。  次に、先ほど委員長からご許可をいただきました資料なのでありますが、既にごらんになっていることかと思いますが、実は私の自宅にこのような怪文書というか、非常に冷静な文章ですね。それから昨日ですか、各会派幹事長様あて緊急アピール、文章の形式、それからフォーマットも違いますから多分別の方だと思います。長文なので簡単に最初のところから読ませていただきますが、「犬伏秀一様、日ごろから区政と区職員に対して厳しいご意見をいただき、時には不快と思いながら、私たちはこのような議員さんこそ必要と陰ながら応援しております」。ありがとうございます。「さて、本日5月7日、大田区では部長級をはじめとする管理職に対する異動発令が行われました。今回の異動はその規模、内容から驚きをもって職員の間では受けとめられています。大方の職員の感想は、論功行賞人事、粛清人事というものです。かつて地方の自治体で選挙直後、首長による報復人事とも言える人事異動が行われ、世間の目を集めたことがありましたが、67万人の人口を有する東京の大田区でこのような出来事が起こるとは、管理職のこととはいえ、多くの一般職員は驚愕の念を持って受けとめています」。中略ですが、「当然ですが、区職員に対する人事の最終権限は区長にあると思います。今回の異動の内示は5月1日夕方に行われたと聞いています。だれをどのポストにつけるかは、これまでの経歴、適正能力を踏まえ、適材適所を心がけるのが普通です。就任直後で一度も言葉を交わしたことのない職員が多い中、松原忠義区長にそのことが果たして可能だったでしょうか。一部の職員の選挙での動きを評価し、その言動に左右されて行った異動ならば側近政治につながるもので、任命権者としては失格です。2007年5月7日、区政の将来を危惧する職員有志」。  幹事長あてに来た緊急アピールは、大田区政を憂える職員の会という名前で、「幹部職員異動内示以来、大田区役所内部は大混乱です。区長就任直後にもかかわらず庁内は浮き立ち、仕事に力が入らないと職員の声で満ちあふれています。特に区長室近辺、5階の経営管理部はがたがたでダッチロール状態です。新区長の求心力は早くも地に落ちています。評判の悪さも自覚してか、超勤はやり放題、備品は買い替えOKとのお達しが出ました。昼休みも1時間に戻すそうです。職員への見え透いた懐柔策、余計な管理職ポスト増設など、むだな経費増、今までのみんなの苦労も水の泡、これではすぐに財政は火の車となります。一体だれのお金と思っているのでしょうか。大田区政を憂える職員の会」。こういう文書が来たわけであります。  私のもとには、こういった文書に限らず、毎日死んじまえとか、お褒めの言葉とか、かみそりこそ来ませんけれども、こういうものが来るものですから、ふだんは読み捨てるわけであります。そして、こういう文書は極めて危険をはらんでいるのですが、一方の話しか聞きませんと他方の思いが伝わってこない。ある意図を持って書かれている可能性もありますから、私はこれが真実だとは思っておりません。  その前提でお話をさせていただきますと、やはり幕府が変わったわけですから新しい人事で自分の思いを出していく。これは極めて重要なことだと思います。この大田区に本社があるワタミの渡邉社長は、好き嫌い人事を奨励しております。やはり好きな人と仕事をしたい。自分が気に入った人と仕事をしたい。これは民間企業でも重要なことで、ロイヤリティーで評価しないでほしいと。何かそれは仕事で評価したいというのはあるのですけれども、ただやはり、そうは言うものの、この人とだったら仕事がやりやすいなというのはトップリーダーとして当たり前のことです。それは構わないと思います。  ただ、今回の人事がここに書いてあるようにあまりにも突如だったものですからびっくりした。特命担当部長が設置をされまして、秘書課長が設置をされたと。このことはある意味では、区役所の中では全く行政経験のない区長が政治主導の区役所の改革をするのだと。そのスタッフが必要なのだという強い思いとして受けとめてよろしいのではないかと私は思っているのですが、ただ職員の中にはこういう思いを受けている職員もいるということで、区長の今回の人事異動に対する思いをお知らせいただきたいと思います。 ◎松原 区長 私としましては、適材適所という形でやらさせていただいたつもりです。大田区政は、ご指摘のように長い間、行政出身の区長により運営されてまいりました。しかし、今この激動の時代には、既存の行政の枠にとらわれず自由な発想で新しい政策をつくり出していくこと、いわば強い政治力が区長に求められていると思います。それを補助してもらうためには、やはり区長の事務の専任部署である秘書課を設けるほか、秘書課の事務、それから職員の人事に関すること及び区長の特命事項、これはやはりかなり部局にまたがっていきますので、やはり私と動いていただいたときに連絡としてどうしても必要だと。そして、また都や国に行ったりなんかする、そういう連絡事項にもやはり私のそばにいてもらってやってくれる職員がぜひとも必要という意識のもとに設置をさせていただいた次第です。 ◆犬伏 委員 ぜひそういう思いであろうと思ったのですが、あまりにも期間が短かったということで、側近政治とここに書いてありまして、そういう思いをされる職員もいると思います。そうではないのだという。つまりすぐ区長の思いが伝わるように、また住民の思いが区長に上がってくるようにということであるとすれば、それは非常にいいことであると私は思っております。  それと、これは確認の意味でお尋ねをしますが、質問しますと言っていないのでおわかりにならないかもしれないのですが、ここに書いてある超勤はやり放題ということをちょっと確認させていただいたのですが、これは今までサービス残業が区役所の中でも若干あったと聞いております。このサービスをサービスではなくていいから超勤をつけなさいという指示が区役所の中に流れたと聞いております。これがここに書いてある超勤やり放題という。ですから、やり放題ではなくて、今までサービス残業だったものをサービスではなくて、ちゃんと働いたものにはお金をつけますよということだと思うのですが、それがあまりにも拡大してしまうと、こういう超勤やり放題という見方をされてしまいます。その辺はちょっと確認をしたいと。  もう一つは、備品は買い替えOK。これは須藤経営管理部長が以前から、区民の見えるところにガムテープがべたべた張ってあるのは格好悪いだろうと。そういうのはちゃんと変えなさいよと言ったことを、ただ踏襲しただけではないかなと私は勝手に理解しているのですけれども、ただこういうふうに書かれると、そうかなと思えないでもない。  それから、昼休み1時間。これも私だけが45分の昼休み条例に1人反対した議員だったのですが、やはり私の言ったとおり1時間に戻るというのは区職労は一体何を考えていたのだと思うのですけれども、これは別にここに書いてあるような見え透いた懐柔策ではなくて、何かお考えがあっておやりになったことだと思うのですが、そこは一つだけ確認をしたいと思います。 ◎清水 経営管理部長 お尋ねのまず第1点でございますが、超過勤務手当でございます。これはサービス残業というのは、労基法違反のことでありまして、当然、労働基準法を守らなければいけないと。ところが、実態においては超勤をつけられないという部署もあると聞いておりまして、やはり超過勤務を無制限に出すというわけではありませんで、超過勤務が発生する原因というのは必ずあるわけです。例えば職員と仕事の分量とか、あるいはその仕事の質のアンマッチとかミスマッチとか、そういったものがあって、その原因を各管理職がきちんと把握した上で、一定の期間どうしても超勤が必要だったらそれをつけなさいと。ただし、事務改善を同時に行うと。そういった条件のもとで、庶務担当課長会に私の方がお話ししました。そういう趣旨でございます。いつまでもこれは永遠に続けるような、そういった考えはございません。  それから現実には、例えば机の表面の板がはがれたり、ガムテープを貼ったり、ソファーが壊れたりという非常に見苦しい状態が結構ありまして、それもなかなか修理できないという状態がかなりのところでございます。これではやはりさわやか区役所と言ってもなかなか職員がそういう気持ちにならないと。だから、必要最小限の修理はこれから定期的にやっていきましょうと。そういったことを限定つきで庶務担当課長会でお話ししているわけでございまして、非常に悪意を持って一定の方向に引っ張っていこうという、虚偽の情報をばらまくという今の文章の中身は全く理解しがたいし、怒りを覚えています。 ◆犬伏 委員 わかりました。続いて、区長の姿勢について質問を進めていきたいと思います。実は思い返すこと平成11年の連合審査会、私は初々しい1年生議員でありまして、西野前区長に対して、放置自転車について、区長であっても1メートルでも近いところに自転車をとめたいという思いは人間の基本的な欲求であるということをお話ししましたら西野区長が激怒されまして、私はそんな公共心のない人間ではない、例に挙げないでほしいと激怒されて、区長であってもということであって、区長がとめるということではないという、けんかではないですけれども、口論をしたのをついこの間のように覚えているわけでありますが、やはり区長がかわったというアピールを区民にする一番手っ取り早いのは、放置自転車が放置ではなくなって合法駐輪になったと。これは手っ取り早いアピールだと思います。大田区では、年間に3万人以上の方が撤去の被害というとおかしいですね、撤去されているわけです。そうすると、その方たちが区長がかわったのだ。多分一般区民の方は選挙が終わってしまったら、区長が西野善雄さんだろうが松原忠義さんだろうが住民票を見てあまり気にならないと思います。ところが、自転車を今まで放置だと言われていたところにとめたら合法になったと。これは、行政とは変わるのだなと実感すると思うのですね。  私は前々からご提案していて一部実現したのですが、JRの東京三菱銀行の裏であるとか、向こう側の旧みずほの裏、今2時間ですかね、とめられることになりました。同様に、今きれいに放置されているアプリコの公開空地のちょうど京浜急行のバスの降り口、それから区役所から環8に抜けるJTBとか、三井住友銀行のあるあの歩道のところ、大変きれいに放置をされている。あそこに白い線をペンキで、まちなみ整備の方が白いペンキを引いてしまうと、あしたから駐輪場ができるのですね。自転車対策という今ガードマンと区の再雇用職員の方が一日交代で指導していますけれども、指導してもあまりにも多過ぎて指導できない。あの人たちに100円でも徴収してもらう。前区長は、これは警視庁が云々とかいろいろ言っているのですけれども、実は警視庁は新宿を含めて許可をしているのです。強い思いが地元区にあれば、こんなことは簡単にできることでありますが、この放置自転車対策、西野前区長は、駅前は大田区民の床の間だとおっしゃいました、平成11年に。私は床の間にキャバクラの看板があったり、サラ金の看板がある。あんなものは床の間ではないと言っているわけですが、松原区長も床の間とお考えで、あそこの放置自転車を合法にするお気持ちがないかどうか、お考えをお尋ねしたいと思います。 ◎松原 区長 駐輪対策で、特に蒲田の東西ですね、これは私も選挙をやるに際しまして、本当に住民の方から何とかしてくれという大変要望を強くいただいております。そういう意味合いの中から、これはやはり一日も早く解決していかなくてはいけないという、そういう大前提に立っています。その中で、私自身はやはり蒲田と大森、やはり魅力のあるまちづくりをしていきたい、そういう考え方もあります。ですから、駐輪対策については短期的にすぐできることと、それから長期的に腰をすえながらしっかりやっていくという、そこの二面性があると思うのです。そういった意味で、私としてはできるだけ早く解決していきたいと思っております。
     区では、自転車駐輪場の整備、放置自転車の撤去、啓発の3点を柱として、これまでも対策を実施しました。今後も放置自転車をなくすため、駐輪場の整備を含め、有効な手だてを検討し、実施していきますということなのですが。そういうことで、私は前向きにやはり一日も早くやっていきたいと思っております。 ◆犬伏 委員 まさに先ほど区長が同僚議員の質問に対して、前区政と松原区政の違いというのは、やはり行政経験の長い方は決められたことを粛々とやることはお得意だけれども、発想の転換、発展ができないのだと。まさにこの放置自転車は発想の転換なのです。放置を撤去するというのは、決められたことを粛々とやることなのですね、それを発想を転換して、放置ではなくて合法にしてしまうという発想の転換で放置はゼロに限りなく近づきますし、年間2億円を支出している放置自転車の撤去費用、これもなくなるわけでありますから、ぜひ前向きに、それも早急にできることはさっさとやるのが民間でありますので、よろしくお願いをしておきます。  続きまして、西地域行政センターについてお尋ねを申し上げたいと思います。この西地域行政センターは、ご存じのように理事者の方と私たちの考えは若干違うのですが、アルプス電気の本社移転のために大田区が西地域行政センターを移転するというのがそもそものスタートでありました。なぜならば長期計画にもない西地域行政センターの移転、耐震補強をあれだけのお金をかけてやっていながらの移転というのは、まさにアルプス電気の移転のための移転、拡張のための移転ではないかと思わざるを得ないのであります。  先般、アルプス電気で地元説明会が開かれました。そこで、私どもの同僚議員が、基本合意書に基づいたまちづくりはどのようになっているのかと質問したところ、アルプス電気の担当者は、何のことをおっしゃっているのかわかりませんという回答をしました。これはあくまで中高層建物の紛争にかかわる条例に基づいての説明会だと。しかしながら、ここにあるアルプス電気と大田区長との基本合意書には、乙たるアルプス電気は雪が谷大塚のまちづくりに寄与するということが山ほどうたわれているのです。ところが、住民説明会では、これは別の話だから、ここでは話さないよと。  なおかつおもしろいことに、現在、アルプス電気が建築確認申請を出そうとしている大田区の行政センター、まだ大田区の行政財産であります。ところが、建築確認を出してしまう。言うならば人の土地に確認申請を出す。これは建築基準法上、問題ない行為ではありますが、ご存じのように、まず大田区の財産を民間に売るためには、大田区の公有財産管理規則によって、まず普通財産に用途廃止をしなければならない。これは所管の部局の長が経営管理部長に協議をしなければいけない。残念ながらまだこの協議は行われていないようでありますし、もちろん行政財産のままであります。そして、これを売却するには議会の議決が必要でありますが、議決もないし、協議もないし、ところが確認が出ている。いわゆる本社ビルを建てるということが先行してしまって、本来大田区のまちづくりのために移るのだよという大義名分がそっちのけにされていて、アルプス電気の本社ビルを建てるのだぞということだけがひとり歩きをしているふうに見えてしまうのであります。実際に今回の説明で、アルプス電気がどういうまちづくりに貢献したのか全く理解できないわけでありまして、これはアルプス電気に売るためにつくった基本合意書としか思えないわけでありますが、どのようにお考えでしょうか。 ◎清水 経営管理部長 アルプス電気の改築工事に伴いまして、基本合意書に基づいて狭い路地の拡幅とか、周辺緑化、それから提供歩道の整備等を進めていただくように、今後開発指導要綱等の協議を行っていく予定でございます。開発指導要綱の受け付けは6月になる予定でございまして、受け付け後に開発指導要綱による協議が開始される予定であります。 ◆犬伏 委員 この基本合意書の中に、周辺地区の課題と対策というところに、先ほど申し上げました駐輪場が少なく、放置自転車対策が急務であると書いてあるのですが、これは私が先ほど言った話とちょっと矛盾すると思われるかもしれませんが、実はここに駐輪場は大田区民には必要ないのですね。この駅からこの駐輪場のすぐ後ろは、世田谷区なのです。もう、すぐ世田谷区です、この細い間に住民は住んでいないのですね。もしここに駐輪場をつくるとすると、大田区民はわざわざ駅の目の前から道路を渡って、この駐輪場にとめて、もう一回道路を渡って電車に乗るという。果たしてそんな面倒くさい駐輪場を区民が使うだろうかとすると、世田谷区民のために大田区は駐輪場を整備するという実におかしな合意書になってしまうわけであります。これはさすがに周辺の皆様の理解は全く得られないし、実際に周辺の自治会長さんはそのようにおっしゃっております。  それから、この基本合意書に基づいた覚書がないのかと、やはり同僚議員が開示請求をしたところ、あるかどうかわからないと。実は昨日まで出てこなかったのですが、私が質問すると言った途端に覚書が出てきたという大変グッドタイミングで開示が出てくるという経験をさせていただきました。いずれにしましても、どうもこの西地域行政センターというのは、片岡社長さんというのはご存じのように前区長とは大変お親しいご関係であったと。別にだからいうわけではありませんが、アルプス電気のためにやった後追いで西地域行政センターを移転する。まちなみ整備をあんな駅前につくると、車が行ったり来たりして大変邪魔だと思うのですが。より今後、計画は法に基づいてやるのではなくて住民のために透明性の高い説明会、それから情報開示を強くお願いをしておきたいと思います。  続いて、同じように企業と大田区が特殊な関係にあるのではないかということを常々申し上げているのですが、田園調布のテニスクラブというのが昔田園コロシアムといったところでありますがございます。ここに実は不思議なことに、区道が駅からテニスクラブの中に入っているのです。大田区の道路地図、区道の特別区道地図というのを見せていただきまして、実際に現場に行ってまいりましたら、区道が敷地内に20メートル近く入っていまして、何とそこに関係者以外立ち入り禁止というテニスクラブの鉄の扉が閉まっていまして、特別区道でありながら扉で区民は入れないという実態があるのです。ここの地主さんはご存じの東急電鉄でありまして、この区役所の2階のくすのきという食堂を3月31日まで、やはり東急電鉄の子会社が無償で借り受けて、ただで借り受けて経営をしていたと。場所も違うし、話も違うのですけれども、今回も大田区民の財産である特別区道を東急電鉄がただで使っていて、そこに扉をつくってしまって区道としては全く機能しない、こんなところに区道があること自体おかしいのだけれども、区道として機能していない。これはどのような事情であって、今後どうすべきでしょうか。扉をつけてしまったのなら使用料をよこせという話だし、買えという話もあるだろうし、また扉をもっと区道のところまで戻せという話もあるだろうし、お考えを伺います。 ◎竹村 大田西地域行政センター長 ただいまの件でございますけれども、テニスクラブに門を撤去するようにということで、昨年の12月に文書で通知をしております。そうしましたところ、本年7月末までに撤去をするということで回答をいただいております。 ◆犬伏 委員 例えば、ちょっと一緒には語れないのだけれども、昨年12月の納付期限の税金があったとします。払わないと年利14.6%でしたか、とんでもない延滞金がついて、払え払えと来るのですけれども、区民には厳しく、大企業には甘くという見られかねない政策であって、例えばセンター長のお宅によその人が入ってきたら即刻出て行けというのが普通の人の感覚であって、あそこは大田区民のものに大企業が門を張ってしまったのだから、そんなものは東急電鉄がごとき大きな会社だったら門扉を20メートル下げる工事なんて明日にでもできるわけで、7月というのは7カ月後ですね、12月からいうと。そんな大変な工事なのですかね。 ◎竹村 大田西地域行政センター長 工事ということで、大変かどうかということでは必ずしも承知しておりませんけれども、一応そういったことになっております。 ◆犬伏 委員 お役所仕事がのんびりしているというのはわかるのですけれども、あまりにも外から見ているとのんびりし過ぎている仕事が山ほどありますので、わかったら、やはりすぐやってもらうということが信頼できる区政、信頼できる行政の基本だと思いますので、もうもはや6月ですから、7月末までにやると言っているのですけれども、できれば議会で言われてしまったから、もうちょっと早くやってくれないかということを言っていただければいいのかなと思っております。  以外と37分は短いもので、もう5分であります。幾つか質問が残っておりますが、最後に介護保険について質問をさせていただきます。実は、厚生労働省は各自治体ごとに介護保険の削減計画を出せという、とんでもない自分のところの政策ミスを自治体に押しつけるようなことを言っておりますが、一部議員はご存じのように大田区の介護給付の審査というのは周辺区でも最も厳しくて、ケアマネジャーがもう大田区のケアプランをつくりたくないと。立派なケアプランをつくってもすぐにカットされてしまうということがあるのですが、厚生労働省の考えに従ってまた削減してしまうと、ますます大田区の介護保険は給付率が下がって、またお金が余ってしまうのではないかと思うのですが、どのようにお考えでありましょうか。 ◎金澤 保健福祉部長 ご指摘のように、厚生労働省が検討してございます介護給付適正化プログラム計画では、要介護認定の適正化、ケアマネジメント等の適正化、介護サービス事業者に対する制度内容の周知、助言及び指導、監査等の適切な実施が主な内容となってございます。私どもといたしましては、介護保険制度の趣旨にのっとりまして制度の適正な運営に今後も努めていきたいと思っております。 ◆犬伏 委員 よくわかったような、わからないような答弁でありますが。何度も申し上げていますけれども、介護保険というのは保険者は大田区ですから、まさにこれは試されているのです、地方自治が。何でもかんでも厚生労働省の言うとおりではなくて、保険者として大田区は、あんたらはそう言ったって、そうじゃねえよ、このやろーという強い意志を見せていただきたいと思うのですね。  続いて介護保険なのですが、また厚生労働省がばかなことを言いまして、高齢者の方がボランティアをするとポイント制にして、どこかの航空会社みたいなのですけれども、介護保険料を下げるという、いかにも官僚が考えそうな陳腐な案を出してきたわけでありますが、ボランティアをしたという事実をどうやって得点化して、だれがそれを判定するのか。ボランティアをしたことにしてみたいなことが起きるのではないかと思うのですが、これはどういうふうにやられるご予定ですか。 ◎金澤 保健福祉部長 ご指摘の介護支援ボランティア活動でございますけれども、介護施設や在宅等において要介護者等に対する介護予防に資する行動を行った場合にポイントを付与して、自治体が定めた管理機関がそのポイントを管理するという制度のようでございますけれども、実施のイメージとして、ポイントカードなどに活動実績を蓄積していくということを想定しているのではないかと思いますけれども、ご指摘のように活動状況の確認、また本来のボランティア活動のあり方、そういったこととの整合性などを実施自治体、他の自治体の状況を見ながら考えてまいりたいと思っております。 ◆犬伏 委員 本当に先ほどの文書は区役所のダッチロールという話でしたけれども、厚生労働省はダッチロールしていまして、こういうふうに決めたら、こういうふうになってしまったから、ではこうやると。本当にダッチロールして、介護事業者も迷惑ですし、介護保険を受けている方も迷惑だし、実は部長も迷惑だと思っていると思うのですけれども、ころころ変わる厚生労働省に振り回されることなく、基礎的自治体としての大田区の考え方、それから介護保険の保険者としての強い意志をお持ちいただいて、高齢者が厚生労働省の被害に遭わないようにセイフティーネットをおつくりいただきたいことをお願いしておきます。  そして、るる申し上げましたが、新松原区長のもと、大田区の管理職を含めた全職員の方が創意工夫に満ち満ちあふれた、そしてあいさつのできる、今朝、区長が区役所に来てびっくりしたのは、エレベーターの中で私にあいさつしないのだなんていうことをある団体の会合でおっしゃっていました。でも、最近はあいさつをしてくれるとおっしゃっていました。あいさつと笑顔に満ち満ちあふれ、管理職も職員の方も松原区長のもとに新しい大田区をつくるのだと強い決意で望まれることを強く要望して質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○海老澤 委員長 緑、質疑願います。 ◆野呂 委員 松原区長の基本方針についてお伺いいたします。昨日の施政方針の中で、区長は六つのお約束の冒頭で大田区を日本の顔にと、そして区民が主人公の大田区をつくりたいということを申し述べておりました。心の通う行政をということで活発なかじ取りを期待するわけでございますけれども、その区政運営にあたりまして、区長は何を財産としてその任にあたられるのか、そのことをまずお伺いいたします。 ◎松原 区長 大田区の発展、区民生活、福祉の充実、これらを実現させることは当然ですが、私1人の力ではとてもなし得ません。まずは大田にお住まいの区民の皆様、区内で活動する事業体など、区政の主役となる方々のお力添えが必要です。また、区議会の皆さんのお知恵もちょうだいしなくてはなりません。ここでは、あえてご質問に対するお答えを区役所内部の事に限らせていただくならば、それは間違いなく人材だと思います。よく組織力という言葉を聞きますが、組織というのは人と仕事の組み合わせですから、適材を適所に配置しなければ力強く活動はできません。成果も出ません。人材を育て、その能力を十分に発揮してもらうよう、このようにして区役所としては最大の経営資産である人材を大切にして、十二分に活用していきたいと考えております。 ◆野呂 委員 区役所内部に限ってみるならば人材だということで、大田区には約5,000名の職員がおります。その職員を十二分に能力を引き出して育てながら運営にあたっていくということですけれども、私も本当にそのとおりだと思います。その職員が気持ちよく働けるかどうか。そのことが68万区民にこたえるまず第一の手だてかと思います。その基本は信頼関係だと思うわけでございますけれども、今日は組織改正がありましたので、その点についてまずお伺いいたします。  私が区議会議員になりまして一番初めに、ある先輩議員にこう教わりました。人事不介入と。私はそのことは肝に銘じており、政策についていつも議論していかなければいけないなということを感じてまいりましたけれども、今回組織改正が一番最初に行われまして、今まで自治体では聞きなれない特命担当部長というポストが発令されましたので、そのポストの設置理由と位置づけをぜひ区長にお聞きしたいと思います。 ◎清水 経営管理部長 先ほど犬伏議員の質問に対して区長がお答えをいたしましたが、端的に言えばトップマネジメントの強化ということでございます。 ◆野呂 委員 トップマネジメントの強化、先ほど区長がいろいろなことを横断的に取り組まなければならない。そういった事態もあり得ることだと。また羽田空港の国際線なども視野に入っている中で、さまざまな国や都との交渉事などもあるときにトップマネジメント強化ということですけれども、確かに役人からの出身でないという中でいろいろな条例や規則などについても十分な力を役人から得るということは大切かと思っております。  ただ今回、大田区の組織規則の中に各部長の分掌事務というものが明記されておりますけれども、その中に特命の事項と、そして職員人事ということが書かれておりましたけれども、今まで経営管理部長が人事権を持っていました。今回、特命担当部長が職員の人事を握るということで、これは経営管理部長と特命担当部長との人事の役割というのはどういうふうになっているのかということをちょっとお答えください。 ◎清水 経営管理部長 経営管理部長が所管している分掌事務のうち、人事任用、人事管理、職員定数などの職員人事に関する職務権限を特命担当部長が担任させていただくことになっております。 ◆野呂 委員 では、経営管理部長は人事に関しては全く不介入ということですか。そうではないですよね。 ◎清水 経営管理部長 やはり私の方からは総合的な事務の流れ等、それから職員の配置については、区全体の総合的な対応をしていきたいなと思っております。 ◆野呂 委員 二つの経営管理部の中に、そうしたポストが設けられているわけですけれども、やはり職員の人事といったときに職員の能力を十二分に引き出すためには、それぞれの職員の状況を把握しながら、その力を引き出すことが大事だと私も思っております。  今年の2月の定例会で、職員のメンタルヘルスについて質問させていただいたのですけれども、2005年度で1,197件の産業医に対する相談があり、やはり職員が本当に話せる場をつくることが大切だと思います。そういった意味で、職員の意欲やその能力を十二分に引き出して、尊重して区民に役立ってもらうことが区政運営の第一だと思うのですけれども、そういった職員育成を考えるとともに適材適所の人材配置をしていただきたいと思いますけれども、その点についてはどういうふうに考えていますか。 ◎清水 経営管理部長 私の権限の中に、職員の研修等の育成の事務がありまして、それと人事をどういうふうにリンクさせるかという課題が今後あります。ただし、今のご質問に対して答えるとしましたら、区民にとって役に立つ職員というのは、要するに地域で発生している問題とか、現場でいろいろ区民が困っていることとか、改善してもらいたいような、そういったさまざまな問題に対して、その状況を的確に把握しまして、問題解決ができる職員だと考えております。  こういった職員を育てるには、まず職場で自由に意見が言えて、それから改善提案を議論できる組織風土、これをつくらなければ絵にかいたもちになってしまうわけです。このためには課長、係長がリーダーシップを発揮して、本当に職員が政策形成に参与できるような、そういう雰囲気をつくって、現場からいろいろなアイデアをどんどん出してもらうということが必要ですので、管理監督者の研修についても力を入れていきたいなと考えております。  また、人事配置につきましては、仕事を通して自己実現をしていくといったことは、これからの人事管理にとって大変必要なことでありますので、各職場において必要としている能力等との適応関係にも配慮して、より区民満足度が高いサービスを提供できるように配置を考えていきたいと考えております。 ◆野呂 委員 自由に意見を言える、議論ができるということがまず一番の基本だと思います。首長と職員は意識が一致することだと、先ほど松原区長が話しておりましたけれども、その基本に立って、信頼関係を第一とする区政運営にあたっていただきたいと思います。  続いて、区の公共施設、区が持っている施設についてちょっとお伺いいたします。2001年の6月定例会で、私は今後大田区が持つ施設、あの当時で570の施設がありましたけれども、その建て替えがどんどん必要となってくるということを質問させていただきました。それは、ただ単にある施設を建て替えればいいということだけではなく、どういうふうに複合施設にしていくかということ、それから地域にどういうふうに点在させるかということも視野に入れて必要だと思うのですけれども、今現在534施設となっています、19年の3月時点で。この建て替えにあたりましては、長期的な視点が必要だと思うのですけれども、そういったプランを区長がお持ちなのかどうか、その点についてお伺いいたします。 ◎清水 経営管理部長 確かにご指摘のとおり、区の所有する施設の数は534施設、総延べ床面積は118万平米でございます。建築後30年以上経過している建物は全体の48.1%、250施設を超えています。したがって、平成20年以降10年間ぐらいの間に、改築や大規模修繕の必要な施設が集中するということが予想されます。そこで、その際に必要な多額の経費については、公共施設整備資金積立基金を積み立てて、将来の財政負担に対して対応してまいりたいと思っています。 ◆野呂 委員 今、公共施設整備資金積立基金の話をしましたけれども、今日現在の報告で132億8,580万3,000円ということでした。2001年に建築部が試算したとき、建て替えにあたって1,509億円が必要だということをその当時既に建築部の中で試算しておりました。やはり多額の視点に立って、そしてこれをどういうふうにして基金として積み立てて、そして計画的にやっていくかという、その視点を持ち合わせて、皆さんでプロジェクトチームをつくって長期計画にあたっていただきたいということを要望して質問を終わります。 ○海老澤 委員長 社民、質疑願います。 ◆西村 委員 社民党・大田区民の会の西村健志郎といいます。初めての1年生議員でございます。頑張りますので、つたない質問になるかもしれませんけれども、よろしくお願い申し上げます。  まず、いろいろお話が出ましたけれども、今少ない税財源の中でよりよい公共サービスを行っていくためにはどうすればいいかということで、談合や入札の制度、制度改革等のお話も出ました。制度改革をやれば簡単に片づくかもしれませんけれども、私は違った視点から質問させていただきたいと思います。それはコスト意識を、私も民間企業におりましたので、コスト意識をどのように持っていただくかということで質問したいと思います。  まず、一人会派としましてはあまり機会がございませんので、まず区長の方に民間出身ということですし、民間力という言葉もありましたので、今の公務を担当される方々と民間の方々との間のコスト意識につきまして、どういうご見解をお持ちか、本当に生の声を聞かせていただければと思いますので、よろしくお願いします。 ◎松原 区長 コスト意識は、やはり区政運営の一番大事な視点だと思います。私もやはり民間ですから自分も若いころ、いろいろな仕事もしていたこともあります。そういうことで、本当に税金を払うそういう立場になったときに、私の父親なんかも畳屋の職人でしたので手伝って、そういう会計事務もやりました。そういうところでいきますと、やはり本当に1万円の税金を払うのにどのぐらいの苦労をしてやはり払っているか。この視点は非常に大事だと思います。そういう意味で、やはり物事をつくっていく場合に、すべてやはりコストいうものをきちんと区民の方から預かった税金ということを頭に念頭に置きながら一つずつのことをやっていきたいと思っています。 ◆西村 委員 総論の話をどうもありがとうございました。例えばの話ですけれども、コストで今投機的な経費で約200億円、これを消費税並みといったら言い方が悪いですが、5%削減しても10億円目指すことはできると。10億円あれば、お話が先ほど出ました保育園が二つ、三つ、あるいは今これから必要となる高齢者への医療や介護についても使うことができるということで、ぜひ今でも公務の効率化、さらには環境マネジメント等に沿いまして、ごみを減らせとか省エネルギーに努めることをやられていると思いますけれども、今回は補正予算にかかわりまして、その契約に際してのコスト削減について、どのような現状把握とこれからの施策、対策をとられていくか。できれば数値目標も含めましてお聞きしたいと思います。  大きく分けると、伺ったところでは契約に際しての準備としましては、まず予算を上げるための方法としまして、過去の例や都が示すような積算基準に基づきまして出していくと。主に土木関係、橋りょうや公園にかかわるような土木関係ではそれをなされていると。対しまして建築関係です。例えば学校や体育館、今回も体育館が出ていますけれども、それから庁舎等の施設や保育園、それからレベルは違うけれども、美術館等の公共施設につきましては、これにつきましては積算基準でやると。先ほど話しました橋りょうや公園につきましては、個々の見積もりをとってやっていくと、この見積もり方式。ちょっと言い方は勝手につけますけれども、見積もり方式と積算基準に基づく方式によって予算を上げていく根拠とすると。その後予算が決まってくると、後は入札の方にいきます。入札の話は今日時間がありませんのでしません。  まず、予算を上げるまでの予算額を決める妥当性としまして、まず橋りょうや公園のように実際に見積書を業者からとってやる。ところが、出てくる見積書というのは基本的にはどうでしょうかね、横並びと言っていいようなものが多い。あるいは内部で、署内で担当者の方が積算されたものにおきましても同じような額になってしまうと。こういう現状の把握と、またこの横並びではなかなかコスト削減はできないと思います。これに対する対策ですね。コストを例えば5%、15%と下げた後にはどうしていくことが考えられているかをお答え願いたいと思います。 ◎石田 まちづくり推進部長 土木と公園ということで、今回は補正では設計の委託ということになっております。この積算をどうやってやっているのか、それをどうやってコストを削減したらいいのかというご質問だと思いますけれども、現実は見積もりをとりながら三社、複数見積もりをとるということをまず第一原則。それから積算にあたっては、都の積算基準がございますので、これに係数を掛けて額を算定する。設計委託ですから、なかなかコストを削減する部分のあまり余地がない。単価は統一的な単価に決まっておりますし、どう実態に即した積算をするかということで、そこを努力しているところです。  今後、民間の手法も使って、一定程度の設計委託に関してもコストを下げる工夫をしたらどうかというご提案ですので、適正なコストの設定、これはもう基本的に公共事業においては最も重要な事項と考えておりますので、民間の手法とも参考にしながら新たなコストダウンの手法についても研究をしてまいりたいと思っております。 ◆西村 委員 横並びの値が出てくるような単価設定ですね。それをその基準を見直すとか、そのやり方を見直す方向で検討していただけると私は認識しております。  それと、もう一つ大事なのは、やはりトップダウンという話も出ましたけれども、要するに数値目標をしっかり決めてやっているのが民間の手法です。やはりそれについても検討いただきたいと思います。  もう一つの建築関係で積算、要は見積書をあまりとらずに積算によってやる方向で行っている。例えば今回ですと体育館の設計委託、それから保育園の工事、あるいはその前の設計や調査につきましてご答弁願いたいと思います。 ◎清水 経営管理部長 建築工事の算出につきましては、東京都財務局の基準を準用した積算表示を用いて算出しているものでございます。これは一応妥当性のあるものと認識しております。  なお、予算を立てる際の建設工事費につきましては、東京都財務局の標準建物予算単価や過去の類似建物の実績単価をもとに積み上げによって算出しております。建設工事費の縮減に関しましては、設計の際に新築工事の内部VEですね。バリューエンジニアリングを用いて、その内部の職員の、例えば施設管理課とか庶務課とか、技術系の職員で努力しまして、結果的に例えば平成17年度の工事の千束第二保育園新築工事では、約3%の工事予算額に対する縮減を図りましたと。今後とも建設工事費の縮減に努めてまいりたいと思っています。 ◆西村 委員 3%で、先ほど私は5%の例を出したのですけれども、やはり民間の会社ではなかなかそのぐらいでは担当者が課長や部長に上げても見てもらえないと。もう少し、やはりその辺の数値目標は厳しいものを設定していかないといけないのではないかなと。それによって何が生み出されるかをしっかり決めていくと。  今のご答弁で、やはり過去の例、あるいは過去の実績等の話が必ず出てきます。ただ、今までと同じようなことをやっていれば、これからの多様なニーズには対応できないと。当然、耐震性やバリアフリー等の対応はもう徐々にしていきますが、今後は対環境、環境の問題等も含めまして、あるいは施設の仕様のスペックのレベルアップ等にも対応していかなくてはいけないということで、やはりその多様なニーズに対して、もう少し目標値を高目に設定する方向で検討願いたいということをご要望申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。 ○海老澤 委員長 本日は、この程度で委員会を閉会いたします。  明日は、午後1時より開会いたしますので、よろしくお願いします。                午後4時37分閉会...